空閨残夢録

上層より下層へ中心より辺境へ表面より深淵へデカダンよりデラシネの戯言

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「Checkmate King 2, this is White Rook, over.」

「This is King 2, roger, out. All right, that's it - let's get outta here ! 」


 ・・・・・・斥候サンダース軍曹です!




 小学館から発売されているアウトドア雑誌の『BE-PAL』が刊行されたのが1981年7月号が創刊で、それまで登山モノの月刊誌はあったが、それは山岳マニア系の専門誌だった。『BE-PAL』はタウン系の都会的なセンスの月刊誌として発売された。それは身近な野山や河川で自然を楽しむための、マニュアルでありガイドブック的な存在だったし、気やすいアウトドアって言葉もこの雑誌が販売されるようになり広まった感がある。

 創刊号を見てみると、椎名誠の怪しい探検隊が千葉県の海岸に登場していたり、倉本聰の富良野での丸太小屋生活記とかが面白い。その中でも一際おもしろい記事が横井庄一の連載第一回目で、これは後に単行本化されたものが、『横井庄一のサバイバル極意書 もっと困れ!』というタイトルで、大幅に加筆され発売されたが、今はどうも絶版のようだ。

 横井さんは太平洋戦争に出征して、グアム島のジャングルで28年間も生活していた訳だが、ビーパルの取材に対してまず斯様に言っている。「アウトドアっていわれたって、そりゃあ、なんだかさっぱりわからなかったよ。話を聞いてみると、野営みてぇなもんだという。そんなことを、わざわざ好きでやる人間がいるっていうのが信じられなかったね・・・・・・」。

 そこで現代の最新アウトドア用品の、ガスコンロやランプとか寝袋や登山靴などを横井さんに見せるのだが、「この野営道具?遊びだな」の一言であった。横井さんは大正4年(1915)に愛知県に生まれる。小学校をでると豊橋の洋服店に奉公して、21歳で独立してお店を開業する。この洋裁による器用さがグアムでも生きた。糸はパゴの木の繊維、針は真鍮から作って上着やズボンを拵え、拾ったゴムタイヤで靴を作ったという。

 このようなお話しをイラスト入りで解説されていて、この本は大変に読みやすい。住宅となった穴倉作り、食料の確保や保存、病気になったときの薬の知識が満載され熱帯のサバイバル術の宝庫といえる。

  昭和63年(1988)に、実日新書から刊行された『C.W.ニコルの野生記』は、冒険の書であり、サバイバル本としても参考となる。論点はサバイバルの方法論ではないが、フィールドワークの姿勢や意欲が熱く伝わってくる本である。

 ニコルさんは1940年に英国の南ウェールズで生まれる。フランスに留学の後、17歳でカナダへ渡り、北極地域の野生生物調査を行う。1967年から2年間、国立公園建設のため猟区管理官として、エチオピア・シミアン高原で活躍。その後、和歌山県太地に住み、日本の捕鯨研究をする。現在、長野県黒姫の森で暮らす。

  柘植久慶のサバイバル本は方法論が主体の実用書である。サバイバルの実用書として綿密な情報が網羅されている。災害を想定して、山や海での遭難、大地震、ホテル火災、自動車事故、飛行機事故、戦争やテロの対処法まで非日常の災禍から身を守るサバイバル術書。

 柘植氏は1942年愛知県生まれ。慶応大学卒。フランス外人部隊としてコンゴ動乱、アルジェリア戦に参加。インドシナで対ゲリラ戦を闘い、作家デビュー。以後、ノンフィクション、冒険小説、歴史小説などの幅広い作品で活躍中。

 平成3年(1991)に講談社から発売された齋藤令介の『原始思考法』は、サバイバルをするための根源的な思考法を著したもので、人間を動物と考え、原始の人間に立脚し、狩人の論理で感覚と知覚を研ぎ澄ますことにより、平和ボケ、欲ボケ日本人の頭を痛撃する好著。村上龍の『愛と幻想のファシズム』は、この齋藤氏の思考法から生まれたといっても過言ではない。

 齋藤氏は1949年生まれ。専修大学法学部中退。カナダに渡り、狩猟生活をする。帰国後、雑誌に世界各国のハンティングとフィッシングのルポタージュを発表。日本で唯一のプロフェッショナル・アウトドア・ライターの地位を確立。同時に企業の戦略アドバイザーも行う。

 最後に紹介するのは、加村一馬の『洞窟オジさん』で、平成16年(2004)に小学館から出版された本である。この本は昭和35年に、筆者の加村氏が13歳の時に、両親の虐待から逃れるために飼い犬と家出をする物語でもある。当初、足尾鉱山の洞窟で犬と暮らし、犬の死後は群馬県から福島県、新潟県から山梨県の山中と移動して、茨城県の川沿いなどで43年間のサバイバル生活をつづけたホームレスの記録である。

 これは現代のロビンソン・クルーソーともいえる驚愕のサバイバル生活なのであるが、本の巻末にイラストで描かれた狩猟採集保存術は日本の山中で暮らすのであれば、驚くほど参考になる。誰に教わるでもなく、全て経験と原始的思考をめぐらし生きてきた少年に大きな感動を覚える。

 加村氏はこの本を著した時点でホームレスは引退して、社会復帰している。




 ・・・・・・こちらホワイトルークでした!

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またまたこんばんは☆
村上龍さんは「半島を出でよ」でも怖いサバイバルでしたよ。
怖すぎる内容でつらかったけど、映画化するとしたらホワイトルークさんアドバイスできそうですね♪

2012/10/15(月) 午前 2:16 はのはの 返信する

夜更かし姫・・・おはよ・・・「半島を出よ」は未読でつ。

2012/10/15(月) 午前 7:52 [ ホワイトルーク ] 返信する

「もっと困れ!」と「洞窟おじさん」にかなり興味を持ちました。
この2冊、買いたいかも(^^)
今のような不安な時代、将来何があるかわからないので読んでみたいと思います。
28年もジャングル生活ってすごいなと思いますが、43年ほぼホームレス生活っていうのもすごいですね。絶望して死にたくならないんでしょうか?

2012/10/15(月) 午後 7:48 はいね 返信する

岸和田のお嬢ちゃん毎度さま、人は案外に自然に触れると天然の野性である本性が目覚めるものでして、特に男性は顕著です。W・ゴールディングの小説で『蠅の王』をお薦めいたしますヨ。

2012/10/15(月) 午後 8:27 [ ホワイトルーク ] 返信する

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