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絵解きフェスティバル

絵解きフェスティバル
 
                   塚本倫正 
生涯学習サークル「明成会」は、明治大学・成田社会人大学に学んだ有志で構成している。同大学は、小川国彦元市長の提言で設立され20年近く続いている人気の市民大学である。
明成会では、かって講師を務めた明治大学林雅彦教授を顧問に迎え、年数回、明治大学でのイベント参加や、われわれ会員の体験発表を行い交流、親睦を深めている。
事務局担当の堂本さんのご尽力で会員も増えている。楽しく異世代、異業種の会員と交流を図ることができると、皆さん生き生きと会に参加してくれる。こんなに楽しくて勉強になる会はないと異口同音にいわれる。
9月6日、堂本さんから長野の善光寺で「絵解きフェスティバル」があり、林教授も記念講演をされる。皆さんで行こう、と呼びかけがあり喜んで参加した。
私は10年前、明治大学で「絵解き」の口演を聴き、感動したことを思い出しすぐに申し込みをした。大会前日の5日、われわれ参加者10数人は林先生ご夫妻を囲んで、長野駅近くの料亭で盛大な前夜祭を開き盛り上がった。
大会当日、特に印象に残った刈萱山西光寺住職夫人の竹澤繁子さんについての感想をまとめてみます。
竹澤さんは子育てが終わった時、住職夫人として何をしたらよいかを考えた。先々代の住職の時代まで行っていた仏教芸能の「絵解き」を参拝に訪れる人の前でやってみようと思い立った。
刈萱道心・石堂丸ゆかりの寺に嫁いできた縁を大切にしよう。祖母から聞いた耳学問の「石堂丸の物語」をポツリポツリと説明するようになった。やってみると意外と好評であった。
明治大学の林雅彦先生が訪問され、大学や絵解き研究会でもぜひやってほしいと依頼されるようになってきた。全国各地からも声がかかるようになり人生が楽しくなったという。
さて、当日の竹澤さんの口演であるが、和服姿で落ち着いて、感情を込めての話し方は見事だった。終了のときは万雷の拍手だった。
圧巻だった石童丸と道心との会話の場面をここに記してみます。
 
道心「なにっ、石童丸とな…。」
聞いた道心、持った花桶ばったと落とし、石童丸の顔をしげしげと眺め、みるみる涙があふれ、頬を伝う。それもそのはず、この道心こそが、石堂丸の父上、重氏その人だったからでございます。
石堂「これは道心さま、お目に涙が…。もしや道心さまは私の父上さまでは…。父上さまは、左の眉に黒子 ( ほくろ )が…。道心さまにも黒子が…。」
道心「うっ…、いや…、なに…。」
と、袖で顔を隠される。
この辺にくると、聞く人の何人かはハンカチを目に当てていた。
 
親は子を知り、子は親を知らず。 ( いと )吾子 ( わがこ )を前にして、名乗れぬ父の悲しみは、泣いて血を吐くほととぎす
 
私は、竹澤さんから、人は何か自分の使命を見つけ、その道一筋に生きていくことの大切さを学んだ。
                                           (平成2610月1日)

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