読書のあしあと

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My Best Books

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「My Best Books 2013」文学・随筆部門

人文・社会科学部門に続き、文学・随筆部門です。

昨年は何と言っても『坂の上の雲』でしたが、やはり司馬の長篇で一番好きなのは『竜馬』かも。
それ以外は、第2位、第3位、第5位と意外な収穫が多かったのも特徴でした。
しかし人文・社会科学部門に比べれば見劣りする文学・随筆部門、今年は豊作にしたいものです。


第1位 司馬遼太郎『坂の上の雲』その1その2その3その4全8冊(文春文庫、1974年)
司馬文学の金字塔の呼び声高い長篇、ついに読破。
司馬の近代日本に対する見方、すなわち昭和への感情的なまでの嫌悪とその裏返しとしての明治への憧憬が鮮明に描かれている。
第八巻のあとがきにあるように、「坂の上の雲のみを見つめてのぼってゆく」当時の若者の姿がまぶしく、中でも個人的には正岡子規に惹かれた。


第2位 ラッタウット・ラープチャルーンサップ『観光』古屋美登里訳(ハヤカワepi文庫、2010年)
タイ系アメリカ人作家による短篇集。
地味だが、味わい深く、それでいてタイの爽やかな風を感じさせるような、清新な短篇が並ぶ。
タイを舞台にした話がほとんどだが、そこに懐かしさを感じ共感できるのは、テーマが普遍的であると同時に日本とタイの国民性に由来するのかもしれない。


第3位 筒井康隆『時をかける少女』(角川文庫<新装版>、2006年)
SFやジュブナイルの枠を超えて、もはや青春小説における現代の古典である。
読んでいる間、アニメ版の名台詞が何度もリフレインしてきて余計に切なかった。
少女は時をかけ、『時をかける少女』もまた時をこえて愛され続けるのだ。


第4位 エリザベス・ストラウト『オリーヴ・キタリッジの生活』小川高義訳(ハヤカワepi文庫、2012年)
アメリカの小さな港町にある人間模様を、淡々と描き出した短篇集。
本書を執拗低音のように貫通するのは、時の流れの無常さとも言うべきものである。それは時に残酷すぎる現実を人に突きつけるが、本書の筆致はあくまでも淡々としている。
まるで数十年寝かせたウィスキーのような、味わい深い作品である。


第5位 正岡子規『ちくま日本文学040 正岡子規』(ちくま文庫、2013年)
第1位で正岡子規に興味を持ったつながりで手に取ったアンソロジー。
子規の文章は端正でシンプル、そして言葉の選び方がきれいで的確。考え方もはっきりしていて実直なのは、人柄だろう。
くだものをはじめ食べ物に関するエッセイが多いのも印象的だった。

閉じる コメント(16)

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去年は司馬遼太郎と巴金を今更とは言え知ったことがぼくにとってはニュースだったかな。
今年もこのふたりは読むことになりそうです。

2014/1/12(日) 午前 2:52 蓮

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「坂の上の雲」も「時をかける少女」も映像は見たことありますが,原作は未読。ぜひ読んでみたい作品です。正岡子規のアンソロジーも面白そうですね。このところよみがえりつつある私の読書意欲,おかげさまでドライブがかかりました。ありがとうございますo(^_^)o

2014/1/12(日) 午前 10:08 NONAJUN

何だかこう、しみじみした味わいに飢えている時、
司馬さんの作品は読みたくなりますね。^^

2014/1/12(日) 午後 0:56 凛さ

なんといっても2位の『観光』を教えてもらえてよかったです。ハヤカワepi文庫はこれからも要チェックですね。

2014/1/12(日) 午後 3:30 ぼやっと

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時代物をあまり読まないので、司馬さんの本は一冊しか読んだことがありません^^;
でも、司馬さんに限らず大作にチャレンジするというのはいつかやってみたいです。
「時をかける少女」は懐かしいです。良い作品はいつまでたっても色褪せませんね。

2014/1/13(月) 午後 2:01 ねこりん

正岡子規は短歌俳句関連の随筆をよく読みますが、
好き嫌いがはっきりしていてズバリとものを言うところが
なかなか面白いですね。
人によっては子供っぽいというかもしれませんが、
そこが彼の魅力でもありますね。

2014/1/15(水) 午後 2:23 [ もたんもぞ ]

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こんにちは

この中ではっきりと既読と言えるのは、筒井大先生だけですね。

正岡子規、本当にいいですね。
ただ、なぜあれほど食こだわるのか、
なぜあれほどの悪口をたたくのか。

でも、『墨汁一滴』も『病床六尺』なんかもいいですよね。

2014/1/17(金) 午前 3:35 [ gak*1*66* ]

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>蓮さん:巴金という作家さんは知りませんでした。日本語訳はないのですかね。蓮さんの記事は日本語のものしか読めなくてすみません。
司馬は、個人的には短いエッセイのようなものの方がお薦めです。

2014/1/19(日) 午後 8:48 大三元

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>NONAJUNさん:正岡子規は、司馬が描く人物像を想像しながら読んだのでまた格別の味わいでした。こういう読書のつながり、副読本のようなものがあれば読書の楽しみもさらに倍になると思います。

2014/1/19(日) 午後 9:02 大三元

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>凛さん:とりあえず司馬の近代もの長篇は一通り読み終わったので、次は戦国ものあたりに挑戦かな〜と思っています。そっちの方がしみじみとしているような気もします。

2014/1/19(日) 午後 10:03 大三元

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>ぼやっとさん:私の方も『オリーヴ』を教えていただいてありがとうございました。私の中でハヤカワepiは最新の海外文学が手軽に入手できるので要チェックです。新潮クレストも好きですが、あれはハードカバーですからね。

2014/1/19(日) 午後 10:07 大三元

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>ねこりんさん:大作は気合いを入れないと読めないので、毎年の年初の目標に掲げるなどして自分の尻をひっぱたいてます。
『時かけ』はいい作品ですね、口調などに古さを若干感じましたが、でも青春のあり方はいつまで経っても変わらないのかもしれない、と思いました。
ベスト記事のトラバもありがとうございました!

2014/1/19(日) 午後 10:12 大三元

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>もたんもぞさん:おっしゃる通り、そこが子規の文章の魅力であり、子規という人の魅力だったのだと思います。文章に人柄がよく表れている典型例ではないでしょうか。

2014/1/19(日) 午後 10:13 大三元

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>gakiさん:『墨汁』にも『病床』にも食べ物の話がたくさん出てくるので驚きました。子規は「病気になってから出歩けなくなったので食べ物のことを書くことが多くなった」と書いていたような気がしますが、それにしても食に興味がなければあれだけの質量は書けなかったでしょうね。

2014/1/19(日) 午後 10:16 大三元

最近の著作家さんの本はあんまり読まないからなぁ〜。恥ずかしながら、『坂の上の雲』を名前だけ聞いていますくらいしか知らない。むむむ。

2014/1/30(木) 午後 0:50 [ - ]

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>Solomonさん:わりと古典を読まれるのですか。ますます珍しいですね。話が合いそうです。私も放っておくと新刊に目がいかないので、ブログなどでアンテナを張ってできるだけ目配りしている次第です。

2014/2/4(火) 午前 2:44 大三元

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