|
先週Twitterで季語で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。
1, = 花冷(はなびえ) =
花冷えをこらえて飲んだ強者の誰も覚えぬ写真に時雨
2, = 蛍烏賊(ほたるいか) =
やはらかき腸(わた)を食むとき蛍烏賊は白磁のなかの海を渡れり
3, = 若芝(わかしば) =
液晶に反射してゐる若芝の精霊見ずやインスタグラム
4, = 炉塞(ろふさぎ) =
散り初めの桜の色をそつと入れ炉塞ぎの畳ふはり沈めり
5, = 柳(やなぎ) =
幽霊のまだ眠りたる柳なら秘密をつくる逢ひゞきひとつ
6, = 畑打(はたうち) =
畑打ちて流るる汗に映りたる高き空へと雲雀昇りぬ
7, = 山吹(やまぶき) =
少年が山吹の藪に潜り込み見つけたボールが昇る大空
・花冷(はなびえ):「花の冷え」とも。桜が咲き満ちて春の気分に酔いしれていると、その油断を見透かしたように俄に冷えこみが襲ってくる。この時季の気まぐれな気候を花に託した晩春の時候季語。
・螢烏賊(ほたるいか):晩春の生類季語。日本各地の黒潮流域に分布し、体に発光体があるところからこの名が出た。富山湾のものが特に有名で、湾内を群游する景観は天然記念物の指定を受けている。
・若芝(わかしば):晩春の植物季語で「春の芝」「芝萌ゆる」「芝青む」などの傍題も。冬の寒さに枯れ果てていた芝生が芽生え緑色を増してゆく姿は自然に備わる回復の力を思わせる。
・炉塞(ろふさぎ):晩春の生活季語。冬の間開かれていた炉に、傍題の「炉蓋」をはめたり畳を入れたりして塞ぐこと。茶道ではこれも傍題の「炉の名残」と称する茶会を催すことも。
・柳(やなぎ):晩春の植物季語で桜と並ぶ春の風物。細い枝を垂らす「枝垂柳」と枝の垂れない「川柳」があり「柳の糸」「柳の雨」「門(かど)柳」など他の語と結んだ傍題も。
・畑打(はたうち):三春の生活季語で「畑打つ」「畑返す」などの動詞形傍題でも。冬の寒さや雪の重みで凍み固められた畑の土を打ち起こすこと。耕耘機が普及する前は鋤による人力作業であった。
・山吹(やまぶき):「面影草」「かがみ草」などの異名もある晩春の植物季語。バラ科の低木でこの時季に五弁の黄色い花を付ける。変種の「白山吹」や重弁の「八重山吹」なども傍題に。
|