|
大好きな作家の一人に、日系イギリス人作家のカズオ・イシグロがいる。 代表作の一つ『わたしを離さないで』が映画化されるにあたり、来日した際のインタビューを見つけたので引用しておきたい。 最近になって、特にその意味を噛みしめたいことばだ。 「小津さんの『東京物語』『秋刀魚(さんま)の味』などの映画は、貧しくても正しく生きるというテーマが流れている。その考え方は、社会階級の差が大きな英国にもあった。自分の境遇、立場を受け入れベストを尽くす人間を私がよく描くのは、英国社会で育ったことや日本映画にも影響されています」 イシグロの作品には、書評54:『日の名残り』にしろ書評153:『わたしを離さないで』にしろ、必ずそういう品性が備わっている。そう言えば、イシグロは「われわれは皆執事である」とも言っていた(書評120:『ナイン・インタヴューズ』参照)。 こういう謙虚さが最近の自分には欠けていたな、と反省。 作品のテーマを尋ねると、はっきりと言った。“Life is too short” 「人生は短い。『もののあはれ』という言葉は、私が小説を書くうえで常に心の中にあります。『わたしを離さないで』の登場人物は、とりわけ短命を強いられている。でも人生は短いからこそ、自分にとって何が一番大切なのか人間は考える。愛、友情、尊厳、お互いをいたわる大切さを知ります」 人生は短い。だからこそ考えるもの…
そういうものを、今まで考えてこなかったかもしれない。 |
Essay & Opinion
[ リスト ]





かつて若い頃は自分の前に前途洋洋たる未来が
開けているように漠然と思っていました。
でももうすぐ50歳代も後半に入った今、
あまりに若いころを無為に過ごしてきた・・・
(「一所懸命」すぎて時間を浪費してしまった・・・)
ことが悔やまれます。
でも、まだ白紙の時間が自分の前に残されていると
思うようにしています。
「人生は短い」というのは
年を取り始めて実感できることだと思うのですね。
体は若い頃ほど俊敏に動かなくても
知恵とか経験でそれをカバーできると信じています。
2011/11/24(木) 午後 5:39 [ 名無しの権兵衛 ]
うわ〜っ、そうか。
人生は短い。だから考えるもの…。
「わたしを離さないで」の根底に流れている切実な思いは、こころからきていたんですね〜。
深いです。
これから、「わたしたちが孤児だったころ」を読もうと思ってます。
2011/11/24(木) 午後 8:52 [ わかめ ]
『わたしを離さないで』が映画化されるのですね。『日の名残り』好きな映画です。今回も楽しみです。
時の流れは加速度的に速くなってくるように思えます。子どもの一月と、大人のそれは絶対違う。人生あと半分と思っているけど、感覚的にはいままでの三分の一くらいかも。てことは、あと感覚的に15年・・・。やはり、人生短いです。(あ、計算しないで下さいね。ちょびっとサバよんでます(^。^)
2011/11/25(金) 午後 0:39
>リッチーさん:「人生は短い」というのは年を取り始めて実感できる・・・そうかもしれませんね。そういう意味では、「Life is too short」という文章の意味も、歳を取ればもっと深く掘り下げて感じることができるようになる、ということでしょうね。
2011/11/28(月) 午前 5:33
>わかめさん:『わたしを離さないで』に感動した読者の一人ですが、肝心の「人生は短い」というテーマにはあまり心をとめず読み終わったような気がします。これも若さゆえなのか、歳をとってからもう一度読み返してみたいと思います。
『わたしたちが孤児だったころ』は評価が分かれますね。一部では「壮大な失敗作」と評する者もあり・・・。私は次は『遠い山なみの光』か『夜想曲集』を読みたいです。
2011/11/28(月) 午前 5:37
>かえるさん:『わたしを離さないで』はすでに映画化されていて、たぶんDVDにもなっているはず。私も観るのが待ち遠しいです。
時間の流れ方が、なぜ歳をとるにつれて早くなるのか?について、あるところで自分の生きてきた年月で割り返すからだ、という説明を読んで納得しました。つまり、5歳児にとって1年は5年間生きてきた内の1/5に相当するが、30歳にとって1年は人生の1/30にしかならないため、その感じ方・受け取り方は自ずと異なるというもの。わかり易い説明ですよね。
2011/11/28(月) 午前 5:46
大三元 様 みなさんのコメントもそのお応えも含蓄がありますね。
カズオ・イシグロの作品もそうですね。
私は、彼の作品は自分の感性と違う地点にいるように感じられて
親しく読むことができないのですが・・・
かれの世界観のおおもとは、紳士の国ー英国という建前の世界に生きることを当たり前として刷り込まれている、というか・・・う〜ん、難しいですが、堅苦しい雰囲気が底流にある・・そこがつらいんですね、私にはね。
2011/12/1(木) 午前 9:46 [ pilopilo3658 ]
>あおちゃんさん:堅苦しい雰囲気というのは、建前の世界というよりも、この記事で言うところの“品性”からくるものだと思います。憧れも含めて、そういう静けさ、厳粛さ、謙虚さ、礼儀正しさのようなものは好きなので、私は心地よいのですね。
イシグロ作品は、建前の裏にある本音がさりげなく、しかし何とも味のあるかたちで表現されているのが好きです。例えば『日の名残り』の執事の品格とその失敗とか。
2011/12/2(金) 午前 5:30
私は自分があまりにあけっぴろげな性格なので
”隠す美学”に生きる人に感情移入出来ないのでしょうね。
もちろん小説を読むのに感情移入は必要ないという考えもあります。
でも私はいつも主人公になりきりたい欲求があるのでしょう。
2011/12/2(金) 午後 5:32 [ pilopilo3658 ]
「わたしたちが孤児だったころ」読み終わって感想もUPしたのですが、微妙というかぁ、私には今一つ響きませんでした…。時間軸がぐらぐらしてるのが気になってしまって。えっ、今いつなの?って何度も思いました。
でも時間がたつと、いろんな印象的な場面がふわ〜っと浮かんできたりもして…。不思議な余韻があるのですよねぇ。
今、「夜想曲集」を読み始めました。こちらは短編なのですが、笑いのスパイスがきいてます。
2011/12/2(金) 午後 9:29 [ わかめ ]
>あおちゃんさん:感情移入できない小説というのは辛いですね。私もそういう小説は評価が低くなってしまいます。人の好み、バックボーンによっても小説の評価は違ってきますね。
イシグロについて言えば、「隠す美学」というより「隠れているものを感じる大切さ」と表現したいです。あえて隠しているのではなく、隠れているものだ、という。
2011/12/3(土) 午前 6:19
>わかめさん:時間軸がようわからん、というのは多い感想のようです。一方で印象的なシーンと不思議な余韻が残る、というのはイシグロ作品に共通する魅力ですね。私は多分『わたしたちが孤児だったころ』は読まないのではないかと・・・(笑)
『夜想曲集』は評判いいですね。こっちを読むのは来週になるかな?
2011/12/3(土) 午前 6:23
『夜想曲集』は読んでみたい作品です^^映画化の関係で来日されていたんですね。テーマをぼやかさずにはっきり告げるところにとても魅力を感じます…。
2011/12/4(日) 午前 2:26
>あんごさん:『夜想曲集』は楽しみですよね〜。テーマをはっきり持って書いているから、作品で明らかに書かずとも読者に伝わるんですよね。
2011/12/5(月) 午前 4:46