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vol.91疎開(3)
https://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/64716017.html
よりつづく
( 1 )
「つまりね、私たちはひろくんよりこの中世イタリアの村の自由さを選んだわけよ」
と代表の滝島先生が言う。
女子4人は僕と別れてそれぞれ自由にこの村で暮らすと言いはじめたのである。
「は、え、え〜っ…!!!?」
突然のことでぼくは驚いた。
「離婚って、そ、そんなぁ〜、ぼくがみんなのことを拘束してたかな?」
「うーん、そうじゃないのよね、でも、この中世イタリアの長閑な自由さには私たち
は結婚というのが〜なんとなく動き辛いのよ、もっと自由奔放に行動したいわけ」
女子4人の感じる結婚していることの不自由さがぼくにはわからない。
「うーん、別の家に住むというのでもダメなのか?」
「ダメ、この感覚は男のひろくんにはわかんない」
「そんなぁ〜。ま、まさか、この村のイケメンと結婚したいとか…」
「独身になったらそれもあるかもねえ〜」などと佐藤さんが言う。
「本気かよ」
「まあ、まだこのイタリア村のイケメンのテクニシャンを見つけたわけじゃないけど」
と滝島先生。
「そういう可能性も考えてるのか」
「可能性だけね、まだ決めたわけじゃないし、そういう関係もないから不倫で離婚
ということじゃないわよ、あくまでひろくんとの平和な金銭云々なしの合意離婚ね」
女子はこの寮を出て別に家を建てるという、二ノ瀬さんの魔術なら家ぐらい建てら
れるのだろう。
「で、4人別々に独り暮らしするのか?」
「うーん、そうねえ、4人一緒でもいいかな、例えば…この寮からひろくんがいなく
なる感じ〜の生活でもOKかな」
「えええええ〜っ、ひどいっ」
「あ、そうそう、ひろくんの白い液体は私たちの年齢維持に不可欠だから引き続き
供給してね、取りにくるわ、まあひろくんに代わる白い液体の提供者が現れれば
それまでだけど」
「どう考えてもぼくが捨てられるって感じだぞ」
「うん、私たちがひろくんから離れるワケね」
女子ひとりひとりと話してもそれ以上のものは出てこなかった、純粋にぼくがいる
生活は嫌であるらしい。
ぼくも女子もしばらく冷却期間を置いたほうがいいと考えて離婚は先送りで別々
に暮らすことにした。
どうせ離婚届は元の世界に戻れるようにならないと出せないし、元の世界は“女
子の巨乳・貧乳大戦争”が続いていて届けを出せる状態でもないし。
で、引っ越しの手間を考えて〜ぼくが寮を出ることになった。
なんか女子4人の言いなりになっている、なんとも情けないぼくだ。
僕の家はやはり二ノ瀬さんが魔術!?で作ってくれた。
場所は寮から1キロほど離れている。
周囲には畑として使える土地が広がっている、これも二ノ瀬さんの魔術だろう。
家はなんとなく和風の木造平屋、2DK+機械加工作業小屋、ひとりで暮らすに
は必要十分といったところか。
ここで離れて暮らしてぼくは、いや女子4人には頭を冷やして考え直してもらわ
なくちゃいけない。
もちろん廣珍堂さんにもこの事件は相談したのだが。
『昔から言うだろう、夫婦喧嘩は犬も食わないって、なんでわざわざ私が口を出
さねばならんのだ、夫婦で決めたまえ。中世イタリアに移動したことで時空の歪
みや生死に関わることが起きたなら別だがな』であった。
まあ、別々に住んでいても市場で顔を合わせる、市場の横の診療所には決まっ
た時間に滝島先生が診察に出るから、確実に合えるし、滝島先生はぼくたちよ
り10歳大人だし。
とりあえず、ぼくも畑をやって村の機械の手入れなどの仕事をして稼がなくて
はならない。
基本は物々交換の村だけどさ。
あー、ややこしい、いや、女子4人の気持ちが理解出来ない、単純な“困った”
である。
(2)
https://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/64723827.html
へつづく
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