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友人の離婚その5

カルラとばったり街で会ってしまった・・・

インドネシア人のカルラは、私たちの友人ニコラと結婚するために、国も家族も仕事も
すべて投げ出して、三年前ひとりフランスにやって来た。
それなのに、ニコラは突然離婚を宣言。
友人も家族もいない彼女を、私と主人で支えようとしてきた。

ある日、ニコラに主人が電話をした。すると電話口のニコラは非常に冷たく言いはなった。
「君たちは、ボクがカルラの銀行口座からお金を引き出さないように、
 カルラを銀行に連れて行って手続きをしたらしいね。
 離婚に向けてカルラに弁護士も紹介したらしいじゃないか。」
彼の言うことはすべて事実である。しかし、これらは彼女の判断で、彼女に頼まれて
したことだ。なのに、銀行口座の件で追い詰められた彼女は
すべて私と主人のアドバイスでしたこと、とウソをついたらしい。

主人はカルラに「協力はするけど、ニコラは自分の友人だ。
ニコラには絶対にこのことは言わないように。そうでなければ手伝いはできない」
と何度も何度も繰り返し言っていた。
カルラは今まで友人ニコラの奥さんでしかなく、あまり深いお付き合いはなかった。
私たちはカルラのことは余りよく知らなかったのだ。
だから、私にとっては、彼女が離婚で不利にならぬように手伝うことは
友情からというより、外国でひとりぼっちになってしまう彼女への同情からの
人道援助、に近かった。
ニコラの悪口を言ったこともなければ、ニコラに敵対するつもりもなかった。
それだけに、主人も私も、カルラに裏切られたような、なんともやりきれない思いをしている。
一時は毎日のように家に来ていたカルラであったが、
その後一度も顔を見せていなかった・・・・・

ほぼ一ヶ月ぶりの再会に「ひさしぶり、元気?」と
何もなかったように私の頬にキスをするカルラ。
元気よ、あなたは?と私もフランス語の型どおりの挨拶をする。
「ニコラとは落ち着いて来ているわ。私がフランス人国籍を
取ったら離婚する。もういろいろ考えず、とにかく資格をとってから
仕事をすることにしたわ。」と明るい調子で言う彼女。
「あの時はすまなかったわ。夜中に家に押しかけたりして。」
そうだ、彼女が最後に家に来たのは2月の末のこと。
夜中の2時にやってきたのだった。
あの日、彼女を送って行ったときの寒さはまだ体が覚えている。

お互い簡単に近況を報告しあったあと、
「それじゃ、友達が待っているから」と去って行ったカルラ。
夜中に押しかけたことより、ニコラにあんな話をしてしまったことのほうを
謝ってほしかった、と彼女の後姿を見送りながら思った。
こんな会い方でもしない限り、彼女に会うことはもうないだろう。

秘密を守る。
これはフランス人の無言のルールである。
これを守れない大人は、軽蔑され、人との交際の輪に入ることができない。
そのルールを侵したカルラのおかげで主人はニコラという友人を失った。
一度留守番電話に、直接会って話をしたい、という旨のメッセージを残したが
ニコラからの電話はいまだにない。
「自分は何も悪いことはしていない、自分からニコラに歩み寄るつもりはない」
と主人はいう。

閉じる コメント(8)

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フランスを知らない頃、フランス人は個人主義。道で倒れている人を見ても平気で通り過ぎてしまえる人たちってイメージでした。フランスを知ってからは決してそんなことは無い事はわかりましたが、この話の中でも、ルールを守れなければ、開いた心は簡単に閉じるんだなぁと思いました。

2006/3/30(木) 午前 8:08 debalp

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難しいですね。。。経緯を拝読すると、日本人の私の目からすると、HOLYさんご夫妻の行動は、弱い立場の方を援助する良識ある行動 のように思います。たとえ、ニコラさんと同じ立場に私があったとしても、いくら利害が対立しているとはいえ、外国で自分が捨てた身よりのない妻に対して、密かに援助してくれていた友人を、むしろ誇りに思うのですけれど。。。

2006/3/30(木) 午後 7:02 [ mar*lli*r18 ]

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ムッシュー、そうなんです。日本みたいに義理とか世間体がないから、個人対個人の関係がこじれるとそのまま関係解消!に至ってしまうんですよね。キビシイのか、あっさりしていて楽、なのか・・・

2006/3/30(木) 午後 11:58 hol*969*

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Marollierさん、私たちもそう思いたいんですが・・・きっと例の夜中の2時に彼女がやってきた晩、ニコラに追い詰められたカルラが、すべてをおもいっきり私たちのせいにしたんじゃないかな、と思うんです。主人のほうからはその誤解を解こうと歩み寄ったんですが、ニコラからの返事はなく、もう時が解決するのを待つしかないかな、と思っています。

2006/3/31(金) 午前 0:02 hol*969*

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今晩は 私の場合はHOLYさんご夫婦とは少し状況が違いますが、友人を 失いかけました。ご主人の友人二コラの行動は納得いきませんね。裏切り行為ではないことは、確かですから。

2006/4/3(月) 午前 0:41 [ con*nei*e ]

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援助といっても、弁護士の紹介や預金確保といった、対等でないふたりがまずフェアに向き合うことができるようになるための、土台作りの部分ですよネ。一方に肩入れしたわけでもない。。。Hollyさんご夫妻の行動は、人間として当然のことですし、節度をわきまえた援助であって、恥じることない素晴らしいサポートと思います。

2006/4/3(月) 午後 1:39 [ mar*lli*r18 ]

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Con neigeさん、やはりこんな経験がおありですか。厚意からしたことでしたが、やはり離婚話のようなものの相談に乗るときには、注意が必要、と思いました。私たちのように、どちらにも良い顔をせずに、やはりどちらかの肩を持たざるを得ないのでしょうね。

2006/4/5(水) 午前 4:22 hol*969*

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Marollierさん、メッセージをありがとうございます。きっとここまでこじれるからには、ニコラに追い詰められたカルラが私たちのことをよほど悪く言ったのだと思います。まあ、彼女の立場を守るには仕方なかったのだ、と考えることにしました。

2006/4/5(水) 午前 4:25 hol*969*


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