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(6)
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/63521803.html
よりつづく
( 7 )
70年が経っているので海中に沈んだ兵士は骨も溶けて青い
海の一部となっている。
ところが眠ったままの英霊がときどきいる。
海上では何度か慰霊が行われていたはずだが、まだ三途の
川まで行かずに漂っているものがいる。
眠っているのを起こして聞いてみれば、「慰霊祭があった
ようだが俺は寝ていた、目が覚めたらみんないなくなって
いた」という。
「静かにこのまま寝ていさせてくれ」という霊魂も多い。
その気持ちも分かるような気がするが、これは冥界から
命じられた仕事である。
「落ち着くところに行ったらまた静かに眠れますから」
とお願いする。
急いでイカダの上から以前使った“三途の川-誘導セット”
を持ってきて精霊に巻きつける。
「外さないでくださいよ、これをつけていれば間もなく
三途の川の関係者が迎えに来ます、行くところへ行かない
とご家族も心配なさいますからね」
「なるほど、了解したでありますっ!」
一週間が経ったころ、なんと遺骨を見つけた。
船のなかの密閉された部分にあって、水は入っていたもの
の丈夫な軍靴を履いていたようで、足首の一部が残ってい
た、これは丁寧に調査・引き上げしなければならない。
禿田と綾乃が霊力を精一杯つかって、この遺骨と関係する
遺品を探した、靴や衣類の断片が残っていたのでそれも添
えて引き上げる。
もっとも、骨も遺品も禿田と綾乃だから判別できるものの
普通のひとには水にしか見えないレベルである。
霊魂は慰霊されてすでに別の場所に行っているようだ。
さて、身元は判明するだろうか。
そんなこんなで、3人ともクタクタに疲れて捜索期間の2
週間が終わった。
禿田「疲れたー」
綾乃「これからもこんな仕事があるならやだー」
莉子「遊びに来たのに、こんな激務の手伝いだなんて…」
禿田「事務局は何日か休みをくれるはずだけど」
東日本大震災の津波の後の捜索と三途の川への案内作業の
ときには、作業終了後、数日間の休暇がもらえた。
ところが、今回は事務局の桜井さんから
「すぐ帰って来い、今夜もうひとつしなくてはならないこ
とがある」
とメールが来た。
「えー」「なによ〜」「私は参加なの?」
ちなみに莉子は霊能力がないので参加しなくてもよい、イ
カダで待機せよとのこと。
(8)
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