ひろちん。のBLOG

西日本と日本海側も油断してはいけない-地震。

あやかしの書き物

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泉鏡花大好き-ひろちんの-怪しい世界の書き物

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盂蘭盆会2013(4)

(3)
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62383568.html
よりつづく

          ( 4 )

禿田と綾乃は例年どおり亡者の整理をしていたのだが。
「ねえ、あの冷凍になっている人たちは、お盆のときどうするの?」
「うーん、そうだなー、帰れないんじゃないか?」
「でも、ご家族がお迎えにきたら断るワケ?それはないでしょ」
「たしかになぁ〜」

それを確かめに桜井さんのところに行くと、
「ああ、そうだね、お盆の間だけ帰れるようにしよう」
「冷凍を溶いてですか」
「そうなると、冷凍庫のなかから呼び戻さなくてはならないな、
禿田さんと綾乃さん、冷凍庫のところへ行って、誰がどの冷凍カ
プセルに入っているか調べてきてくれ」
「え、冷凍庫、閻魔様預かりだから、閻魔様のところですか?」
「輪廻振り分け事務所の裏手にある、場所はわかるな」
「はい、輪廻振り分け事務所の場所なら知ってますけど…」

ということで、やってきた。〜冷凍庫前。
冷凍庫というよりひとつの建物である、冷凍倉庫だ。
マイナス200度の冷気が冷凍庫の壊れたところから“しゅうしゅう”
と湯気か煙のように溢れ出している。
それを何人もの技術者が修理している、壁の一部を取り替える工
事中らしい。

マイナス200度である、液体窒素の温度である、普通の格好では
瞬時に凍って死んでしまう。
ということで、作業しているひとも禿田と綾乃も専用の防護服を
着ている。
ほぼ宇宙服である、分厚い服で頭には金魚鉢みたいなのを被って
いる。

禿田と綾乃は冷凍庫のなかで亡者の入った透明なカプセルのどれ
に誰が入っているのか、精霊案内用の一覧表を作った。

血まみれのや、腐敗したのもあるが、ふたりは慣れている。
一昨年の東北沖でイカダに乗って亡者に三途の川受付の案内をし
たときは、もっと凄惨な遺体を持った亡者が多くいた。

閻魔様預かりの冷凍亡者は想像以上に多く、100名以上いた。
なんとか名簿を作って帰ってきた頃には身体が冷えきっていた。

閻魔堂の地下に戻ると、綾乃さんが「ふう、大変だったわね、
あっ、温かいものがあるみたいよ」
今年も東山の小料理屋の女将が手作り料理を届けてくれている、
温かい汁物が美味い、生き返った。

(5)
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62388688.html
へつづく


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http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62378510.html

盂蘭盆会2013(3)

(2)
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62380302.html
よりつづく

          ( 3 )

それと、今年は閻魔さまからの以来で、冥界側でも問題になっている
の事件の状況や背後関係、金の動き、権力の介入などを調べる作業が
加わっている。

魔界経由で時間を遡り、事件が起きた前後の状況を追加調査すること
である。

人間界でいくら隠蔽しても魔界経由だと丸見えである。
もちろん関係者の心の中まで。

悪意のある関係者は閻魔帳に記録されて、死んだ後に厳しいお裁きが
出ることになる。

…噂では、今年、地獄に『ブラック-24時間労働地獄』が出来たらし
い。
地獄では過労死はない(すでに死んでいる)からキツイだろうなぁ。

これは元々、輪廻振り分け事務所の仕事なのだが、コンピュータのデ
ータとして馴染まない内容の部分を調べよ、ということらしい。

無念で浮遊している霊もいるのだが、それはほぼ輪廻振り分け事務所
が捕捉して、マイナス200度の冷凍庫に入れてあるらしい。

毎年、無念で浮遊する霊は絶えることがない。

禿田江郎たちの通勤には専用の瞬間移動の“鈴”がある。
ただし、これは焔魔堂の戸を出たところと自宅(準配偶者と同居中)
の玄関の間しか行き来出来ない。

焔魔堂を出たところはマイナス20度、家の玄関は昼間は留守だから
気温と同じ35度近くある。
その温度差55度、心臓によくない。

そこで我々閻魔堂での作業者と近隣住民に配布されたのが、マスク
みたいなもの…。
これで55度の温度差を5分ほどかけて変化させるという、少なくと
も肺の負担は減るだろうけど、皮膚はたまらんよ、マジで。

綾乃さんほか女性陣は困った顔をしているが、閻魔さまの都合なの
だから文句も云えない。

(4)
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62385087.html
へつづく


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http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62378510.html

盂蘭盆会2013(2)


●今年も六道珍皇寺で精霊を迎える『六道まいり』が始まりました。

http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20130807000075
( 写真のように綱を引っ張って地下にある鐘を撞きます。)

(1)
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62378514.html
よりつづく

          ( 2 )

この処分保留組は、閻魔さまとしては、閻魔帳(実態は輪廻振り分け事
務所のコンピュータ)で次にどこへ行くか決まっていたのだが、人間界
でどういう結論が出るのか見届けたいと、閻魔さま預かりにしたもので
ある。

もしかしたら亡者からコンピュータ判定に異議申し立てが出るかもしれ
ない。
そうなったら閻魔さまが直々にお裁きする。

で、この処分保留(閻魔さま預かり)の亡者はしばらく極低温で眠って
いて貰うことになった。

これがマイナス200度の極低温冷凍なのだが、容器に隙間が出来て冷
気が漏れているのだという。
修理は依頼したのだがちょっと時間がかかるらしい。

というわけで、漏れた冷気でこの一帯が真冬のように寒いらしい。
六道の辻でマイナス20度だという(冷凍庫以下だ)

近くには地域の商店街やマーケットもあるので、日常の買い物に来る
ご近所さんは、東山通りの角で重装備に着替えてやってくる。

スーパーは野菜を店頭に置いておくと冷凍になってしまう、建物のな
かの暖かい場所で売っている。
店先では冷凍食品とアイスクリームを販売しているという奇妙な光
景である。

こんな異常事態であるのに、このあたりのひとは「閻魔さまの判断と
冥界の冷凍庫故障なんだから仕方ないなー」とさほど驚いていない。

まあ、近くの『幽霊子育て飴』の店にはときどき幽霊が飴を買いにく
るし、六道の辻だから、亡者や魑魅魍魎がウロウロしていても、みん
なあまり気にしない。
人間の邪魔をしない限り住民も慣れている。

ただ今回の、冷凍庫状態は近所のひと達から着るものが大変だという
声があるらしい。

ぼくたちの仕事はというと、この一年に亡くなったひとの名簿を整理
して、六道参り(各家庭がご先祖を迎えにくる)のときスムーズに案
内出来るようにすることである。

(3)
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62383568.html
へつづく


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http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62378510.html

『幽霊子育飴』の過去記事
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/4597910.html

盂蘭盆会2013(1)


場所:京都 六道珍皇寺 閻魔堂 閻魔さまの下の 地下事務室(魔界空間)
 - -
禿田江郎(はげた えろう)2009年から亡者の整理に参加。
綾乃 - 毎年この仕事をしている女-少し霊力がある。
閻魔さま
桜井 - 輪廻振り分け事務所の所員
篠田莉子(しのだ りこ)女医で禿田江郎と事実婚(同居中)
 - - - -
あらすじ:
禿田江郎は京都清水寺の近くにある六道珍皇寺(ここは盆に精霊を呼んで家族に渡す『六道まいり』
で有名、古くからあの世とこの世の境目の役割を果たしている、冥界に通じる井戸もある)
〜の閻魔堂地下の魔界空間で、毎年盆前にこの一年間に亡くなったひとの整理をしている。
この作業は選ばれた者数十人だけがする、彼の相方は毎年“綾乃”という女である。



           ( 1 )

今年も猛暑のなか禿田江郎は麦茶を片手に汗を拭きながら、やって来た。
清水寺へ上る坂のところを、反対向きに少し下ると六道珍皇寺である。

六道珍皇寺にはお盆の時期に亡くなった者の精霊を迎えに多くのひとが
やってくる、禿田は毎年、この精霊の名簿整理や亡者の捜索・確認など
の手伝いで呼ばれている。

清水道のバス停の喧噪を通り抜け、角を曲がるとそこはもう六道の辻の
魔界である……のだが。

「えっ、わっ、寒いっ!」
35度を超える猛暑だったのに。
六道の辻で何があったんだ。
「いくら冥界が近いといってもこれはないだろ」

去年までは六道珍皇寺も暑かった、亡者の整理をする閻魔堂の下の事務
室も冷房が入っていた。
まああそこは異空間ではあるけれど。

震えながら駆け足で六道珍皇寺の閻魔堂へ入ると、例年のメンバーが集
まってザワついている。

毎年の相棒の綾乃さんが「禿田さん、おひさしぶり元気だった?でも今
年はこの辺りが大変なことになってるの」
「なんでこの辺りだけ冷蔵庫いや冷凍庫状態なんだ?」
「うん、この六道の辻一帯が猛烈に寒いの、東山通りから鴨川の間が冷え
てるらしいわ、まあ、とにかく地下の事務室に行きましょう、地下は暖
房が入っていると思うわ」
「うん、この寒さは絶えられん、閻魔像はよく我慢してるな」
「そうねー、」

閻魔像の後ろの階段(ここから魔界)から地下へ降りると、例年どおり
の快適温度の事務室である。
すでに、今年整理する亡者の書類が山積みになっている。

今年の事務処理担当者が集まったところで、責任者の桜井さん(輪廻振
り分け事務所所員)がこの状況について話し始めた。

今年は閻魔さまのところに処分保留の亡者がいるらしい。
・老老介護に疲れた子供に殺された親
・いじめで自殺した子供
・ブラック企業で過労死したサラリーマン
・生活保護を受付けられず餓死

いずれも人間界の裁判では係争中で結論が出ていない。
第三者機関が実態調査中のものもある。

(2)
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62380302.html
へつづく


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http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62378510.html

盂蘭盆会-2013-目次

 

    盂蘭盆会 2013(1-8)


       毎年恒例の〜『盂蘭盆会シリーズ』です。 


   (1)をUPしました。(8月7日)

   (2)をUPしました。(8月8日)

   (3)をUPしました。(8月10日)

   (4)をUPしました。(8月11日)

   (5)をUPしました。(8月13日)

   (6)をUPしました。(8月14日)

   (7)をUPしました。(8月16日)

   (8)をUPしました。(8月17日)


場所:京都 六道珍皇寺 閻魔堂 閻魔さまの下の 地下事務室(魔界空間)
 - -
禿田江郎(はげた えろう)2009年から亡者の整理に参加。
綾乃 - 毎年この仕事をしている女-少し霊力がある。
閻魔さま
桜井 - 輪廻振り分け事務所の所員
篠田莉子(しのだ りこ)女医で禿田江郎と事実婚(同居中)
 - - - -
あらすじ:
禿田江郎は京都清水寺の近くにある六道珍皇寺(ここは盆に精霊を呼ん
で家族に渡す『六道参り』で有名、古くからあの世とこの世の境目の役
割を果たしている、冥界に通じる井戸もある)
の閻魔堂地下の魔界空間で、毎年盆前にこの一年間に亡くなったひとの
整理をしている。
この作業は選ばれた者数十人だけがする、彼の相方は毎年“綾乃”という
女である。
前任者の大福ひろ吉は今は菩薩見習い。



 - - - - -
最近の記事は…
「終戦記念日-2013」
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62391844.html
「季語短歌13-8-12」
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62386780.html
「長崎原爆忌-2013」
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62382000.html
「広島原爆忌-2013」
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62376722.html

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