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『十二人の怒れる男』
すでに評価の固まった『名画』である。
アメリカの陪審員の様子を描いた映画。
日本でも裁判員制度が始まったので見ました。
全編-97分間、ほぼ全てが狭い陪審員室である。
被告は少年、死刑か無罪か、どちらか。
なお、この陪審員制度は全員一致でないといけない、日本の
裁判員制度のように多数決はないし、プロの裁判官もいない。
「ありゃ死刑だろ、早く片付けようぜ。」
〜と始まる。
ところが、陪審員の一人が「なんとなく、無罪じゃないかと…」
ということで、陪審はもつれていく。
討論のなかで、徐々に証拠の信頼性が揺らいでいくのである、
97分なので、問題提示や解決が、どんどん進む感じは否めない
が、陪審員室という密室空間での人間模様と緊迫感が、上手く
描かれている。
陪審員の十二人に、とても効果的に性格が割り振られているの
も見事である。
気楽なひとから、真面目なひと、揺れ動くひと、それぞれに視
点が違うのである。
謎解きと考えれば、サスペンスのジャンルなのだろうが、この
内容は、そんな軽いものではない。
最後に結論は出るが、それが本当に正しいのか、誰もわからな
い。証拠が曖昧というだけである。
見たあと、かなり疲れる〜スッキリしたとはいかない。
というか、“答えのない課題”を提示された感じである。
・市民秩序のため我々は何が出来るのか。
・我々は何をしなくてはならない運命なのか。
・ひとがひとを裁くことの困難さ-不条理。
・ひとの性格・視点の多様さ。
…などなど、
この息苦しさから、97分という短めの設定は正解だと思う。
これ以上長いと、見るほうがキツイだろう、
…いや、見たあとのほうが。
密室に限った演出も鋭い、狭い部屋のなかの映像だけで、ほぼ
全編を見せるカメラワークも素晴らしい。
ヘンリー・フォンダを含む十二人も、個性的で優れた配役だと
思う。
レンタルに行く機会があれば、ついでに借りて見て、損のない
『名画』である。
1959年 モノクロ 97分
監督:シドニー・ルメット
主演:ヘンリー・フォンダ
ベルリン映画祭、作品賞受賞。
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「1970年レベルねえ〜」
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「精神科通院日記9-9-10」
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