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先週Twitterで季語で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。
1, = 灼く(やく) =
青春がビキニの背中灼いてゐる文芸部だつて合宿なのだ
2, = 梅雨明け(つゆあけ) =
梅雨明けにマックシェイクをつよく吸ひ停止している頭蓋骨内
3, = 涼し(すずし) =
北山の杉の道なる涼しさよ清水は今日も暗く湧き出づ
4, = 雲の峰(くものみね) =
蝉取りの子供の背中守りつつ記憶の底へ入る雲の峰
5, = 氷室(ひむろ) =
氷室持つ村はいつしか廃村に街の祈りも忘れしところ
6, = 白南風(しろはえ・しらはえ) =
白南風がビルの先のみ撫でて去る都会の底のひとの混濁
7, = トマト =
じうじうとトマトの熱が染みてゆきフライパンには眩しいパスタ
・灼(や)く:晩夏の時候季語で、対象物にこれを冠した「灼岩(やけいわ)」「日焼岩」などの傍題も。太陽の直射光を受けて地上の物が燃え立つような熱さになった状態を詠むにふさわしい近代の季語。
・梅雨明(つゆあけ):晩夏の時候季語で「梅雨あがる」などとも。関東甲信越地方は平年より大幅に遅れて昨日ようやく梅雨明けが発表された。鬱陶しい梅雨から抜け出したものの今度は蒸し暑い真夏日が続く。
・涼し(すずし):三夏の時候季語。単字漢語「涼(りょう)」やその熟語「涼気」「涼味」などの傍題も。「暑し」も同季にあるが、その対極を求める心が「涼し」の本意。これを「新涼」とすれば初秋の季語に。
・雲の峰(くものみね):真青な夏空に沸き上がる積乱雲の雄姿を聳え立つ山嶺に喩えた三夏の天文季語。「入道雲」「雷雲」「峰雲」などの傍題でも。
・氷室(ひむろ):晩夏の生活季語。冬に採取した献上用の雪や氷を夏まで貯えるために山陰などに掘った穴。古代から伝わる習わしで『日本書紀』にその記事が見える。現代では天然氷の貯蔵所にもこの名を用いる。
・白南風(しろはえ・しらはえ):晩夏の天文季語。梅雨空を吹く仲夏の「黒南風」に対して、夏の陽光がまぶしく照りつける時季に南から吹き寄せる爽やかな季節風をいう。
・トマト:晩夏の植物季語で「赤茄子」の和名や「蕃茄(ばんか)」の漢名傍題も。ペルー原産で明治初期に観賞用として渡来したのが、後に日本人向けの味に改良され食用野菜として普及した。
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