戯れ言ちゃんねる

ここは、主に放送中のアニメの感想を書くブログです。(3/11)twitterのID:tobizaregoto

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 どうも、管理人です。今日は時間ないのに、まだまだやることが山積み…。おまけに、明日からバイト先の部署が変わるので、ちょっと早めに出る必要がある+早出予定とかやばい。


 今回紹介するのは、角川スニーカー文庫より刊行されている「ムシウタ 15 夢謳う虫たち(下)」。先日更新の記事でも言った通り、今巻がいよいよ最終巻。表紙を飾るのも、第1巻以来のふゆほたる と、主人公のかっこうコンビ という、ある意味これしかないというレベルの組み合わせ。果たして、彼らが夢見た先に待っているものは如何に?

 ということで、さっそく感想に参ります。今巻の内容としては、新世代と旧世代の生き残りをかけた最終決戦と、その後日談を描いたもの。とりあえず、先に言わせてもらうと、レンタルマギカみたいにもう一冊番外編が欲しくなる、それくらい想像の余地が残るものだったなと。といいますか、そうしないと納得できない部分が多すぎる…。

 まず、今巻においてポイントとなるのは、虫憑きが結局どういう在り方かということ。さっき「新世代」と「旧世代」という分け方をしましたが、旧世代の方が今まで描かれてきた虫憑きを指していて、新世代の方はここ数巻で出てきているCが生み出す蘇生者たちを指しています。今巻というか、前巻からの流れというのは、Cが全ての人間を虫憑き(新世代)に変えて、世界のあり方を変える、その過程で邪魔になる旧世代の彼らを滅ぼす、それに対して抗うという構図で進んでいるわけで、なぜ対立しうるのかという部分が今巻ないし作品通してのテーマとして描かれていました。

 前巻にて、かなり唐突に登場した大助(かっこう)の従兄弟とされる少年:大樹 、彼の正体はおおよそ予想通りでしたけど、総てを知った上で彼が選び取った答え、これがいろんな意味で心に響きました。停滞を選べば、確かに安寧と平和は得られるのでしょうが、一方でそれでいいのかという疑問も存在します。なぜなら、それらは他の人から与えられたものであって、自分で勝ち取ったものでないから。そこにドラマがないから。この作品では「夢」というのがモチーフの一つとして採用されていますが、つまりはそこなんですよね。人が夢を抱く理由、それすなわち見果てぬもの、極端に言えば決して届かないものに手をのばしたいと考えるため。届かないとわかっていても、人は努力せずにはいられない。指先にかすめるまで必死に手をのばし続ける。だからこそ、夢が大いなるエネルギーとなり得るわけで、虫憑きたちが強いのもそのため。その代わり、虫憑きの生き様はまさに茨の道。それらを踏まえた上で、覚悟を決める大樹のシーンは、だからこその切なさがあり、それに続くきらりとの決別も余計に切なさが引き立っているように感じました。

 また、最終決戦へ赴くに際しても、また犠牲を払わずには先へいけないというのが、これまた業が深い。特に、今までただの駒として虫憑きを扱ってきた土師が、最後の最後で代償を支払うことになったというのがまた…。乱暴に言えば、シスコンを拗らせて、妹を守るためにどんな犠牲でも払ってきた というのに、実際にはそんなことはなかったと。創作の世界では、対価を求められるというシーンがよくあると思いますけど、結局の話今までの土師はそれらしいものを支払ってこなかったんですよね。
 いやまあ、事実関係だけ見ればそんなことはないんですが、今までのはいわば「別に失ったところで痛くもなんともない」取るに足らないものばかり。ですが、この戦いに赴く直前に最強のカードを失い、そしてこの戦いでは本当の意味で「対価」になりうるものを失い、その状況になってようやく思い知るというのがすごく皮肉入ってるように思えました。それと、ある種かっこう以上の死神キャラに転身した有夏月(月姫)も何か悲しい。最後まで生き残ったクラスメイトがかっこうだけというのがまた…。

 そして、最終決戦の話に移ると、やはりポイントは一号指定勢ぞろいという箇所。bugクライマックスの戦いも、本来ならば同じようなシチュエーションで迎えるはずだったのが実現せず、結果負け戦に。そこから数年の時を経て、回り道を重ねてようやく実現し得た というのが非常に感慨深い。まあ、ふゆほたること詩歌が一人リアクション置いてけぼりだったのはしゃあなしですけどw あれ見て、「亜梨子って誰?」という懐かしのネタを思い出したのは自分だけじゃないはず!

 そんな最終決戦の様相ですが、一言で言えばふるほたるがチートすぎて震えたと。元々、ふゆほたるの破壊力ありきの作戦とは言っても、1号指定4人が一斉攻撃してもびくともしないものを一人で破壊するってのはさすがに規格外w 加えて、ふるほたるを護衛するという役回りやすでに満身創痍という性質上、どうしても他の虫憑きが苦戦を強いられていて、たとえ一号指定でもふるほたるほどの規格外な印象は受けないんですよね。満を持しての(仮)復活となった亜梨子にしても、ほとんどセリフもなく薙ぎ払うだけという役回り上、どうしてもキャラは薄くなりますし、同じく劇的な復活劇を迎えたかっこうも、全力の残虐性が見られなくてちょっと物足りなさは感じました。
 あと、何よりもテンションが上がらなかったのは、大食いの末路。倒し方としては悪くないとは思うんですけど、Cとの戦いが終わった後に控えている大物としては、ちょっと肩透かしな終わり方。その意味では、実質幕間で舞台から引きずりおろされたミッコも同レベルなんですけど、どうやっても主役にもキャストにもなれなかった茶深との絡み考えると、そこまで悪くはなかったとも。

 ああ、あともう一つ。最後はやっぱあそこで締めましたね。思えばすごく長い道のりだった気もしますが、かっこうとふるほたるではなく、薬屋大助と杏本詩歌として再会した、1巻からどれだけ待たされたか…。最後の挿絵は本当最高でした。


 とまあ、こんな感じですかね。あとがき見たら、シリーズ始まったのが2005年の5月で、丁度シリーズ開始から11年。自分が読み始めたのは、それよりもずっと後…それでも半分くらいは追いかけてきたわけですが、非常に感慨深いです。出てきた答えがどうであれ、読み終わった瞬間脱力感が襲われるくらい、それくらい自分にとって大きな作品だったなと再認識しました。
 まだ色々と語れる余地が十分残っていて、見たいシーンもたくさんある。その中で完結という二文字が酷く重みを帯びているわけですが、願わくばもう一冊後日談が欲しいと願ってやまないです。

 ですが、とりあえずはこの作品に一つ、言葉を送って締めたいと思います。最高で最悪の物語を、ありがとうございました!!


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