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先週Twitterで季語で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。
1, = 立春(りっしゅん) =
パン屋のウインドウが立春のまぶしさを満たしてバゲットと君
2, = 寒明(かんあけ) =
ベランダで寒明の陽射し胸に受けさらさらと鳴るワイシャツ撫でる
3, = 公魚(わかさぎ) =
やはらかき雨に変はれば公魚は水の奥にてきらめきゐたり
4, = 春椎茸(はるしいたけ) =
まな板に春椎茸をぢつと見て飯台拭いてと布巾投ぐるひと
5, = 海猫渡る(ごめわたる) =
やはらかに輝く空に海猫渡りさやうならつて言ふひとがゐる
6, = 早春(そうしゅん) =
靴の紐がほどけたままゆく街で早春色のチラシ踏むなり
7, = 犬ふぐり(いぬふぐり) =
馳け廻る子犬のよこに犬ふぐり河原にひとつ家族うまれて
・立春(りっしゅん):二十四節気の一つで「春立つ」「春来る」などとも。陰暦では立春の前後に新年を迎えるので季語「新春」にも現実感があった。今年は旧大晦日がこの日にあたる「年内立春」。
・寒明(かんあけ):初春の時候季語で「寒明く」「寒過ぐ」などのの動詞形傍題も。「小寒」から続いた寒の時季が終わり、寒さはなお厳しいものの、一区切り付いたという安堵感は嬉しい。
・公魚(わかさぎ):初春の生類季語で「公魚釣」の生活傍題も。湖沼に移殖されたのを結氷した湖面に穴を開けて釣る漁法で知られるが、当季には産卵のために川を遡上するのを網で獲ることが多い。
・春椎茸(はるしいたけ):三春の植物季語。単に「椎茸」と言えば最盛期三秋の季語になるが、春に収穫されるものは「春子(はるご)」の別名でも呼ばれ、肉質の柔らかさが珍重される。
・海猫渡(ごめわた)る:初春ないしは仲春の生類季語。カモメ科の海鳥がこの時季に越冬地から繁殖地の小島などに渡ること。単に「海猫」と詠めば夏、「海猫帰る」は秋の季語になる。
・早春(そうしゅん):初春の時候季語で「春早し」の用言形傍題でも。唱歌「早春賦」にいう「春は名のみの風の寒さ」に冬の気配はなお残るものの、春の息吹もそこかしこに感じられる。
・犬(いぬ)ふぐり:初春の植物季語で「ひょうたんぐさ」の別名傍題も。早春の陽だまりに可憐な瑠璃色の花を覗かせる。実の形が犬の睾丸に似るところから生まれたこの名には見立ての可笑しみがある。
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