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 皆様、ご無沙汰しております。だいぶUPの間隔が空いてしまいましたが、BBCドラマ『SHERLOCK』に関する感想を続けたいと思いますのでよろしくお願い致します。

 ドラマについて語る前に、まず、聖典(原作小説)について考えてみたいと思います。原作の「シャーロック・ホームズ譚」については、様々な特徴があるとは思いますが、ハニーが考える「シャーロック・ホームズ譚らしさ」は以下の三つです。

1)家庭の秘密の物語であること。もっと言えば、家庭の秘密の「暴露」の物語であること。
2)アルコール、薬物など何らかの依存症の人物が登場すること。精神的な疾患がある人物というふうに範囲を広げてもいいですね。
3)一人称の物語であること。別のことばにすると、物語っている人物が物語の中にいるということになります。

1)と2)に関しては多くのミステリーがこんな感じなのでは・・・と思われるかも知れませんが、「シャーロック・ホームズ譚」が現在のミステリー界に多大な影響を与えたからこそ、なのを忘れてはいけません。「ホームズ譚」が他のミステリーに似ているのではなく、他のミステリーが「ホームズ譚」に似ているのです。しかも、このふたつの要素には作者ドイルさんの私生活の怨念が凄まじく入っているので、他とは一線を画すほど読者を惹きつけてやまない作品群になっています。

それから、3)について。、聖典はミステリーの古典として確固たる地位を築いていますが、ハニーとしてはミステリーというよりも実はファンタジーで、ふたりの魔法使いの物語なんだと思っています。ひとりの魔法は観察力と推理力。もうひとりの魔法は物語る力です。一見、観察力と推理力の魔法使いの方がすごいように見えますが、実はそれは物語る力の魔法使いの能力が高いからこそそう見えるのです。物語る力の魔法使いは物語の中の住人ですが、その世界を形作っているのは実は彼自身なのだという事実を考えれば、彼の力がどれほどすごいかわかっていただけるのではないかと思います。

映像化にしろ、パスティーシュにしろ、大きな事件を用意すればするほど、元来の「ホームズ譚らしさ」が失われていくのは、この三つが抜け落ちていくからなんだと思います。「結構それっぽいのに何か足りない、何かが欠けている」と思うときは、だいたいこの三つの要素のどれかが入ってないんです。三つとも入ってなければ、全く「らしく」ない作品になってしまいます。

そして、いよいよ『SHERLOCK』です。次回はその第一話について書いてみたいと思います。つづく。


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