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今年も禿田江郎は亡者の名簿整理で六道珍皇寺に来た。
例年、暑さでフラフラになり、清水道の交番でお世話になるのだが、
今年は妻の篠田莉子が一緒に来ている。
とはいえ、彼女は特殊な霊能力がないので、閻魔堂の戸口までである。
さて、数日前、その篠田莉子と禿田江郎は話をしていた。
禿田「だんだんと迎えに来る家族が減っているんだ、少子化、核家族、
遠方への移動など、いろいろな事情が重なっているようだ」
篠田「たしかにそうよねぇ、うちのまわりでもお盆に何もしないひと
多いもん、遊びに行くひとは多いけど」
禿田「呼ばれていない精霊は盆踊りとかにひっそりと参加するんだけ
ど、盆踊りも減ったなぁ」
篠田「このへんでは盆踊りの音聞こえないわね、精霊さんたちが帰っ
てくる場所がないのかぁ、可哀想」
禿田「そうだな」
篠田「あ、そうだ、夏の音楽祭とかには帰ってこられないの?ほら全
国各地であるじゃない、ロックやジャズのフェスティバルとか」
禿田「おう、それだ、毎年行われている『夏祭り』これなら精霊たち
も参加できるかも」
篠田「そうなったら素敵だわ」
そんな会話がきっかけで、
〜盆踊りだけでなく、全国各地で毎年行われる夏祭り(フェスティバル)
全般に精霊が戻ってきて一緒に楽しめる。
というアイデアを事前に六道珍皇寺の住職経由で管理者の桜井さんに伝
えてある。
地蔵堂の前まで来ると、綾乃が地下の事務室から出てきた。
綾乃「奥様の篠田さんも一緒に来たのね、いらっしゃい」
篠田「去年は海の上(レイテ島近海)でお世話になりました、うふっ」
綾乃「禿田さんと篠田さんのアイデアは聞いているわ、冥界の関係者
の了解も取れたみたい、私たちにはその関係の仕事が少しあるわ」
篠田「私は霊力がなくてここから地下には入れないから、綾乃さんよ
ろしくね」
綾乃「あ、篠田さんにも手伝ってもらいたいの、作業は地下じゃなく
て、本堂を借りて行うことになってる、本堂なら大丈夫でしょ、いい
かしら?」
篠田「え、そうなの、今年もお手伝い、やったぁ」
禿田「こうなるか、なるほど…」
亡者の仕分け管理者の桜井さん(輪廻振り分け事務所の所員でもある)
によると。
閻魔様、地獄の鬼、その他冥界関係者も、この『全国夏祭り帰還作戦』
は好意的に受け入れられたという。
ただし、
1,家族からお迎えがない(墓参りを含む)精霊に限る。
2,期間は八月いっぱいとする。
3,戻れる期間は一週間まで。
である。
これを機会に脱走しようとする精霊を見張るのは、地獄の鬼である。
(2)
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/63951025.html
につづく
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http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/63949474.html
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まあ、今日から夏コミ(夏のコミックマーケット)というお祭り開催なワケですよ。
「精霊さんもちゃんと並んで下さーい、熱中症対策も忘れずに」^^
2016/8/12(金) 午前 11:17