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世界的な金融緩和機運の高まりを背景に、金利の下げ余地の乏しい
日本の円相場が上昇し始めた。21日の外国為替市場では1ドル=
107円台前半の円高水準を付け、この日の株価の上値を重くした。
企業業績への為替影響が改めて注目される。
3月調査日銀短観によれば、20年3月期の大企業・製造業の為替
前提レートは1ドル=108.87円。株式新聞で約370社の計画
を集計したところ、およそ6割超が同110円を想定している。
円高は輸出企業の事業環境に逆風だ。
このため対ドルで1円の円高はかつて、日経平均株価に200円程度
のマイナスインパクトをもたらしてきた。日米の金利差縮小の加速が
一段の円高をもたらすとなれば、状況は一段と深刻化する可能性がある。
こうした中、外需依存の高い製造業の場合は、為替前提が保守的な企業
ほど業績面で安心感がある。
今3月期に1ドル=100円に設定しているのは日立建機 6305.T、
ファナック 6954.Tのほか三ツ星ベルト 5192.Tや日精樹脂工業 6293.Tだ。
一方、円高が利益にプラスに効く業種としては、電力・ガスや空運などが
知られる。
電力・ガスの今期の為替前提はおおむね1ドル=110円だが、
関西電力 9503.Tや広島ガス 9535.Tは同115円としている。
関西電力は1ドルの円高が年間で47億円(予想連結営業利益の2%強)
の費用削減につながる。
空運は日本航空 9201.Tが1ドル=115円の前提。
燃料油(シンガポールケロシン)の価格が前提通り(1バレル=90ドル)
で推移した場合、為替が1ドル=105円ならば年間90億円の増益効果が
生まれる。
ANAホールディングス 9202.Tとスターフライヤー 9206.Tは同110円
としている。
製造業の中にも、収益構造上円安よりも円高がプラスに働く企業もある。
代表格は製紙メーカーだ。
また、今3月期の前提が1ドル=110円の富士通ゼネラル 6755.Tや、
112円のEIZO 6737.T、サトーホールディングス 6287.T、
115円のLIXILグループ 5938.Tなども対ドルの円高が追い風とみられる。
ただ、対ユーロの円高が悪影響を及ぼす場合もある。
このほか、円高でゴマ原料の輸入差益が発生するかどや製油 2612.Tの今3月期
の前提は1ドル=115円。同社は原料の市況高騰とともに円安が減益予想の
背景にある。製造小売のニトリホールディングス 9843.Tやあさひ 3333.T、
エービーシー・マート 2670.Tも円高メリット株。
またソニー 6758.Tは今期、前期までは利益増要因だった円高・ドル安の影響は中立だという。
[ 株式新聞ニュース/KABDAS−EXPRESS ]
提供:モーニングスター社 (2019-06-24 16:06)
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