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鷲田清一『「待つ」ということ』/回想のMy Best Books #2
今回は哲学者鷲田清一の著書、書評93:『「待つ」ということ』について書こうと思います。
鷲田はこのブログでもお馴染みの哲学者。
本書を取り上げたのは7年前ですが、今でも内容を空で言えるくらい、影響を受けた本でした。
本書は、「待つ」ということの根源的な意味を掘り下げていきます。
あらゆる行為が前のめりにならざるを得ない近代社会において、結果を先取りするでもなく、かといって単なる受け身でもない、偶然性に開かれた「待つ」はどういうかたちをとるのか。
鷲田はそれを「時と場を醸成する触媒になること」と表現します。そしてそれは日常の中の小さな行為の積み重ねによって可能だと示唆しています。
当時地球の裏側と遠距離恋愛をしていた私は、だいぶこの本に救われました。結果的にそれはうまくいきませんでしたが、「場を醸成する」という自分なりの努力は、私を人間として大きく成長させてくれたと思います。その後の私の人生の中で(あれからもう7年も経ってしまった)、この「待つ」という力は、とても豊かな可能性を見せてくれました。
だから今となっては何の悔いもありません。
そういう意味での「待つ」という行為は、特に育児や介護といった密度の濃い人間関係で必要とされます。
今後の社会ではよりそういう場面が重要になってくる方向にいくでしょうし、私のプライベートな人生においてもそうなると思います。
これからも「待つ」ということは、社会を考える上での、私自身が生きる上での、指針となり続けるでしょう。
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2014年05月26日
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