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「Checkmate King 2, this is White Rook, over.」
(チェックメイト・K2・・・こちらホワイトルークどうぞ!)
「This is King 2, roger, out. All right, that's it - let's get outta here !」
(どうぞ!・・・こちらキング・2・・・応答せよ!)
♪戦場のミンストレルこと斥候サンダース軍曹です!
昨夜、往年のテレビ番組の『コンバット!』を観ていたが、ヘンリー少尉がフランスのとある町にあるカフェで、食事にありつこうと入店するが、フランス語ができない少尉は店の主人との注文に手間取る。そこへ英軍の女性兵士がフランス語が自在なので助けてくれるのだが、女性兵士はヘンリー少尉に「少尉殿、お困りのようですネ。注文の手助けをいたしましょうか?」と親切に対応してくれた。
テレビの番組だから字幕ではなく日本語に翻訳された声優によるセリフなのだが、普通の日本人なら女性がヘンリーに呼びかける「少尉殿・・・」という言葉に疑問などはなかろうネ。それは初めての面識で階級章を認識しての呼びかけだから「少尉殿・・・」となったワケであるのだが・・・・・・。
『コンバット!』の翻訳は誤読、誤解、誤訳がとても多いのだが、このボクが提起した些細な翻訳もコマカク言えば間違いで、それは軍隊の階級に敬称を用いることはないということである。つまり少尉という階級に殿という敬称は必要がないのが世界的な認識で、日本は明治に西欧の軍隊の階級を用いたが微妙な尊称や敬称までは理解できていないのが、こんなところからも垣間見える。
なんだかNHKの言葉おじさんみたいな始まりかたになったが、たとへば皆さん・・・映画の『プライベート・ベンジャミン』は観ておられるでしょうネ。これを翻訳すれば「ベンジャミン二等兵」となろうネ。二等兵は兵卒の新兵で階級的には最下層にある。それが何故?・・・プライベートなんだろうネ。国家の軍隊に所属しているのにネ。
まぁ〜そんな具合でお話をしていきますが、つまり今宵の本題になりそうな話題は軍隊の階級についてが要点になりそうである。成り行きは別としてネ。
さて、昨日は『コンバット!』のサンダース軍曹の名前がチップ・サンダースというのだが、チップとは名前といよりは愛称であり、それでは本名はなんというのかという探索が命題でしたが、散漫にお話は展開して解決をミズに終焉した。
それで軍曹という階級はサージャントと英語で呼ばれるワケで、サンダースにこの階級を付けて表すのなら Sergeant Sandars、 SGT Sandars、と表記する。
そもそも軍隊の階級は中世の騎士たちによる語源が主流で、旧くは古代ローマ軍からのラテン語を由来とされる。ローマ帝国が滅亡すると古代ローマの軍事組織を模倣して、16世紀には現代と通じる軍事指揮組織が編成された。つまり近代の絶対君主制のもとで常備軍が置かれたことにもよる経緯だ。
常備軍が編成されるまでは、諸国の領主が城を持ち兵を募り部隊を編成して戦っていたのだが、日本の戦国時代にたとえると天皇に軍隊はありませんでしたネ。足利将軍が諸国を束ねていたけれど、室町時代末期には将軍には自軍の兵卒さえいなかった。寺社仏閣が私兵を抱えていてこれを僧兵と呼んでいたりネ。
織田信長は天下布武をとなえて、足利将軍を担ぎ上洛し、この時代に最初の常備軍を編成した。この時代には武田信玄のおさめる信州でも常備軍はなかった。農繁期は百姓で忙しく、米の刈り入れが終ると部隊に編成されて戦乱を戦ったのが普通のことで、信長は西欧の軍隊のシステムを最初に日本にとりこんだ武将なのである。
されど信長は天下をとれず、秀吉、家康へと天下は最終的におさまるのだが、徳川家は絶対君主ではなく、あくまでも天皇の臣下にして諸国を武力で納める権力者となる。そこで幕末に官軍の御旗を挙げたもの勝者となるのだが、明治になり軍事システムは西欧から全て吸収することになる。
そこで話しをもどすが、プライベートが何故に二等兵かというと、絶対君主制のもとで常備軍が置かれるまでは、兵卒とは各国の領主がそれぞれに雇う兵隊で、その私兵を Privat、Private と呼んでいた。このことからプライベートは兵卒を表す語源となる。その名残が現代でも軍部のヒエラルキーの最下部に階級として残存した。
兵士をソルジャーと呼ぶのは更に大昔のお話である。貨幣のない古代は軍人に塩を兵役の恩賞なり代償に与えていたのだが、それで Soldat、Soldier の語源がある。
軍曹はサージャントと呼ばれるが、これは中世の騎士の従者を示している。騎士は兵卒を従者に指揮させていた。この従者を Servant と呼ばれていたのが Sergeant の語源である。
騎士たちを束ねるのが騎士団の長である。これを日本語では大佐と呼ぶのだが、英語ではカーネルで、織田信長の率いる指揮官たちは、豊臣秀吉や明智光秀がこれにあたるワケだ。この指揮官たちを統括する軍団長が信長なのだが、戦国の時代は複雑で将軍が存在し天皇がいる。最終的に徳川氏がこの将軍になるのだが
、それを英語ではジェネラルと言い表す。
現代でも中隊長クラスをキャプテンと軍隊の階級に残存するが、このCAPである大尉の下に小隊があり、この小隊の頭目がヘンリー少尉なのであるが、2nd Lt. という階級は Lieutenant という中世の騎士たちの旗持ち役の語源である。
この軍隊による階級は軍隊のみならず名誉称号として民間人にも与えられている。有名なところでカーネル・サンダースであろうかしら・・・・・・つまりケンタッキー・フライドチキンのカーネルおじさんだネ。彼はケンタッキー州に貢献した人物として州からカーネルの称号を与えられたのでした。カーネルおじさんの本名はハーランド・デーヴィット・サンダース。
常設の公的な機関にも軍隊の尊称が普通にあるのだが、リビアにもカダフィ大佐というお人がいるが、軍人というよりは称号としての大佐の名が冠せられているフシがある。そんなこんなですが、フランスの最高勲章たるレオジオンタール勲章だって同じ感覚だよネ。
『グランクロワ』(Grand-Croix, 大十字)
『グラントフィシエ』(Grand-Officier, 大将校)
『コマンドゥール』(Commandeur, 司令官)
『オフィシエ』(Officier, 将校)
『シュヴァリエ』(Chevalier, 騎士、勲爵士)
上記に羅列した叙勲も中世の騎士から伝わる軍事的な階級を匂わせるよネ。
そんなこんなで今宵もコンバットをネタにしたワケですが、この軍隊の階級なり、この尊称には馴染みない日本人は「少尉殿・・・」みたいな誤訳をやりがちみたな指摘のお話で終りますネ。だからボクを軍曹殿などとは呼ばないでおくれ・・・・・・みたいな感じで御仕舞い。
・・・・・・こちらホワイトルークでした!
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