読書のあしあと

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日本の都会で通勤の経験がある人なら必ず経験するはずの通勤ラッシュ。
ずっと疑問に思っているのですが、おそらく毎日1千万人以上の人が関東圏の通勤ラッシュで
一日を始めているはずで、これだけの人が嫌だと言い続けているのに、一向に解決されないのは
何か理由があるのでしょうか?
 
普通に考えれば、
・「もっと楽に通勤したい」というニーズから何らかのビジネスチャンスが生まれる
・それに伴って技術的イノベーションが起こる
・そこまでいかなくとも、研究レベルで何らかの分析くらいあるはず
 
と思うのですが、最近チャリ通勤が流行りだしたことくらいしか思いつきません。
通勤ラッシュがここまでひどいのは日本特有の現象らしく、諸外国の首都は機能が分化している
こともあってか(?)東京ほどひどくないそうです。
You Tubeの東京の通勤ラッシュの動画が海外で人気という話もあります。
 
また、通勤ラッシュの原因や解決策を探った研究も寡聞にして知りません。
社会学とかになるのかな?
 
どなたかご存知の方いらっしゃれば教えて下さい。

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書評275 小川洋子

『心と響き合う読書案内』

(PHP新書、2009年)

好きな研究者や作家の書評を読むのは、自分が信頼する人のブログを読むのと同じ面白さがあると思う。
皆さんも、夏休みのお供に読書案内などいかがですか。


【著者紹介】
おがわ・ようこ (1962年─) 小説家。
早稲田大学第一文学部文芸科卒業。1988年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞、1991年「妊娠カレンダー」で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞・本屋大賞、同年「ブラフマンの埋葬」で泉鏡花文学賞、2006年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞をそれぞれ受賞。
本ブログで取り上げた著書に書評35:『博士の愛した数式』書評40:『偶然の祝福』書評47:『余白の愛』書評63:『シュガータイム』書評88:『深き心の底より』書評230:『ミーナの行進』がある。


【本書の内容】
人間が虫になることよりも、さらに不気味な不条理を描いている『変身』(カフカ)。言葉では書けないことを言葉で書いた『風の歌を聴け』(村上春樹)。「自分のために詠まれたのでは」と思える歌が必ずある『万葉集』…。小川洋子さんと一緒に、文学の喜びを分かち合いませんか?本書では未来に残したい文学遺産を52編紹介します。若い方にとっては最高の文学入門。「本の虫」を自認する方にとっては、新たな発見が必ずある作品論です。人気のFM番組「Melodious Library」、待望の書籍化。


お薦め度:★★★☆☆

【本書の感想】
古今東西、短篇長篇を問わず、小川洋子がお薦めする52作品を紹介。
ラジオ番組の書籍化らしく、それぞれの作品紹介がコンパクトにまとめられている。

肩肘張ることなく、自分がいいと思った部分、好きなところを率直に語るあたりが小川洋子らしい。
また、本のチョイスも独特だ。
『万葉集』から『ファーブル昆虫記』まで、時代、国内外、分野を問わず挙げているあたり、豊かな読書遍歴が小川作品を育ててきたのだろうと察することができる。

以下、未読の本で気になった評を抜書きする。今後の読書の参考にしようと思う。



◆梶井基次郎「檸檬」
檸檬を丸善に置いて帰るという、それだけの話です。これは俳句に近いと私は感じます。あるいは、盆栽。小さな器の中に、全宇宙を表現するという日本人特有の感性がまずベースにあると思います。……その日本的な感性の中に、エンジニア的な冷静さで情緒に流されない観察眼を持ち込み、西洋的なクールな一面を織り交ぜた。(42―43項)

◆川端康成「片腕」
もしかしたら自分の中にも、こういう狂気、醜さ、あるいは残酷さといった邪悪なものが潜んでいるのではないか、それを自分自身も気づかずにいるのに、この「片腕」を読んだために、気づかなくてもいいことに気づいてしまうのではないか……そういう恐ろしさがあります。(58項)

◆中勘介「銀の匙」
少年の内面をここまで繊細に描き出した作品はほかにない(71項)

◆村上春樹『風の歌を聴け』
私が村上文学で最も新しいと思うのは、その傷を言葉で書きあらわすことはできないのだ、ということを書いている点です。(111項)

◆梨木香歩『家守奇譚』
どれくらいまで人は許せるのか、という不思議の行けるところまでいってみた小説(120項)

◆田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」
若いカップルの心のみずみずしさ、まだ稚拙だけれども一所懸命でひたむきな愛を、どうしてこんなに鮮やかに描けるのだろうと驚きます。(172―173項)

◆マンスフィールド「遊園会」
大人でもなかなか感じ取れない人生の深淵を、少女は、その暗い小さな家の片隅で、パッとつかみ取ったのです。これはちょっと並大抵な感受性ではない、と思います。(221項)
このラストシーンがとてもいい。言葉にできないことを描いた小説、これが傑作たるゆえんでしょう。(222項)

◆向田邦子『思い出トランプ』
向田さんの小説は、脚本家独特の視点から綴られていると思います。……たとえ直接描写しない部分でも、完璧に把握している、この人の前ではどんなごまかしもきかないというような鋭い視線で小説を書かれた方だと思うのです。(239―240項)

◆フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』
ひたすら絶望という一点にのみ、物語は突き進んでゆきます。誰もギャツビーを止めることはできません。しかし、ラストシーンを迎えた時には、ああ、人はここまで人を愛することができるものなのか、という感銘の境地にたどり着いています。(248項)

◆佐野洋子『100万回生きたねこ』
ほんとうに死ねるということは、幸せなことなのです。



また、ここでは引用しないが、これまでこのブログで書評してきた本も多く取り上げられており、比べてみるとわれながら興味深い。
やはり小川洋子とは好みが合うなとか、ここはこういう読み方をするのかとか、自分の書評と言っていること全く一緒!とか。
以下、このブログで取り上げた作品。

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最近、巷ではやたらパンケーキが流行っている。
テレビでとろとろ半熟のパンケーキを見て無性に食べたくなり、渋谷の有名店を訪問。


渋谷ヒカリエの中にあり、休日のランチ時なのにすんなり入れた。
注文したのはリコッタチーズ入りパンケーキ。
想像していたのはチーズが溶けてとろとろになったものだったが、ここのお店はチーズが溶けておらず
コロコロ入っている感じ。
でもこれはこれで美味しい。


テレビで見た半熟のパンケーキは銀座にあるようなので、そのうち行ってみたい。
でも混んでるんだろうなあ。

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書評274 渡辺一史

『北の無人駅から』その2

(北海道新聞社、2012年)

その1では主に「人」の魅力を扱った。
書評2本目は、農業、自然保護といったテーマを取り上げる。


お薦め度:★★★★☆

【本書の感想】

<自然と人間の「ねじれ」>
著者は茅沼のタンチョウの給餌作業に触れ、自然保護と人間のねじれた関係に悩む。

自然保護を唱えるにせよ、人間はいつも勝手だった。
タンチョウを狩猟の獲物にしたかと思いきや、手厚い保護の対象として“給餌”を奨励し、それが成功すればしたで、今度は「そんなのはやめて自然に還すべきだ」と主張する。
タンチョウを観光客の客寄せに利用するくせに、カヌーやSLでタンチョウの生息環境を破壊する…。

もめごとのタネは、つねに人間の側にあるのであって、タンチョウや自然の側にはない。……ものごとを複雑にしているのは、いつも人間の方なのだ。(107項)


人間の都合で“害獣”のレッテルを貼られたり剥がされたりしてきたシカも、その被害者である。
明治以前は、農作物を食い荒らすシカやイノシシなどが“害獣”であり、それらを減らすオオカミは“益獣”だった。ところが明治以降は立場が逆転、オオカミが駆除された。すると天敵のいないシカやイノシシがまた“害獣”扱いされ始める。
シカの駆除を請け負っている桑原さんは、「もう手を出さずにありのままにしておくべきだ」という声に、疑問を呈する。

「今まで、人間が自然に手を加えすぎておかしくしたんだから、これからはいっさい手を加えずに温かく見守りましょう。表現的には素晴らしいですね。温かく見守りましょう。でも、自然のバランスをこれだけ崩しておいて、あとのことは知らない、あとはいっさい手を加えずに見守りましょうでは、あまりに勝手すぎませんか。まずは、自然にさらに手を加えてでも、人間の英知によって崩れたバランスを取り戻す。それが人間の責任なんじゃないですか」(174項)

今まで自然と真剣に向かい合ってきた人ゆえの、無責任な「自然保護」を唱える外野とは一線を画した考えである。


人間の勝手な都合で破壊されてきた自然は、もはや人間の手を借りないと崩壊するところまできている。
ならば、せめてこれ以上悪化しない程度に手を加えるべきではないか。その加減を、それぞれの場面で見つけていくべきではないか。
タンチョウとシカの現状は、そう訴えているように見える。


<市場原理は農業を効率化しない?>
本書は、日本農業を考える上でも興味深い論点を提示してくれている。

書評267:『さよならニッポン農業』では、非効率で高コストな片手間農家の「兼業農家問題」が日本農業の根本的な問題であることを見たが、著者はそれを認めた上で「北海道だけは例外である」と力説する。
北海道はその厳しい気候条件などのため、ほとんど唯一理想的なペースで農業の大規模化が進んだ地域であり、意欲的な主業農家の割合も72%と都府県に比べて格段に高い(都府県は21%)。
しかし、そんな北海道にして、アメリカの1戸あたり平均198ヘクタール、オーストラリアの平均3,024ヘクタールと比較すると、全く歯が立たないのが現実だ。これらの国の農産物と関税なしで戦うことは、効率化の努力を積み重ねてきた北海道農業でさえ不可能である(203―204項)。

事態がさらに複雑なのは、彼ら(非主業農家)の作るコメの方が、総じて市場評価が高く、魚沼産コシヒカリを筆頭に、ブランド力もあり、なおかつ消費者に好まれることだ。じつは、全国のコメ生産の約6割を担い、日本のコメのクオリティを支えているのは、「片手間農家」の作るコメだという現実がある。つまり、市場原理をそのまま推し進めれば、日本から姿を消してしまうのは、効率的で低コストな農業に取り組む修行農家や大規模農家の方であり、生き残ってってしまうのは、非効率的で高コストな「片手間農家」ばかりという事態も起きかねない。(217項)

こう見てくると、少なくともコメに関しては、神門の主張するような市場原理効果は逆効果かもしれないと思った。
もっとも、コメに関しては北海道米よりも「片手間農家」が作ったコメの方が市場に好まれるのであれば、北海道のコメ作付面積を他の作物に転作すれば一石二鳥かもしれない。
市場に淘汰された結果として片手間で努力しない農家のコメが残るのは、望ましくはないにしても一つのあり方だろうし、努力しても勝てないコメを作るよりは、より可能性のある農作物に転作した方が意欲のある農家にとっていいのではないか、とも思う。

農業やTPPを考える上で、このように「地域」という切り口で見ると、また違う見え方があって新鮮である。

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書評273 渡辺一史

『北の無人駅から』その1

(北海道新聞社、2012年)

障がいノンフィクションの名著書評128:『こんな夜更けにバナナかよ』の渡辺一史の新作。
単行本にして900ページ以上という大作、しかも本書はサントリー学芸賞を受賞している。

長くなったので、書評は二回に分けた。


【著者紹介】
わたなべ・かずふみ (1968年─) フリーライター。
愛知県に生まれ、大阪で育つ。北海道大学文学部中退。1987年から札幌市在住。大学在学中から執筆活動を開始、普通の人の日常をリアルに描く新しいタイプのノンフィクションを 模索中。
2003年のデビュー作『こんな夜更けにバナナかよ』で講談社ノンフィクション賞と大宅壮一ノンフィクション賞をダブル受賞。2012年、本書でサントリー学芸賞を受賞。
本ブログで取り上げた作品に書評128:『こんな夜更けにバナナかよ』がある。


【目次】
第1章 「駅の秘境」と人は呼ぶ―室蘭本線・小幌駅
第2章 タンチョウと私の「ねじれ」―釧網本線・茅沼駅
第3章 「普通の農家」にできること―札沼線・新十津川駅
第4章 風景を「さいはて」に見つけた―釧網本線・北浜駅
第5章 キネマが愛した「過去のまち」―留萌本線・増毛駅(上)
第6章 「陸の孤島」に暮らすわけ―留萌本線・増毛駅(下)
第7章 村はみんなの「まぼろし」―石北本線・奥白滝信号場


【本書の内容】
単なる「ローカル線紀行」や「鉄道もの」ではなく丹念な取材と深い省察から浮き彫りになる北海道と、この国の「地方」が抱える困難な現実―-。新たな紀行ノンフィクションの地平を切り拓く意欲作。


お薦め度:★★★★☆

【本書の感想】

<全体の感想>
札幌在住のフリーライターが、北海道の「地方」の人々の“生き方”を描いたノンフィクション。
本書の魅力は二つある。

一つは、ミニアチュールのように丁寧に描かれる、無名の人々がひっそりと営む生活であり、波瀾万丈の人生であり、地味だが味のある生き様そのものである。
前作と同様、ローカルな人々の懐に入り込んでその言葉を丹念に拾い、背中を描写するのは著者の真骨頂と言ってよい。

いま一つは、多岐にわたるテーマである。
生活が不可能だと思われるような漁村で生きてきた人たちの生活、観光と自然保護の両立、にっちもさっちもいかない農業、文化財の古い家屋を修復する予算もない町――。
北海道のみならず、この国の「地方」が抱える問題を、自らの目と耳と足で捉えた本書からは、世間一般で言われているようなイメージとは違った風景が見えてくる。

書評1本目は、一つめの魅力を中心に取り上げたい。


<小幌の親分の肖像>
著者を当代随一のノンフィクション作家たらしめているのは、フツウの人々の声をそのまま記録し、同時にその人柄までありありと浮かび上がらせる文章の迫力である。

断崖絶壁にある小さな漁村・小幌。
ここで、文太郎さんという漁師の息子さんに話を聞くのだが、これがもはやおとぎ話である。
読者は、第一章で早くも本書の世界に釘づけにされてしまう。

文字も読めず酒好きだった文太郎さんは、酔って電車に曳かれて両足を失う。ところが、両足がないことを何とも思わず、いっぱしの漁師としてカレイやヒラメ、ホッケを獲り、ハモやメバルを釣った。
冬にはタヌキの頭を叩いたりイタチに罠を仕掛けたりする猟もやった。肉は食べ、皮はなめして高く売る。
足がなくてできないことは、子どもたちや子分を使ってやってのける親分肌だった。
その息子がこう回想する。

「どういうもんだかな。うまいもんだった。何やっても。うちのおやじは。……結局、おやじは小幌だったから働けたのさ。狭い浜だがら、足なくったって、ほれ、家も海もすぐそばだし、やりたいようにやれたんだわ」
「したけど、あんな穴みてえなところによく住んでたもんだなと、つくづくそう思うわ」(64―65項)

「穴みてぇなとこ」を腕だけで駆け回り、せわしなく漁や猟に精を出し、酒を飲んで寝る。
この迫力十分のエピソードは、著者の「個性を発掘する」ノンフィクション作家としての力量を示している。


<堅牢な田舎に分け入る努力>
知っている人はわかると思うが、寒い地方の田舎の人はなかなかよそ者を受けつけない。そのかわり一度心を開いたら縁を大切にする傾向が強い。

「陸の孤島」と呼ばれる雄冬も例外ではない。よそ者に冷たく、民宿でさえ夏以外は「泊めたくない」の一点張りの集落である。どこの民宿も泊めてくれないところを、しつこく懇願して何とか泊めてもらえることになった最後の宿のおかみさんとの遣り取りは、微笑ましい。

「フフ、どう言っても泊まるんだね」
進藤さんはあきれたような口調でつぶやくと、電話を切るとき、「断るつもりが、なんでこうなったんだ」と人のよさそうな声でいった。(560項)

ローカルな共同体を形成する人々に分け入った作品を書くまでの、著者の地道な努力がにじみ出ている。
こうやって著者は、限界集落の頑固おやじのもとに何回も、何年も通い続け、ようやく心を開いてもらうのだ。
こうしたことができるのは、ひとえに著者の人柄と努力によるのだと思う。書評128:『こんな夜更けにバナナかよ』でも書いたが、ここが凡百のライターと違うところだ。


<なぜそこに住むのか?>
その雄冬は、急な断崖に囲まれた小さな漁村である。道路が周囲と通じていないために船しか交通手段がなく、「陸の孤島」として秘境マニアには有名だった。ところが、国道開通を機に雄冬が崩壊してしまった、と雄冬の漁師である飛内さんは嘆く。

「ゼニコかい?落ちないさ。……だって、道路ができたらみんな素通りだも。昔は『陸の孤島』で秘境だったから、珍しくて来てたのさ。……道路できる前だら、あんた、雄冬丸に鈴なりになって観光客乗って来てたんだから。して、ここ行き止まりだったから、来たらみんな泊まってくしょ。だから民宿だとか商店だとか、そのへんの経済はよかったんだ」(607―608項)

こぢんまりと完結していた共同体が、外とアクセスしてしまったために、都市に吸収されていくプロセス。
それは北海道のみならず全国で、もっと言うと全世界的に起きている現象であるが(書評254:『消費するアジア』参照)、飛内さんの証言はそれをミクロの視点から立証している。


そもそもなぜこんな不便なところに住んでいるのだろう、と訊いたときの、漁師中野さんの返事が印象深い。

「オレも、なんでこんなとこに住んでんだろうって思うところはあるんだよね。思うところはあるんだけど…。なんでだろうね」
そう言って首をひねりつつ、「やっぱオレがここにいるのは、漁師やってっからじゃないですか。ここでないとオレは漁師できないし、ここが自分の知ってる海だから」
そういって自分の言葉に「うん」と納得したような顔でうなずいた。それはうらやましいほどの揺るぎない自信に満ちた表情だった。(643項)

不便な土地に生まれつき、そこで一生を終える人もたくさんいる。他に便利な土地があるのを知っているのに、なぜ移り住まないのか。その理由は、中野さんの表情に書いてあるのだ。

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