ひろちん。のBLOG

西日本と日本海側も油断してはいけない-地震。

短歌

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2005年3月から短歌をはじめました。ご意見、文法上の誤りがありましたらコメントいただければ幸いです。好きな歌人は水原紫苑さん。
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東日本大震災より8年



  = 東日本大震災忌 =

 
校庭に子供が遊ぶ声がする津波の果てのしづかなる海


震災の漁港に帰る船ひとつ傷の癒えない大漁旗掲げ


原子炉の底は海より無言にてデブリはひとつ泡を出したり


8年後ロボットアームが触りたる脆きデブリが映るスコープ



季語短歌19-3-11


  先週Twitterで季語で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。



 1,  = 巣箱(すばこ) =

 校庭に卒業記念の巣箱かけセーラー服と詰め襟は翔ぶ


 2,  = 謝肉祭(しゃにくさい) =

 シナモンの肌に汗湧く謝肉祭サンバで踊れ南十字星


 3, = 啓蟄(けいちつ) =

 鎮守社の山に萌なる衣降り啓蟄を呼ぶ深き地の音


 4, = 東風(こち) =

 やはらかき雨あがりなば東風吹かむ紅き衣の子が軒の下


 5, = 流氷(りゅうひょう) =

 歌声は砕氷船をそつと押す流氷渡る人魚まぼろし


 6, = 椿餅(つばきもち) =

 まだ知らぬ大人の匂ひ湛へたり椿餅持つ少年の手に
 

 7, = 三月十日(さんがつとおか) =

 菩提寺の庭に冷たき雨ぞ降る三月十日の炎含みて



・巣箱(すばこ):三春の生類季語で生活季語としての側面も。野鳥の営巣産卵に人間が手を貸すのは樹木の害虫駆除という実利性もあるが、その根源にあるのは生命を愛しみ育む喜びであろう。

・謝肉祭(しゃくにくさい):初春の行事季語で「カーニバル」とも。カトリック教の肉食を絶つ四旬節に先立って行われる開放的な祭。陰暦に従う行事なので毎年開催日が異なる。

・啓蟄(けいちつ):二十四節気の一つ。「本朝七十二候」には「蟄虫(ちつちゅう)戸を啓(ひら)く」とあり、地中で冬ごもりする虫が戸を開いて穴から出る意とする。暦はこの日から仲春に。

・東風(こち):三春の天文季語。コチは本来季節とは関わりない風位名であったのが、後に道真伝説や東を春とする五行説の影響を受けて、中世期頃から春の風として定着した。

・流氷(りゅうひょう):仲春の地理季語で「氷流る」の動詞形でも。一月中旬から三月下旬のころにかけて北海道オホーツク海沿岸は流氷に閉ざされ、五月下旬頃に「海明け」を迎える。

・椿餅(つばきもち):三春の生活季語。椿の葉を上下に配した餅の薄紅色が春にふさわしい。宇津保物語や源氏物語に「つばいもちひ」の古称が見えるところから日本最初の餅菓子とされる。

・三月十日(さんがつとおか):仲春の生活季語。1945年3月10日、東京は米軍B-29爆撃機の2時間にわたる焼夷弾攻撃を受けてほぼ50%が焼失、火災による死者数は10万人以上に及んだ。

季語短歌19-3-4


  先週Twitterで季語で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。



 1,  = 暖(あたたか) =

 今日の日を暖かと決め少女らは卒業式の校門を出づ


 2,  = 薔薇の芽(ばらのめ) =

 幼子は刺のなかなる薔薇の芽の湛える水に吸はれ青空


 3, = 浅蜊(あさり) =

 浅蜊の身ゆつくり外す箸先に遠く伝はる潮のざわめき


 4, = 耕(たがやし) =

 大都会を耕してゆく営業マン無機質な土スーツに付けて


 5, = 三月(さんがつ) =

 若者は三月に高く帆をあげて広き海へと出でて影のみ


 6, = 芹(せり) =

 雪解けの細き流れに添う芹を摘むひとの背はますます温し
 

 7, = 雛祭(ひなまつり) =

 甘酒の攻撃受けた僕を見てあの子近づく雛祭り戦線



・暖(あたた)か:三春の時候季語で「ぬくし」「あたたかし」などの形容詞や「春暖」の漢語傍題も。日常的には他季にも用いるが、冬の寒さを凌いで迎えたこの時季に用いるのが季語としての本意。

・薔薇の芽(ばらのめ):初春の植物季語。バラの花芽は色も形も種類に応じてさまざま。開花後にどんな華麗な姿を見せてくれるのかという花の生い先への期待までも抱かせてくれる。

・浅蜊(あさり):三春の生類季語で「浅蜊汁」「浅蜊飯」などの生活季語も傍題に。晩春の「汐干狩」には主役の座を占める。

・耕(たがやし):三春の生活季語で「耕す」の動詞形や「春耕」「耕人」などの漢語傍題でも。農家の春は、作物や稲の苗を植え付ける前に凍て固まった畑や田の土を鋤き返してほぐす農作業から始まる。

・三月(さんがつ):仲春の時候季語。暦の上ではすでに春を迎えているものの実際にはその気配の薄かった二月から月が移ると、春が身近に感じられるようになる。

・芹(せり):三春の植物季語で「根芹」「芹の水」などの傍題でも。春の七草の一つで若い葉と茎を食用にする。すでに『日本書紀』歌謡にその名が見え日本人の食生活と関わり深かったことが知られる。

・雛祭(ひなまつり):仲春の生活季語で人形を指す「雛」や「雛飾」「雛の宿」など傍題が多い。穢れを祓う「流し雛」と子供の遊びの「紙雛」が結び付いて年中行事として江戸中期に定着した。

季語短歌19-2-25


  先週Twitterで季語で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。



 1,  = 芝焼く(しばやく) =

 揺らめけるをのこの影の怪しけり芝焼のなか春と交はり


 2,  = 雨水(うすい) =

 冷たくも雨水の雨の淡き靄雲のうへには春ぞあるらん


 3, = 椿(つばき) =

 袖に触るる椿の紅の深くあり深呼吸するビルの谷間は


 4, = 若布(わかめ) =

 鍋のなか軽きみどりに舞う若布厨の湯気をひとり吸ひ込む


 5,  = 春の星(はるのほし) =

 花を待ち霞を呼ぶや春の星山間の村ほつとひかりて


 6,  = 飯蛸(いいだこ) =

 真白なる器に踊る飯蛸が回答を出す春の曲率
 

 7,   = 猫柳(ねこやなぎ) =

 幼子のくもりなき目に戸惑ひて膨らみだけを差し出す猫柳



・芝焼(しばや)く:初春の生活季語で「芝焼」「芝火」などの名詞形傍題も。害虫駆除のために早春に山野や庭先の枯芝を焼くこと。その灰を肥料として芝の発芽をうながす効果もある。

・雨水(うすい):二十四節気の一つ。二十四節気の一つ。立春を過ぎて十五日目にあたるこの時分から、雪が雨になり氷が水になるとされる。暦は初春の後半に移り、春らしさが日ごとに増さりゆく。

・椿(つばき):「白椿」「紅椿」などの個別傍題も多い三春の植物季語。「椿」は漢土では夏に白い小花を咲かせるセンダン科の高木を指し、その実体は日本のツバキとは異なるものであった。

・若布(わかめ):三春の植物季語。古くは《柔らかい海藻》を意味するニキメ(和布)の名が用いられた。一方《硬い海藻》はアラメ(荒布)と呼ばれ、《軟・硬》による呼び分けがあった。

・春の星(はるのほし):三春の天文季語で「春星(しゅんせい)」「星朧(ほしおぼろ)」の傍題も。春の夜空は、凍てつくような冬のそれよりも星の数が減って、大気に潤いが戻ってきたことを思わせる。

・飯蛸(いいだこ):初春の生類季語で「望潮魚」の別表記も。マダコ科に属する小型の蛸で、これを煮ると産卵に備えて体内に蓄えた卵が飯粒を詰めたように見えるところからこの名が生まれた。

・猫柳(ねこやなぎ):初春の植物季語。日当たりのよい川縁などに生えるヤナギ科の低木。早春に銀白色の柔毛に覆われた花穂を付ける。手触りが猫の毛に似るところからこの名が。

季語短歌19-2-18


  先週Twitterで季語で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。



 1,  = 春の雪(はるのゆき) =

 春の雪の日にゆつくりかき混ぜるチヨコレイトに恋が溶けない


 2,  = 蜆(しじみ) =

 行商は蜆の籠を地に降ろし売り始めたるなめらかな潟


 3, = 余寒(よかん) =

 広き野に余寒の青菜摘む子らよ雲の切れ間に陽は高くあり


 4, = バレンタインの日 =

 崖の下にバレンタインの日という女子横たわる処刑場見ゆ


 5,  = 海苔(のり) =

 老人はいまだ冷たき磯に出で海苔を採りたるその影まるし


 6,  = 菠薐草(ほうれんそう) =

 土つきの菠薐草を洗ふとき指先きゆつと引き締むる青
 

 7,   = 蕗味噌(ふきみそ) =

 甘めなる蕗味噌を口に悩みたる少年の目の奥に女生徒



・春の雪(はるのゆき):三春の天文季語で「春雪」「牡丹雪」や「桜隠し」などの傍題も。太平洋側では寒明け以後に思わぬ雪に見舞われることが多いもののすぐに消えるのが特徴。

・蜆(しじみ):三春の生類季語。年間を通して食用に供され、夏の「土用蜆」や冬の「寒蜆」もあるが、美味とされる琵琶湖の瀬田蜆の旬に合わせて単独では当季のものとして扱う。

・余寒(よかん):初春の時候季語で「残る寒さ」の和語傍題でも。「寒明(かんあけ)」の立春を過ぎてもなお続く寒さを表すもので、立秋後に残る暑さをいう「残暑」に正対する季語。

・バレンタインの日:西暦270年頃殉教した聖バレンチノを記念する日。男女相愛の日とされたのが最近では親しい人にチョコレートを贈ることが多くなった。

・海苔(のり):初春の植物季語で「海苔干す」などの生活季語も。九月頃に内湾の真水と塩水の混じり合う場所に網を張り、そこに付着した海藻を採取する。その時季は十二月から翌年四月頃まで。

・菠薐草(ほうれんそう):初春の植物季語で「法蓮草」「鳳蓮草」などとも。「菠薐」は中国の音訳漢字で、唐代の伝来地ネパール(あるいはペルシア)の別表記「頗稜(ホリン)」にあたる。

・蕗味噌(ふきみそ):初春の生活季語。同季別題の「蕗の薹(とう)」の若芽を刻んで味噌などの調味料を加えてすりつぶし、火に掛けて練り上げたもの。蕗の香が食卓に春の到来を告げる。


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