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Checkmate King 2, this is White Rook, over.
「チェックメイト・K2・・・こちらホワイトルークどうぞ!」
This is King 2, roger, out. All right, that's it - let's get outta here !
「どうぞ!・・・こちらキング・2・・・応答せよ!」
戦場のミンストレルこと斥候サンダース軍曹です!
最近は、新聞も、週刊誌も、月刊誌の定期購読は、2008年頃からしなくなってしまった。週刊誌は「文春」と「ポスト」を15年くらい毎週定期的に買っていたが、思いで深いのは連載小説で、1998年〜2000年まで週刊文春に連載されていた浅田次郎の「壬生義士伝」には、かなり強い感銘と感動を受けて読んだ歴史小説。
週刊誌の定期購読を止めて悔やんだのが、同じく浅田次郎の新撰組三部作の「一刀斎夢録」が2008年〜2010年の6月まで、週刊文春に連載されたことである。本年は単行本化されるのを、今か、今かと、待ちわびる日々であったが、本年は2月に刊行されて胸をなでおろしつつも一気に読み耽る。
まず、「壬生義士伝」の主人公である南部・盛岡藩の下級藩士の吉村貫一郎は、家族を養うために脱藩して新撰組隊士となる。そして大正4年に、或る記者が、生き残った新撰組隊士や縁の者を訪ね歩き、吉村貫一郎の取材を聞き取り調査を行うのだが、取材される吉村貫一郎の知悉である語り手の話しが、小説の物語構造となっている。
語り部の一人に、新撰組三番隊長であった斉藤一が、吉村貫一郎の記憶を記者に語るのだが、数ある語り部のうち、斉藤一の語り口が、小説のなかでも一際きわだった個性を放つ、ニヒリズムにあふれ、憎悪に充ち、暗く澱み、血の匂いが漂い、語り部の一人として物語る斉藤一の言葉は、語り部のなかでも一番印象深い逸話だとボクは感じた。
この漆黒の、無情にして、冷徹な、虚無的な人斬りの斉藤一が、今回の「一刀斎無録」では唯一の語り部となる。明治天皇の崩御から、この物語りは始まる。近衛連隊の剣士である梶原中尉は、警察庁の剣士である榊警部に、4年連続剣道の天覧試合で決勝戦に負けてきた。
とある日、梶原中尉は榊警部から、一刀斎の噂を小耳にはさむ。この一刀斎なる老人は元は新撰組の三番隊長を勤めた斉藤一らしいのだ。知悉のあった榊は梶原に一刀斎の自宅を教える。そして七日にわたり一刀斎の過去を、そして人斬りを、血腥い暗殺を、鳥羽伏見から西南戦争の凄惨な闘いを聴くことになる。
一刀斎の語る過去の回想は、時系列的に進行していくが、この小説の物語の芯には、吉村貫一郎が拾った市村兄弟が伏線となる因縁関係が大きい。市村辰之助の弟は鉄之助が斉藤一と物語が進むにつれて縁深くなるが、やがて悲劇的な結末となって終焉する。
市村鉄之助は、吉村貫一郎に拾われて、わずか14歳で新撰組に入隊するも、間もなく鳥羽伏見の戦いを迎える。今日残る土方歳三の洋服による遺影は、市村鉄之助が土方歳三の故郷に持たらされた写真である。鉄之助は西南戦争で薩摩側の反乱兵として戦ったとも伝わるが、斉藤一は明治期に警察官となり、西南戦争を戦ったのは史実。
一刀斎が回想するエピソードとして面白かったのは、坂本龍馬暗殺事件、人斬り半次郎(桐野利秋)と斉藤一の睨み合いなどが、なかなか緊迫した筆使いで感服させられた。居合いや剣の流儀を体感しなければ描けない文体にただただ敬服するのみ・・・・・・
なんとなく読み過ごしていた「輪違屋糸里」もこれを契機に読書中・・・・・・こちらホワイトルークでした!
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