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先週Twitterで季語で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。
1, = 蛇苺(へびいちご) =
学校の廊下の角の蛇苺今日も瞳で僕を誘へり
2, = 蜘蛛の糸(くものいと) =
亡者らを騒がすだけの蜘蛛の糸今朝は強度が二倍サービス
3, = 竹の皮脱ぐ(たけのかわぬぐ) =
天空は竹の皮脱ぐ色となり一頁繰る幻想小説
4, = 芒種(ぼうしゅ) =
麦わらの帽子を高く放り上げ芒種のひかりをすくう少年
5, = 鴫焼茄子(しぎやきなす) =
居酒屋に鴫焼茄子の気配して母の背中の温もりに入る
6, = 五月雨(さみだれ) =
フロントに可愛い五月雨乗せたまま君の車はゆつくり走る
7, = 額の花(がくのはな) =
登校の雨滴をつつむ額の花はじめて知つた少女の秘密
・蛇苺(へびいちご):初夏の植物季語で「くちなわいちご」とも。路傍の草地に自生して五弁の黄花を付け、この時季に紅い実を結ぶ。「蛇」の名が付くところから「毒苺」とも呼ばれるが実際は無毒。
・蜘蛛の糸(くものいと):三夏の生類季語。「蜘蛛の網(い)」の傍題で「蜘蛛の網(あみ)」とも。網主の「蜘蛛」も同季別題にあたるが、その巣や糸にはそれとは異なる趣がある。
・竹の皮脱ぐ(たけのかわぬぐ):初夏の植物季語で「竹の皮散る」とも。筍の生長につれてその皮が自然に剥がれ落ちるのを人間の脱衣のさまに擬えて「脱ぐ」と捉えた。その「竹の皮」も傍題に。
・芒種(ぼうしゅ):二十四節気の一つ。「芒(のぎ)」は稲などの籾(もみ)の先にある針状の細毛のことで、そのような穀物を「種(うえ)る」意を表す。
・鴫焼茄子(しぎやきなす):三夏の生活季語で単に「鴫焼」とも。縦割りの皮付き茄子に山椒味噌を塗って軽く炙った江戸の庶民料理から出た呼び名で「焼茄子」あるいは「茄子焼く」の動詞形傍題も。
・五月雨(さみだれ):仲夏の天文季語で「さつきあめ」の読みや「さみだる」の動詞形傍題も。旧暦五月頃に降り続く長雨を表すところから生まれた熟字表記に従う季題で古来名句が多い。
・額の花(がくのはな):仲夏の植物季語で「額紫陽花」あるいは単に「額」とも。淡青色の花の周囲を小さな装飾花が平たく縁取るさまが額縁を思わせるところからこの名が出た。
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