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場所:京都 六道珍皇寺 閻魔堂 閻魔さまの下の 地下事務室(魔界空間)
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禿田江郎(はげた えろう)2009年から亡者の整理に参加。
綾乃 - 毎年この仕事をしている女-少し霊力がある。
閻魔さま
桜井 - 輪廻振り分け事務所の所員
篠田莉子(しのだ りこ)女医で禿田江郎と事実婚(同居中)
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あらすじ:
禿田江郎は京都清水寺の近くにある六道珍皇寺(ここは盆に精霊を呼んで家族に渡す『六道まいり』
で有名、古くからあの世とこの世の境目の役割を果たしている、冥界に通じる井戸もある)
〜の閻魔堂地下の魔界空間で、毎年盆前にこの一年間に亡くなったひとの整理をしている。
この作業は選ばれた者数十人だけがする、彼の相方は毎年“綾乃”という女である。
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( 1 )
今年も猛暑のなか禿田江郎は麦茶を片手に汗を拭きながら、やって来た。
清水寺へ上る坂のところを、反対向きに少し下ると六道珍皇寺である。
六道珍皇寺にはお盆の時期に亡くなった者の精霊を迎えに多くのひとが
やってくる、禿田は毎年、この精霊の名簿整理や亡者の捜索・確認など
の手伝いで呼ばれている。
清水道のバス停の喧噪を通り抜け、角を曲がるとそこはもう六道の辻の
魔界である……のだが。
「えっ、わっ、寒いっ!」
35度を超える猛暑だったのに。
六道の辻で何があったんだ。
「いくら冥界が近いといってもこれはないだろ」
去年までは六道珍皇寺も暑かった、亡者の整理をする閻魔堂の下の事務
室も冷房が入っていた。
まああそこは異空間ではあるけれど。
震えながら駆け足で六道珍皇寺の閻魔堂へ入ると、例年のメンバーが集
まってザワついている。
毎年の相棒の綾乃さんが「禿田さん、おひさしぶり元気だった?でも今
年はこの辺りが大変なことになってるの」
「なんでこの辺りだけ冷蔵庫いや冷凍庫状態なんだ?」
「うん、この六道の辻一帯が猛烈に寒いの、東山通りから鴨川の間が冷え
てるらしいわ、まあ、とにかく地下の事務室に行きましょう、地下は暖
房が入っていると思うわ」
「うん、この寒さは絶えられん、閻魔像はよく我慢してるな」
「そうねー、」
閻魔像の後ろの階段(ここから魔界)から地下へ降りると、例年どおり
の快適温度の事務室である。
すでに、今年整理する亡者の書類が山積みになっている。
今年の事務処理担当者が集まったところで、責任者の桜井さん(輪廻振
り分け事務所所員)がこの状況について話し始めた。
今年は閻魔さまのところに処分保留の亡者がいるらしい。
・老老介護に疲れた子供に殺された親
・いじめで自殺した子供
・ブラック企業で過労死したサラリーマン
・生活保護を受付けられず餓死
いずれも人間界の裁判では係争中で結論が出ていない。
第三者機関が実態調査中のものもある。
(2)
http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62380302.html
へつづく
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http://blogs.yahoo.co.jp/holahola_123/62378510.html
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