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先週Twitterで季語で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。
1, = 鳥交る(とりさかる) =
逆光の朝日に細めた目の前を鳥交りつつ描く五芒星
2, = 蓴生う(ぬなわおう) =
真夜中の公園に蓴生ふ音に少年淡くひかりて勃起
3, = 木の実植う(このみうう) =
子供らが木の実を植える裏山にずつと前からある秘密基地
4, = 春分(しゅんぶん) =
薄き汗少女は空に溶かしゆく春分の土手自主練コース
5, = 卒業(そつぎよう) =
卒業を決める試験のわら半紙鉛筆の下で我を見てをり
6, = 雪の果(ゆきのはて) =
卒業の写真に写る雪の果て明るき庭はもう無いといふ
7, = 遍路(へんろ) =
影だけがふたつとなりて行く遍路険しき道に青き草木
・鳥交(とりさか)る:三春の生類季語で「鳥交(つる)む」「鳥の恋」などの傍題でも。この時季から初夏にかけて鳥たちは繁殖期を迎え、雄鳥は様々の求愛行動で雌を誘う。
・蓴生(ぬなわお)う:仲春の植物季語。「蓴(ぬなわ)」は沼や溜池などに自生するスイレン科の水草「蓴菜(じゅんさい)」の古名。透明の粘膜に包まれた若葉がこの時季に芽生え、食用として夏に採取される。
・木の実植(このみう)う:仲春の生活季語。春の雪解けを待って、前年に拾っておいた椎や櫟(くぬぎ)などの実を苗床に植えたり、山に直植えしたりする。育った苗については別題「苗木植う」を用いる。
・春分(しゅんぶん):二十四節気の一つ。仲春の時候季語で昼と夜の長さが等しいことを表す「中日」の別名傍題も。「春分の日」と使えば祝日を指す生活季語に。仲春後半に入り春暖の時季が到来する。
・卒業(そつぎょう):仲春の生活季語で「卒業式」「卒業歌」「卒園」などの傍題も。学業を卒(お)えた喜びや新しい生活への期待感に別れの悲しみが綯交(ないま)ぜとなって青春のひとときを彩る。
・雪の果(ゆきのはて):仲春の天文季語で「雪の別れ」「名残の雪」などの傍題も。また「涅槃会(ねはんえ)」の前後が春の雪の降り仕舞となることが多いところから「涅槃雪」とも。
・遍路(へんろ):三春の生活季語。一般には四国八十八箇所の霊場巡りを指す。気候の好いこの時季に「同行二人」と記した笠を頂く白衣姿で賑わう。秋季の遍路には「秋」を冠して区別する。
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