|
先週Twitterで季語で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。
1, = 水仙(すいせん) =
水仙を迷いなく切る母親が古い免許で飾る床の間
2, = 寒晴(かんばれ) =
水たまりの氷をそつと踏んでゐる寒晴の君は息を纏ひて
3, = 寒中水泳(かんちゅうすいえい) =
三秒で寒中水泳終へし子も焚き火の前で食べるぜんざい
4, = 冬篭(ふゆごもり) =
積みし本視界の端に冬篭り雪降りつづく窓を眺めつ
5, = 納豆(なっとう) =
混ずるほど納豆の粘りやはらかく大豆はとろり泳ぎ始める
6, = 梟(ふくろう) =
滑空の梟が行く土温くやはらかならむ冬のてのひら
7, = 冬の蝿(ふゆのはえ) =
流れ星の残しし色の降りたるや複眼ひかる冬の蝿ゐて
・水仙(すいせん):晩冬の植物季語で「水仙花」「雪中花」の傍題も。東伊豆など関東以西の海岸に自生する。活け花や鑑賞用に栽培され、花の少ない時季に咲くものとして喜ばれる。
・寒晴(かんばれ):晩冬の天文季語で「寒日和(かんびより)」とも。空は青く冴え渡っているものの、寒さはことのほか厳しく身に迫る。季語として定着したのは比較的新しい。
・寒中水泳(かんちゅうすいえい):晩冬の生活季語。「寒泳(かんえい・かんおよぎ)」の傍題もあり、例句ではこちらを用いた吟が用い。身心の鍛錬を目指して行われる寒中行事の一つ。
・冬籠(ふゆごもり):三冬の生活季語で「冬ごもる」の動詞形傍題も。冬の間活動を停止してじっとしていること。本来動植物について用いた詞を、人間が外に出ずに蟄居する意に比喩的に転用したもの。
・納豆(なっとう):三冬の生活季語で「なっと」の短略形も。塩水で熟成させたものと納豆菌によるものの二系列あるが今日ではもっぱら後者。傍題「納豆売り」が朝の子供の仕事だった時代も。
・梟(ふくろう):三冬の生類季語。この夜行性の猛禽を、西洋では知恵や技芸の象徴として崇めたのに対して、古代中国ではこれを不吉な鳥としたところから傍題「母食鳥」の異名も生まれた。
・冬の蝿(ふゆのはえ):三冬の生類季語で「凍蝿(いてばえ)」「寒蝿(かんばえ)」とも。夏には嫌われる存在だが、寒さに耐えて弱々しい姿で命を繋ぐ姿には哀れさが漂う。
|