ひろちん。のBLOG

西日本と日本海側も油断してはいけない-地震。

あやかしの書き物

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泉鏡花大好き-ひろちんの-怪しい世界の書き物

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盂蘭盆会-2014 (1-6)目次

 

    盂蘭盆会 2014(1-6)



       毎年恒例の〜『盂蘭盆会シリーズ』です。 


   (1)をUPしました。(8月1日)

   (2)をUPしました。(8月2日)

   (3)をUPしました。(8月3日)

   (4)をUPしました。(8月5日)

   (5)をUPしました。(8月7日)

   (6)をUPしました。(8月8日)


場所:京都 六道珍皇寺 閻魔堂 閻魔さまの下の 地下事務室(魔界空間)
 - -
禿田江郎(はげた えろう)2009年から亡者の整理に参加。
綾乃 - 毎年この仕事をしている女-少し霊力がある。
閻魔さま
桜井 - 輪廻振り分け事務所の所員
篠田莉子(しのだ りこ)- 開業医(皮膚科)の女医で禿田江郎と事実婚(同居中)
 - - - -
あらすじ:
禿田江郎は京都清水寺の近くにある六道珍皇寺(ここは盆に精霊を呼ん
で家族に渡す『六道参り』で有名、古くからあの世とこの世の境目の役
割を果たしている、冥界に通じる井戸もある)
の閻魔堂地下の魔界空間で、毎年盆前にこの一年間に亡くなったひとの
整理をしている。
この作業は選ばれた者数十人だけがする、彼の相方は毎年“綾乃”という
女である。
前任者の大福ひろ吉は今は菩薩見習い。




 - - - - -
最近の記事は…
「広島原爆忌2014」
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62988322.html
「季語短歌14-8-4」
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62985292.html
「056:余(廣珍堂)」
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62978858.html
「蟹のカノン-J.S.バッハ」
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62977357.html
「2014年売れ筋の水着」
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62975885.html

宿場の視察(4)

(3)
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62878214.html
よりつづく

           ( 4 )

会議が終わってから担当者のところに行って話を聞くと。
「そうです、辞退されたS委員さんは、黒田さんと同じ宿に泊まられて、
真夜中にあの橋から落ちて、現在意識不明だそうです」
「あの女と同じか」

会議のあと、黒田は自分とS委員が泊まった宿屋を訪れた。
女将が出て来て
「黒田様ようこそ、今日もお泊まりですか」
「いやいやそうでない、今日は役場で会議があってな、そこでS委員が
この宿に泊まった翌朝、橋から落ちたことを聞いたので、よければその
ときの状況を聞きたいと思って伺ったのだ」

「ああ、委員のS先生は意識不明だそうですね、大変なことになりまし
たわ」
「回復してくれるといいのだが、S先生について気になったことはなか
ったかい」
「実は、あの方がお泊まりになられた日も…」
「なんだね」
「あの女性がお見えになりましたの、役場で景観の仕事をしているので
話を聞きたいと」
「うん」
「それで黒田様のときと同じようにお部屋にご案内したのですが、S先
生はずいぶんお酒が好きなようで、女性のほうもかなり飲める方のよう
でした、何度もお部屋に熱燗を運んだので御座います」
「酒か」
「それで、そうですね、日付けが変わる頃にお酒をお届けして、女性に
は玄関を開けておく旨伝えまして、私どもは仕事を終えました。
それからしばらくは話し声がしたのですが、そのまま静かになりました、
まあ男と女のことですからそういうこともあろうかと思いながら、私ど
もも眠りについてしまいました」
「林さんは帰らなかった…のか」
「それで、朝、外が騒がしいので出てみると、あの委員の方が橋から落
ちたと、大騒ぎになっておりました」
「それじゃ、橋から落ちたのは深夜か明け方かわからないわけだ」
「そうでございますねえ…」

数日後、役場の担当者に電話をすると、
「委員のS先生が橋から落ちた事故の後、林さんは奇跡的に目を覚まし
まして、歩けるようになったそうです」
と教えてくれた。

なるほど、生霊が入れ替わったか。


  < 了 >



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http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62875159.html

宿場の視察(3)

(2)
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62876702.html
よりつづく

           ( 3 )

午前中は引き続き宿場の町並みの調査をして、昼前に再び役場を訪れた。
昨日と同じ担当者に
「昨日は、有り難うございました、調査報告と保全方針は、帰ってまとめ
てメールで送らせていたきます、それをたたき台に委員会で議論すればよ
いでしょう」
「わざわざ遠方からありがとうございました」
「いえいえ、ところで林さんは今日も外勤ですか」
「林ですか、そのうなものはこの景観保全の部署にはいませんが」
「変ですねえ、夕べ宿にお見えになって、夜遅くまで話し込みました、
景観保全についてはかなりの知識をお持ちの方でしたけど」
「林ねえ、あっ!」
「心当たりでもありますか」

「その林という女性は髪が肩ぐらいで小柄で細い感じではありませんでし
たか」
「ええ、そうです、その方です」
「……」
「何か」
担当者は小声で
「林さんはとても有能な職員で、この宿場の保全の指定にあたってずいぶ
ん頑張られた方なのですが、今年のはじめに、あの宿場の裏手の橋から落
ちましてね、今は…植物人間状態のはずです。
あそこの橋は欄干が低くいうえに冬場に凍結していて転んだ拍子に落ちた
とか」
「それじゃ、夕べ来たのは誰でしょう」
「…やはり姿かたち、知識からすると林さんでしょうか」

いわゆる生霊というものであろうか。
背筋が震えた。

そのまま、私は自宅に戻り保全計画のレポートを書いて役場に送った。

二週間ほどして、宿場の景観保全の委員が役場の会議室に集まった、
初顔合わせである。
全部で5人と聞いていたのだが、4人しかいない。
担当者が、
「もうおひとかたS先生を委員をお願いしたのですが、先日こちらに調
査にお見えになったときに事故に遭われまして、今はご入院中で、委員
を辞退するとのご連絡がありました」
その場は、ほかの委員が「それは大変なことですね」と言った程度だっ
たのだが。
黒田は何か気になった。

(4)
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62879721.html
につづく


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http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62875159.html

宿場の視察(2)

(1)
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62875167.html
よりつづく

           ( 2 )

「お客さん、夕食で召し上がりたいものは何かございますか」
「うーん、出来ればこの土地のものが食いたい、刺身等はいらんぞ」
「は、では山菜と猪の肉を用意させていただきます、よろしいですか」
「猪か、それは有り難い」

女将は何か買い物に出かけたようだ。
黒田は今日の視察から重要事項を書き出した。
パソコンもスマホもかろうじて繋がるが、遅い。
スマホはスムーズに繋がるようにしないと観光客が不便だろう。
いまは写真を撮ってすぐにネット上に投稿する時代だから。

出された夕食はなかなか美味かった、猪の肉は思いのほか柔らかく温ま
った、山菜は旬のものではないが関西の都会で食うものとはえらい差で、
これも美味しくいただいた。
ちなみに黒田は下戸であるので、酒は飲まない。

夕食が終わろうかというときに、訪問客があった。
はて、こんなところに知り合いなどいないのだが。
と、ふすまを開けたのは三十ぐらいの女。

「黒田様ですね、わたくし町役場でこの宿場の景観保存の仕事をしてい
るものです、お昼にお見えだったそうですが、あいにく外出しておりま
して、少しお話をお聞かせ願えればと思いまして、ずうずうしくも寄せ
ていただきました」
「ほう、なるほど職員さんですか、ま、どうぞどうぞ」

女は林と名乗った。
それから、今日の感想や関西での保存活動など話し込んでしまった。
この女もそうとう勉強しているらしく、突っ込んだ話になったのである。
気がつくと十一時、これはいけない。
「林さん、もう帰らないと」
「あら、まだ話は序盤じゃないですか、もう少し話を聞かせて下さい」
ここで酔っていれば、黒田も何か考えたのかもしれないが、しらふでは
遅い時間に女といるのはよくない。
タクシーを呼んで帰らせた。

外は白いものがちらつきはじめていた。
信州はもう冬か。

翌朝、すこし寝坊をした。
昨日は外を歩き回ったうえ、夕べは女とずいぶん話をしたので疲れていた
のかもしれない。

(3)
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62878214.html
につづく


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http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62875159.html

宿場の視察(1)


         ( 1 )

「さすがに寒いな」
黒田は信州の街道沿いの宿場街の視察に来ていた。
この宿場町は県から景観保存地区に指定されたところである。
彼は関西地方の景観保全に携わったことがあるので、この町の役場から
保存の仕方を考える委員のひとりに選ばれたのである。

こちらに着いたのが昼頃。
役場で担当者から簡単に概要を聞いて、現場であるこの宿場を見て廻って
いるのである。

古い宿場町では似たようなものなのだが、
傷んで傾いている家が少なくない。
何年もひとが住んでいないのであろう。
逆に壁をモルタル塗りにして今風の看板を掲げているところもある。
これも元の形態に改修しなくてはならない。

外観はそうするとして。
内部は今の生活がしやすいように改修して、誰かに住んでもらう、
地元の名産品の店舗として使えるならなおよい。
往時の間取りがよく残っているものは、一,二軒改修して公開することも
出来たらいい。

そうしているうちにまたたく陽が傾いて来た。
さて、この宿場に泊まれるところはあるのだろうか。
開いている雑貨屋で聞くと、一軒だけ民宿をしているという。
雑貨屋の店主が電話を入れて、今夜泊まれるように都合をつけてくれた。

その民宿『吉沢』という。
女将が「いらっしゃいませ、どうぞどうぞ」
「遅い時間に押しかけて済まんね」
「いえいえ、この宿場の保存の先生だとか」
「先生じゃない、町役場に頼まれただけのものです」
「まあ、お上がりください」

と、通された部屋は、
何の変哲もない八畳の和室。
テレビもない、床の間には若い女の絵が一枚掛かっている。
晩秋で、もう炬燵が出ている。
「身体が冷えた、何か熱いものは作れんかね、うどんか蕎麦か何か」
「では蕎麦を作って参ります」
「おお、助かる」

しばらくして女将は月見蕎麦と宿帳を持って来た。
「信州といえば蕎麦だな、たしかにうどんはないわな、ははは」
「そうですわね、ふふ」
関西と違って出汁の色が濃い、しかし啜ってみるとこれが美味い。
さすが本場である。

(2)
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62876702.html
につづく


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