|
上位3冊は予想通りというか、自分の選書眼は間違っていなかったと納得させてくれた3冊です。4位の鷲田本は意外な収穫でした。本としての面白さもさることながら、個人的にも支えになってくれた貴重な本です。 今年も多くの名著と巡り会いたいですね。 第1位 山崎正和『社交する人間──ホモ・ソシアビリス』(中公文庫、2006年) さすが山崎正和、の一言。書評を久しぶりに分割して書いたくらい、内容豊かな名著だった(二つ目は書評その2)。 本書が扱う対象は社会学、経済学、文化人類学、政治学、思想史、芸術論など幅広いが、非常に読み易い。しかも、それらの分野に精通していればいるほど、本書は味わい深いものとなる。何年後かに成長してから読み直したら、また新しい含蓄を発見できるに違いない。名著とはそういう本のことでなければならない。 第2位 細谷雄一『大英帝国の外交官』(筑摩書房、2005年) 本書は19世紀後半の大英帝国最盛期から、20世紀前半の覇権を失う過程で、イギリス外交を支えた外交官たちを描いた評伝アンソロジーである。2006年の政治・外交部門第1位『戦後国際秩序とイギリス外交』に続き、やはり細谷雄一の著作は読めばランクインする。 書評にも書いたことだが、細谷雄一の魅力はまずその文章、また文章に託された外交思想にある。今年はじめにはまた新刊が出るそうなので、要チェックである。 第3位 読売新聞政治部『外交を喧嘩にした男 小泉外交2000日の真実』(新潮社、2006年) マスコミの体たらくが云々されて久しいが、良質なジャーナリズムの底力を感じる好著。小泉勇退から一年以上が経ち、敏腕秘書官飯島勲の回顧録が二冊も刊行され、やっと「小泉とは何だったのか」を論じる土台ができつつあるように思う。自民党をぶっ壊し、永田町の常識もぶっ壊した“小泉純一郎”という個性は、結局この国に何を残したのか。その事実認識のために、最適の一冊である。 第4位 鷲田清一『「待つ」ということ』(角川選書、2006年) 鷲田清一は、真の意味で哲学者だと思う。これだけ物事に誠実で、自分の頭でものを考えている人も今時珍しい。 本書は、せかすでもなく、予期することもなく「待つ」ことはいかにして可能なのかを考えた著作である。このせわしい現代にあって、一度立ち止まってものを根本から考え直すことの大切さを教えてくれる。 ちなみに本書は、私のプライベートでも支えになってくれた。今年「個人的に支えられた本」を問われれば、迷わず本書を挙げる。 第5位 赤川学『子どもが減って何が悪いか!』(ちくま新書、2004年) 一般の人々にも非常に読み易い、少子化問題の重要文献である。本書の問題提起の重要性は、出版されて3年経った今なお注目に値する。 柳沢厚労相(当時)の「産む機械」発言で一躍注目を浴びた少子化問題だが、それ以降議論は沈静化してしまったのが気がかりである。昨年4月に出版された山田昌弘の『少子社会日本』もやや的外れだったし、少子化問題の議論の土台が共有される時期はまだまだ遠いのかもしれない。 これからの日本を考えるにあたっては最重要課題の一つであるだけに、是非多くの人に読んでもらいたい。 |
My Best Books
[ リスト ]





第1位の山崎正和『社交する人間──ホモ・ソシアビリス』は私も購入致しました。今年の予定読書に含めさせていただいております。
読み終えたら(いつになるやら?)また寄せていただきたいと思いますので、宜しくお願い致します。
2008/1/5(土) 午後 9:13
明けましておめでとうございます。私も「社交する人間」を購入しました!大三元さん、宣教師?(笑)今読んでいる三木清の本が、なかなか噛み応えがあってなかなか「社交〜」に進めません〜。でも、今年は気に入った本は熟読しようかなと思っているので、マイペースでいきます。「『待つ』ということ」もとても気になっている本ですね。今年も名著のご紹介、楽しみにしております♪
2008/1/5(土) 午後 10:15
>KING王さん:『社交する人間』は非常に魅力的な本です。ああいう本を名著と呼ぶのだと思います。おそらく、教養があればあるほど楽しめる類の本でしょうね。それでいて憎いほど読みやすい。読み終えたら、是非感想をお聞かせください。
2008/1/6(日) 午後 8:18
>mepoさん:お〜、三木清ですか。『哲学ノート』『人生論ノート』あたりでしょうか。
山崎正和も鷲田清一も、以前から好きな哲学者ですが、昨年はますます好きになりました。ブログで取り上げた以外の著作も面白いので、見かけたら手にとってみて下さい。
2008/1/6(日) 午後 8:22
大三元さんの読書量には降参!という現状なのですが、昨年に引き続きしっかりインプットさせていただきます。特に『「待つ」ということ』は記事掲載のときから気に入っているのですが、まだ入手していません。近々ぜひ読みたい本です、情報の質量共にポチを進呈させていただきます。
2008/1/6(日) 午後 9:49 [ アズライト ]
明けましておめでとうございます!
ベスト本記事、楽しく拝見しました☆『「待つ」ということ』は、去年なんの気なしに手に取りましたが、とても面白く、考えさせられる本でした!鷲田氏の他の著作もぜひ読んでみたくなりました〜♪
大三元さんのベスト本『社交〜』はぜひぜひ読んでみたいです☆
2008/1/6(日) 午後 11:12
>電池切れさん:ポチありがとうございます〜。鷲田の『「待つ」ということ』は、電池切れさんの好みにも合っているような気がします。今後とも細々と続けていく予定ですので、今年もよろしくお願いします。
2008/1/8(火) 午前 0:13
>あんごさん:明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。鷲田清一は、現代思想では最も信頼する一人です。山崎正和も多くの著書がありますが、例外なく面白いですね。『社交する人間』じゃなくても、見かけたら是非手にとってみて下さい!
2008/1/8(火) 午前 0:15