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わたしを離さないで

素敵な本(純文学)

[ 壊れかけたメモリーの外部記憶 ]

2011/4/12(火) 午後 6:04

わたしを離さないで

わたしを離さないで カズオ・イシグロ Never Let Me Go 土屋政雄 訳 早川書房 2006年 1800円 チャンネ・リーの 「最後の場所で」 の書評で、カズオ・イシグロの『日の名残り』以来の傑作という一文から、カズオ・イシグロの最新作を探しました。 キャシーが一人称で語り続ける物語に、最初の章からすっかり引き込まれてしまいました。流れるように続く文章は翻訳なのか疑うくらい滑らかで、しかし違和感のある言葉は確かに浮き上がって感じられます。 かすかに違和感のあ

ラウィーニア

素敵な本(ファンタジー)

[ りぼんの読書ノート ]

2011/2/15(火) 午前 6:15

ラウィーニア(ル=グィン)

アウグストゥスの時代の詩人ウェルギリウスの創作による叙事詩「アエネーイス」で、 炎上するトロイを脱出してイタリアにたどり着き、やがてローマの祖となる主人公は、 地方王族の娘ラウィーニアを巡って、彼女の婚約者であったトゥルヌスと争います。 でも本編でのラウィーニアは、類型的な少女として描かれているだけだそうです。 ル=グィンさんはそんなラウィーニアを取り上げて、運命に従いながらも強い意志を持ち、 自ら夫を選び、やがては雌オオカミのように息子を守り通す、ひとりの生きた女性として 再

跳躍者の時空

素敵な本(SF)

[ りぼんの読書ノート ]

2011/1/23(日) 午前 6:15

跳躍者の時空(フリッツ・ライバー)

全10編のうちの5編を占める「天才猫ガミッチ」シリーズが最高に楽しいですね。 IQ160のスーパー猫ガミッチが、「馬肉の先生」と「ネコちゃんおいで」と呼ぶ 飼い主の夫妻と繰り広げる、思索と冒険の物語。 5編とも楽しく読みましたが、やはり一番は表題作の 「跳躍者の時空」 でしょう。 成長すると人間の身体になり、人語も話せるようになると信じている、天才子猫の 夢破れ、大人になっても猫のままなのだと悟るまでの物語。 でも、ガミッチが自分の夢を犠牲にしたおかげで、発育の遅れてい.

われはロボット

素敵な本(SF)

[ SFを読もう!!! ]

2011/1/21(金) 午前 1:46

[書評][われはロボット〔決定版〕][アイザック・アシモフ]

2004年に劇場公開されたSF映画「アイ,ロボット」の原作にあたる小説です。 別段この小説作品が映画のストーリーの元になったわけではなく、あくまで世界観だけ使ってるって話。 ジャンルとしてはSFというよりもSFミステリに属します。 今や常識とも言える「ロボット工学三原則」が絡んでくる謎を解いていくお話。 9つの短編から成る本で、語り手であるロボット心理学者スーザン・カルヴィンが記者に対して過去に起こった、ロボットに関する事件を話していくという回顧録的な形をとっています。

死者の書 ジョナサン・キャロル

素敵な本(ファンタジー)

[ りぼんの読書ノート ]

2010/11/15(月) 午前 7:10

死者の書(ジョナサン・キャロル)

マーシャル・フランスという、架空の童話作家を巡る物語です。 1922年にオーストリアで生まれ、16歳で単身渡米してからは生涯の大半をミズーリ州の ゲイレンという小さな街で過ごし、既に亡くなった作家です。 本書の主人公トーマス・アビイは、有名な映画俳優であった父の影に束縛され、不気味な仮面を 愛好するという不安定な青年ですが、彼が愛してやまないマーシャルの伝記を書こうと思い立ち、 恋人のサクソニー(彼女もまたマーシャルの大ファンで、マリオネット蒐集という奇妙な趣味の 持ち.

四つのサイン

素敵な本(ミステリー)

[ りぼんの読書ノート ]

2010/10/29(金) 午前 8:31

四つの署名(コナン・ドイル)

「シャーロック・ホームズ」シリーズの長編第2作です。 ホームズがコカイン注射で退屈を紛らわしているというショッキングな場面に、 後にワトソンの妻となるメアリ・モースタン嬢が、不思議な事件を携えて登場。 彼女の父親が失踪しての後、正体不明の人物から毎年1粒の真珠が贈られるようになり、 ついにその人物から面会を求める手紙が届いたため、助言と付き添いを依頼しにきたと いうのです。 手紙の主サディアスは、メアリーの父モースタン大尉が失踪した真相と、インドで手にした .

緋色の習作

素敵な本(ミステリー)

[ りぼんの読書ノート ]

2010/10/29(金) 午前 8:23

緋色の研究(コナン・ドイル)

映画「シャーロック・ホームズ」を見て、「原作に忠実なホームズ像」というあたりが 気になったので、シリーズ第一作を読み返してみました。 やはり、ホームズとワトソンの出会いがいいですね。 ホームズを奇矯な人物と思い、「探偵学」などキワモノと考えているワトソン医師が、 ホームズの観察眼と推理力の前に脱帽するまでのくだりが、長いシリーズの出発点。 すべてがそこから始まったのです。 ホームズの独白も、またいいのです。 「人生という無色の糸かせ、殺人という緋色の糸がま.

アーサー王ここに眠る

素敵な本(児童文学)

[ 壊れかけたメモリーの外部記憶 ]

2010/7/22(木) 午前 0:20

アーサー王ここに眠る フィリップ・リーヴ

アーサー王ここに眠る フィリップ・リーヴ 井辻朱美訳 東京創元社BOOKLAND 2009年 2500円 児童書の新着コーナーで見つけた本。[http://blogs.yahoo.co.jp/rtpcrrtpcr/39680370.html あの]シリーズも[http://blogs.yahoo.co.jp/rtpcrrtpcr/43995298.html この]シリーズもまだ読みかけの、フィリップ・リーヴが描く歴史ファンタジーでした。これまでのリーヴの中ではイチバン!!大人が楽しめます

アーサー王ここに眠る

素敵な本(児童文学)

[ 今日もお出かけですか? ]

2010/7/21(水) 午前 9:13

『アーサー王ここに眠る』

小説『赤毛のアン』の中で、物語ごっこ遊びをするアンが、エレーナ姫役としてボートに横たわって流されるシーンがあります。これがアーサー王伝説の中のひとつの物語だと知ったのはいつのことだったでしょう。 アーサー王の物語の存在を知ったのは、やはりディズニー映画、'''「王様の剣」'''からだったと思います。その後、アーサー王伝説を確立したと言われる、'''『アーサー王の死』'''を含...

アーサー王ここに眠る

素敵な本(児童文学)

[ りぼんの読書ノート ]

2010/7/20(火) 午前 6:32

アーサー王ここに眠る(フィリップ・リーヴ)

アーサー王に関する小説はたくさん出ていますが、「アーサー王伝説」を再編するものと、 「歴史上の人物としてのアーサー王」の真実の姿を探ろうとするものとに大別されます。 本書は児童書として書かれたものですが、その両者を融合させた「アーサー王物語」です。 作者の想像する「実在のアーサー」は、ローマ軍の撤退後サクソン人が侵入し、群雄割拠 状態になったイングランドに現れた野心的な英雄のひとりにすぎません。 結果として、この時期にイングランドを統一した英雄など登場しなかったのですが、 ア

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