空閨残夢録

上層より下層へ中心より辺境へ表面より深淵へデカダンよりデラシネの戯言

無残絵とボンデージ

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緊褌一番

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Checkmate King 2・・・・・・this is White Rook - over!


褌(ふんどし)関係の皆様
アンダーグランド関係の皆様
フェティシズム関係の皆様


・・・・・・斥候サンダース軍曹です!



 三島由紀夫の褌フェティシズムは有名であった。四文字の熟語に「緊褌一番」という成句があるのだが、大勝負の前に、或いは、難事などをむかえる心構えなり、気合を入れて事に望む意気込みを表わす意である。つまり、「緊褌」とは、六尺ふんどしを固く引き締めることで、大事の前に心意気を引き締める思いがこめられている。

 緊褌という言葉があるようにフンドシはボンデージであり、局所を隠す最小の衣装でもある。アダムとイヴが無花果の葉で陰部を覆ったのが人類の最初の衣装であろうが、褌はお相撲さんが締めている例もあり、闘技や軍(いくさ)と関係した衣装だ。そんなところから「緊褌一番」のような言葉もある。

 相撲でもわかるように褌はきつく締めていないと勝負にはならないのであるが、エロティシズムという視点で褌をみてみると、性的器官への緊縛が精神に及ぼす緊張感となってある種の恍惚感を与えるし、観る者へもフェティッシュな感覚をよびさます。

 世には褌マニアという者も存在して、アンダーグランドの小説から、その一例を以下に引用してみよう。



「僕が初めて褌を締めたのは越中褌です。しばらくは満足しておりましたが、しばらくすると物足らなくなり、変わったものを締めてみたくなりました。モッコ褌、水泳褌、六尺褌と次々と代えてみました。ところが六尺褌の緊張感のすばらしさと共に何んともいえぬ快感を知った時から、僕は完全に六尺褌の囚となってしまいました。

 その後、現在に至るまで四六時中、六尺褌を着用しており、そして赤、黄、黒といろいろ色を変えてみましたが、やはり六尺褌はなんといっても白が一番良いようです。真新しいサラシの六尺褌を締めた時は心身共に爽快となり、元気が増すのをおぼえます。しかし、六尺褌もサラシの新しい間は、しっかりしていますが、何度も洗い返すと布が弱ってきます。すると、締めあげた時の快感も、それに従って減るように思います。」

                                               (愛知輝一『褌に憑かれた男』) 



  緊褌の六尺褌を締め身につけるのは、かなりメンドウなフンドシでもあるのだが、マニアになると日夜コレをしめずにはいられなくなる輩もいるのである。



「巻きおわった軍刀を腰の前に置くと、中尉は膝を崩してあぐらをかき、軍服の襟のホックを外した。その目はもう妻を見ない。平らな真鍮の釦をひとつひとつゆっくり外した。六尺褌の純白が覗き、中尉はさらに腹を寛ろげて、褌を両手で押し下げ、右手に軍刀の白刃の握りを把った。そのまま伏目で自分の腹を見て、左手で下腹を揉み柔らげている。」

                                                     (三島由紀夫『憂国』)



 三島美学ならずとも、常識からいっても切腹には六尺褌が一番相応しい装束であろう。切腹には越中褌やパンツではサマにならないと思われる。そして刺青にも六尺褌はよく似合う男気の衣装であろう。褌という急所なり恥部を隠す衣服としては、表面積がギリギリ最小なものである。また、この衣装は緊縛という緊張を肉体に与えて精神に作用する下着でもある。



 ・・・・・・こちらホワイトルークでした!                                                      

褌について

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Checkmate King 2・・・・・・this is White Rook - over!


六尺褌関係の皆様
越中褌関係の皆様


・・・・・・斥候サンダース軍曹です!



 精神とは、集中し、働いている心であり、心とは、分散し、休んでいる精神である。力には集中と分散の相互作用が必要となる。英語では stuff が集中(かたまり)であり精神を表わし、dust が分散(ちり)であり心を表現すると理解しやすいだろうかしら・・・・・・

 衣装も精神や心に作用する重要なコスチュームであり、例えば、六尺褌は精神に作用し、越中褌は心にゆとりをもたらすはき心地なのである。

 現代の生活において褌を下着として着用することは無くなったが、今でも祭礼などで褌は身につけられている。ボクも過去に祭りで六尺褌を二度身につけた経験がある。

 三島由紀夫は市ヶ谷での割腹自決の際に、軍服の下に六尺褌を身につけていた。この褌はパンツと違い、ギュッとひきしまる感覚で、しめてみると体全体までが、否、精神までがグット緊張を及ぼし、ある種の恍惚感さえ覚えてくるはき心地なのである。

 暑い夏の日にステテコ姿もよいが、越中褌の緩やかな感じもよいであろう。仕事には気を引き締めて六尺褌、お家では心休めて越中褌という生活のスタイルが、精神と心にバランスをもたらすであろう。

 されど越中褌も明治期に軍隊で採用され官給された。それは装着の利便性が重視されたからである。「褌」という漢字はコロモ偏に「軍」と書くが、古代からの軍服の名残であるのかも知れないネ。



 ・・・・・・こちらホワイトルークでした!

 

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「チェックメイト・K2・・・こちらホワイトルークどうぞ!」

 奇譚クラブ関係の皆様
 SM系雑誌関係の皆様
 グロテスク関係の皆様
 アンダーグランド関係の皆様
 無残絵関係の皆様

「エロティシズムの斥候ことサンダース軍曹です!!」



 『「奇譚クラブ」とその周辺』『「奇譚クラブ」の絵師たち』を読む。著者は濡木痴夢男で雑誌編集者である。その編集者である彼が発刊したマニア向けの「奇譚クラブ」や「裏窓」といった雑誌は、いわゆるSMをテーマとしたもので、主に女性を緊縛することをテーマとした小説、写真、絵画などを掲載したマニア雑誌である。

 『奇譚クラブ』は、1952年6月号より1975年3月号まで発行された雑誌で、1955年には一時発行禁止処分を受けた。出版社は、曙出版、天星社、河出書房新社と変わっている。SMの性行動を扱った文学作品としては、古典の部類に入る団鬼六の『花と蛇』、沼正三の『家畜人ヤプー』はこの雑誌に発表された。

 『「奇譚クラブ」とその周辺』ではSM文化を生み育てた濡木氏の綴った戦後SM裏面史であり、『「奇譚クラブ」の絵師たち』では、小説の挿絵を手がけた絵師たちの評論である。その絵師たちのなかでもボクが心惹かれる作風の一人に畔亭数久という挿絵画家がいる。

 畔亭数久は「ぐろてすく」と読むが、「くろてい・かずひさ」と読んでも誤読ではないらしい。『奇譚クラブ』の1954(昭和29)年の3月号の女性の緊縛画では数久操(すく・みさを)の名でグラビアに描かれているが、これ以後に投稿されたグラビアの絵画作品や挿絵の名義は畔亭数久となっている。

 この画家は市井の人で、『奇譚クラブ』に主に投稿された無名の絵師である。どんな仕事をしていて、如何なる生活をしているかは全くわからないらしい。この絵師の作風は西欧風の風貌をした男女の絵姿で、女性を描く裸体や緊縛画はバラエティーに富んでいる。

 それは後手に縛られた舞妓を和服姿で描いた肌の露出は全く無い絵や、「股間の感覚を刺激する縛り方」と題されたグラビアでは全裸または下着姿の緊縛された美女たちのフェティッシュな作風だったり、米国のボンデージコミックを思わせる明るい雰囲気でみたされたエロスを垣間見せている。

 なかでも異彩を放つ迫力で描かれている『奇譚クラブ』1954年4月号の巻頭グラビアに描かれた「轢殺-鉄路に散る二輪の花」と題された轢殺画はグロテスクであるが、何故か詩情にあふれたエロティシズムを彷彿としている不思議な無残絵である。

 制服の女学生が二人で一台の自転車に跨り、長閑な田園を走っている。鉄道の踏み切りで転倒した二人は、運悪く機関車に轢かれてしまう。一人は首を、もう一人は胴体が切断された描写なのだが、丹念に愛らしく美しくエロスを充填して見事に描かれているのだ。それも首が舞い、胴体の下半身が宙に舞う描写は、江戸川乱歩の作品を連想したりもするが、残酷とエロスが渾然一体になって頽廃的な美へと昇華している。

 「ぐろてすく」という名前は、この轢殺画を描くために作者名としたかとも思える。ブログにこの作品を掲載するには少々躊躇ったが、斯様なアンダーグランド作品は日の目をみないだろうし、埋没したまま消える運命にあろう。またグロテスクな表面よりは、エロティシズムが秘められた稀有なる作風には、瞠目すべき絵師のリアルな業に驚かされる。




 ・・・・・・こちらホワイトルークでした!

 

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「チェックメイト・K2・・・こちらホワイトルークどうぞ!」

 ボンデージ美学関係の皆様
 緊縛美術関係の皆様
 フェティシズム関連の皆様
 エロティック・ファンタジー関連の皆様

「捕縛緊縛術の達者なサンダース軍曹ことエロティシズムの斥候です!!」



 ピエール・モリニエの演劇的影響と、ハンス・ベルメールの緊縛写真と、ジョルジュ・バタイユの官能美学から、多大な薫陶を受けて、米国のサブカルチャーとも袂を分かつ独自のボンデージ・アートを確立した現代の写真家ジル・ベルケの作品を少々ながら紹介したい。

 本邦では発行トレヴィルで発売リブロポートによる写真集が刊行されている。飯沢耕太郎の評論があるのみで、1994年に『天使たちの孤独』というタイトルで写真集が発売されたが、ジル・ベルケの履歴や活動の詳細はふれられていないのでプロフィールは判らないが、その写真による作品について観るからに、そのスタイルは米国の「ザ・ピンナップ・キング」と呼ばれたアービング・クロウのボンデージ・フォトを基本的に踏襲していると思われる。

 そこからモリニエ、ベルメールなどの作品を踏まえて、バタイユのエロティシズムの哲学を浴びせた感覚を映像にしたと想像される。特に目新しい芸術家として突出した印象は、この写真家からは感じられないのだが、モノクロにこだわり、演出がアナクロ的な感じがするのは、作風が過去のゲイジツ家たちの影響が大きく模倣的で、リスペクトしたエロスの郷愁を追随しているからかも知れないが、性的な嗜好を表現する場合に、エロスが芸術である表現だとか、エロスが単なる卑猥な世界だったりと、芸術と猥褻の境界線をもうけるのが難しいから、ボクとしては明確にジル・ベルケを芸術家として批評できない。

 この作品に投影された思想や哲学は一見として希薄でも、そのエロティックな印象は作品から感じられる。それをバタイユの思想で絡めてお話する時間は今宵は足りないので、あらためてのことにさせていただくが、いずれにしてもボンデージとはフェティシズムのエロスは表象であり、その表象は表面的でありながら部分的な偏執なのかも知れない。

 部分と全体はフェティシズムの問題で大きな観点だが、ボンデージなり緊縛という行為が関係するにサディズムとマゾヒズムというテーマも絡んでくる。エロスの相関図なり地平はケッコウ複雑なのであるが、分析などしなければタダの猥雑写真なのである。つまり平凡に庶民的な視点で見れば単なるエロ写真の類なのだ。




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「Checkmate King 2, this is White Rook, over.」

「This is King 2, roger, out. All right, that's it - let's get outta here ! 」



・・・・・・十勝清水駅前壺中庵主人こと、斥候サンダース軍曹です!




 ボクの本棚に1972年に澁澤龍彦が編集した風刺画集『マゾヒストたち』があり、これはR・トポールの描いた作品集で、薔薇十字社から刊行された今では絶版ものであり、本邦唯一のトポール作品集でもある。

 風刺画家、アニメーション作家、小説家のローラン・トポールは1938年パリに生まれる。1960年に画集『Les Masochistes(レ・マゾヒスト) 』を出版して話題を呼ぶ。1961〜65年にサブカル・パロディー雑誌の「ハラキリ」にイラストを連載する。64年に最初の小説『幻の下宿人』を出版。72年にベニス・ビエンナーレ参加作品のアニメ映画『ファンタスティック・プラネット』をルネ・ラルー監督と共同制作して、カンヌ映画祭審査員特別賞を受賞する。

 薔薇十字社版『マゾヒストたち』の編者(澁澤龍彦)によるあとがきを読むと、フランスの雑誌「ハラキリ」(第49号)1965年3月号をフランスから、わざわざ送ってくれたのは三島由紀夫で、この号にトポールのワン・カット漫画が二頁にわたり四点掲載されていると書かれている。

 澁澤が初めてトポールの絵にお目にかかったのは、「ハラキリ」誌上でだったか、「ビザール」誌上でだったろうか思い出せないと書いているが、何と言っても絶品だと思うトポールの作品は『Les Masochistes』と述べている。この一見して下手糞な絵は、何とも言えず味わい深く、拙宅を訪れるお客さんに、何度これを見てもらって、相共に笑ったか分らないと書いている。

 その絵は、たとへば、ハンカチで目隠しをして、金槌で釘を打っている男の絵があったり、階段の手すりに鋸状の歯を備え付けて、その手すりに後ろ向きに跨り滑り降りる男の絵とか、ベットからはみ出た両足に射的用の的を描いて拳銃を自らの足へ狙いを定める男の絵とか、巨大な卸し金を顔面に当てて摩り下ろす男の絵とか、そんな荒唐無稽、奇妙奇天烈、ナンセンスとブラック・ユーモアに溢れたマゾヒストの姿が表されているのが、このトポールの60頁そこそこの作品集なのである。

 まぁ〜フツーと思われる感覚の人が、このマゾヒストたちの嗜虐的な趣味趣向の図絵をみるからに、コワ〜イ!〜イタソォー!〜イヤ〜ン!・・・・・・と感じるのが、一般的な鑑賞のリアクションであろう。因みにボクがトポールのこの絵の中で感覚的に耐えられないのは、今にも首を括ろうとしている男が、何故か?、自分の舌を鋏で切ろうとしている絵である。・・・・・・舌なんか鋏で切らないで早く首を吊って欲しいでっしゅう〜。



 ・・・・・・こちらホワイトルークでした!

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