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先週Twitterで季語で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。
1, = 八手の花(やつでのはな) =
ひつそりと雪を呼ぶ八手の花はイケメン気象予報士が好き
2, = 蕪(かぶ) =
みぞれ受くる樽の中より蕪出せば手の冷たさに母を思へり
3, = 湯豆腐(ゆどうふ) =
湯豆腐を「どうぞ」と救うひとの手の交差する皺愛せよ今宵
4, = 神迎(かみむかえ) =
横丁の小さな社も神迎え酔つた女が抱きついてゐる
5, = 大雪(たいせつ) =
みどりごは眠りの中の我が家の大雪の窓ますます暗し
6, = 火事(かじ) =
夜10時職員室より火事なるも答案用紙は焼け残りたり
7, = 漱石忌(そうせきき) =
あの猫が雪の気配で舐めたのか漱石忌なのに見つからぬ本
・八手の花(やつでのはな):初冬の植物季語で「花八手」とも。葉の形から「天狗の羽団扇」の別名も。初冬に花茎の先から白い球状の小さな花を付け、翌年夏にそれが黒い実に変わる。
・蕪(かぶ):三冬の植物季語で、「かぶら」「かぶらな」の古称傍題や「蕪洗ふ」などの生活傍題も。七世紀頃に中国から渡来し、かつてはアオナ・スズナと呼ばれ、根菜より葉菜として食された。
・湯豆腐(ゆどうふ):三冬の生活季語。昆布出汁と薬味で食する手軽さが体を温める冬の鍋料理として好まれる。江戸期に京都で生まれたこの名称に対して、大坂では「湯奴」と称した。
・神迎(かみむかえ):初冬の行事季語で「神還る」とも。陰暦十月末日は、ひと月の「神議(かみはかり)」を終えた諸国の神々が出雲から戻る日とされ、各地で迎えの祭事が行われる。
・大雪(たいせつ):二十四節気の一つ。暦の上では今日から仲冬に入る。『改正月令博物筌』(1808)に「雨が寒気に凝り固まりて雪となる月ゆゑ大雪といふなり」とある。
・火事(かじ):三冬の生活季語で「山火事」「昼火事」などの限定的傍題も。日常的に起こり得る災害ではあるが、空気が乾燥するこの時季はことに発生しやすいので冬の季語に。
・漱石忌(そうせきき):仲冬の行事季語。慶応三年(1867)江戸に生まれた漱石が没したのは大正五年(1916)のこの日。小説家としての名を得る前に子規一派の俳人としてデビューした。
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