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写真はその時飲んだ白のイタリアワイン、SOAVE。後味すっきり、美味しかったです。 以下、忘れないようにメモ書き。 ◆自分が曲がりなりにもここまでこれたのは、能力があるわけでも何でもなく、会社に入ってから20年勉強し続けたから。君も今読んでいる本が仕事の役に立つとは思っていないだろうが、それがボディーブローのように効いてくるはず。自分はそうなるまでに20年かかったが、少なくとも15年は続けて欲しい。 ◆自分の原点は、小学生の時読んだニコライ・バイコフ『偉大なる王』(中公文庫)である。そこからロシア文学に進んだ。ジャック・ロンドン『白い牙』も好きだし、もともと動物モノが好きだったのかな。 ◆アゴタ・クリストフの文章なんかは、仕事をする上で役に立つ。「優しかった」というような形容詞・副詞を全て省いて、「毛布をくれた」という事実の積み重ねだけで優しさを表現する手法は、事実を基点に思考しなければならないビジネスの世界でも十分通用する。 ◆この歳になって気づいたのは、自分は創作と評論を両方やる作家が好きだということ。文章を何度も書き写したりして、今でも好きなのは正宗白鳥。思えば、これは自分の仕事と合致している。営業畑が長かったが、企画管理の方が得意。営業=創作3割、企画管理=評論7割。 ◆「文を書く」ということで苦労した人間の書く文章は、例外なく好きだ。加藤典洋なんかも、相当苦労した経緯が見てとれる。高校生の時は太宰治全集を読破した。中島敦もいいね。「山月記」、「名人伝」は特に好き。 ◆最近はロシア・アメリカのジャーナリズムばかり読んでいるが、日本のジャーナリズムはスポーツが弱い。例外は山際淳司『スローカーブを、もう一球』か。沢木耕太郎のボクシングものもなかなか。 ◆武田百合子の白眉は『犬が星見た』で、「眼」の良さに感服させられる。しかもそれを文字に起こせるのだからたいしたものだ。映像の記憶力、会話の記憶力が半端ではない。『富士日記』『日日雑記』もよい。 ◆学歴や頭の良さなんて、仕事の上では必要ない。問題は人の気持ちがわかるかどうかだ。君は以前、高校の寮生活から初めて実家に帰った時、親の有難みを感じて泣いた、と話していただろう。そっちの方が大事だ。東大を卒業することより、本を読んで泣ける心を持っている方が大切なのだ。 この人は、武田百合子の「会話の記憶力」を褒めていたが、私みたいな若造が3年前に話したことまで覚えているなんて、何という「会話の記憶力」かと驚嘆した。 頭が上がらなかった。 期待を裏切らないよう、仕事も頑張るけど宿題になった本も読まないといけない。
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読書を語ろう!
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素晴らしい先輩ですね。こういう方と出会えた大三元さんが羨ましいし、出会うべくして出会ったのかな、と思ったりもします^^
武田百合子さんの『犬が星見た』は気になっている本なので探してみます〜!!
2011/9/12(月) 午前 0:18
>あんごさん:こういう出会いも、運と縁でしょうか。人に恵まれた人生だなあと思います。
武田百合子は絶賛されていたので、じっくり読みたいです。キーワードは「映像の記憶力」と「会話の記憶力」です。
2011/9/12(月) 午前 1:45
武田百合子の「富士日記」を読んだのは、もしかして今の大三元さんのお年くらいの頃かもしれません、日常の、といっても主に別荘でのできごとだったと記憶していますが、何気ないことがらをシンプルに流れるように書いているなあと思ったことと、限られた食材を使っての献立の記述が印象に残っています(なぜか、果物の缶詰をデザートによく使う人だと思ったのと、それがとても美味しそうに感じたことも)その頃は食いしん坊だったのでしょうね。(笑)
今気になっているのは、沼田まほかるです、手元に「九月が永遠に続けば」がありますが、まだ読んでいません。
そして、読んでいるのは丸谷才一のものです。
2011/9/12(月) 午後 10:09
>凛さん:武田百合子はずっと宿題になっているのですが、他にも宿題があり過ぎて追いついていません(笑)。食べ物の描写って難しいので、それをうまく書けるというのは本当に文章がうまいんでしょうね。
丸谷才一は私も好きで、何冊も読んでその内いくつかは書評も書きました。あの旧仮名遣いはうつりますよ(笑)。
2011/9/13(火) 午前 10:02
そうですか!僭越ながら何となくわかる気もします。(^_^;
読んでいるのは「たった一人の反乱」です、(残念。。。書評は書かれていませんね)
彼の文章にはさほど魅かれません、恐らく一番魅かれたのは、
「小説を必ずしも高く評価しない批評家からもエッセイに関しては高い評価をされている」という文章を見つけたからだと思います、3冊ほどエッセイを購入しましたが、線を引きたい箇所が多くありそうです、
とはいえ、小説の方も勿論おもしろいです、
知識の深さとそれに対する自分なりのユニークな考察を上手にちりばめるのに長けている人だなあと思います。
2011/9/13(火) 午前 10:31
真に尊敬できる人との出会いってなかなかありません。
身近にそんな人がいる大三元さんは幸せです。
ボクも宿題沢山たまっています。
2011/9/14(水) 午後 4:54
>凛さん:『たつた一人の反乱』は谷崎賞受賞作で、おそらく丸谷才一の最も完成度の高い小説であろうと思われるので、まだとってあります。でも私も丸谷は小説よりエッセイストとして評価すべきだと思いますね。日本の読書文化の中では、彼の目指す小説は評価されにくいと思う。
つまり「知識の深さと〜」はまさにその通りで、そのためには日本の場合小説よりもエッセイの方が成功するだろう、ということですね。
2011/9/19(月) 午前 1:55
>オブ兵部さん:そうですね、私は本当に人に恵まれた人生だったなあと思っています。いつ死んでも悔いはない(笑)
宿題減らないですね〜。オブさんにもらった宿題『中原の虹』も積読状態。。。
2011/9/19(月) 午前 1:56
素敵ですね。。。
人生の先輩、、、尊敬できる先輩とのひととき。。。
大切な時間ですね。。。
真面目に話し合える関係、、、話す側も聞く側も、立派だと思います。
(*^-^*)/~
2011/9/19(月) 午後 9:36
>さんぽさん:非常にありがたい出会いだと思っています。教えてもらったことはこうやって忘れないように文字に起こすことにしました。
2011/9/27(火) 午前 10:34