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先週Twitterで季語で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。
1, = 今日の月(きょうのつき) =
遺言もひかりに隠す今日の月小さな庭はひかりに満ちて
2, = 冷ややか(ひややか) =
ひと去りしベツドはすでに冷ややかに甘さをぢつと記録する白
3, = 釣瓶落とし(つるべおとし) =
畑より釣瓶落としの暗がりの奥に聞こゆる鍬洗う音
4, = 燕帰る(つばめかえる) =
街角の西洋料理の店からも燕は帰りただドミグラス
5, = 秋曇(あきぐもり) =
秋曇り下校途中のスイーツで消えてしまった恋の相談
6, = 紫蘇の実(しそのみ) =
紫蘇の実をさわさわと煮るいもうとが厨で歌う甘い恋歌
7, = 鶏頭(けいとう) =
鶏頭にチヨコフレークをぶつかけて葬つてゐるパッケージの色
・今日の月(きょうのつき):陰暦八月十五日の月をいう仲秋の天文季語。本題の「名月」をはじめ、「明月」「十五夜」「月今宵」など異名が多く、古来詩歌句に詠まれてきた。今年は明日が月齢上の満月。
・冷(ひや)やか:物に触れて肌に感じる秋の冷気をいう仲秋の時候季語。「秋冷」「朝冷え」「冷ゆる」などの傍題も。初秋の季語「新涼」よりも秋の気配が深まりつつある時季に相応しい。
・釣瓶落(つるべおと)し:三秋の天文季語。日増しに夕暮が早まる状況をいう「秋の日は釣瓶落し」に基づいて近代に定められた季語。井戸水を汲む釣瓶が水面に勢いよく落ちて行く姿に秋の陽を擬えた。
・燕帰(つばめかえ)る:仲秋の生類季語で「秋燕」「帰燕」などの傍題も。春に渡来して雛を育て終えた燕は日本で夏を過ごし、この時季南国に帰る。空いた巣には一抹の寂しさが漂う。
・秋曇(あきぐもり):三秋の天文季語で「秋陰(あきかげり・しゅういん)」の和漢両形傍題も。秋が深まるにつれて、これと相対する「春陰」に似た気圧配置による曇りがちの日々が続くようになる。
・紫蘇の実(しそのみ):仲秋の植物季語。晩夏の季語にあたる「紫蘇」の葉は梅干しや刺身のつまなどに用いるが、秋に熟する実を穂のまま添え物の「穂紫蘇」にしたり、しごき取った実を佃煮などにする。
・鶏頭(けいとう):三秋の植物季語。熱帯アジアから中国を経由して日本に渡来。鶏冠に似るところからこの名が。「韓藍(からあゐ)」の古名は、当時の「藍」が紅系統色を指したことによるもの。
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