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 マイナンバーの提出をお願いします――。2016年1月は、会社での従業員のマイナンバー集めがピークとなりそうです。
 実は、業界内では、2016年1月から、マイナンバーの利用が始まることから、会社は2015年中にマイナンバーを集めるのではないかと、予想されていました。
 しかし、マイナンバーの「通知カード」の発送が遅れに遅れたこともあって、年明けに持ち越した会社が多かったようです。
 会社員は、自分の分と健康保険の被扶養者や税法上の扶養親族になっている家族の分のマイナンバーの提出を会社から求められます。
 なぜ、会社にマイナンバーを提出しなければならないのかというと、雇用保険や健康保険、厚生年金、税金関係の手続きで会社が役所に提出する書類にマイナンバーを記載することが義務化されたから。
 さて、マイナンバーの通知カードは2015年10月から12月にかけて、住民票がある住所に簡易書留で発送されました。
「実際に住んでいるところと住民票の住所と違っていた」、「不在で受け取りそこなった」などで、マイナンバーの通知カードが届かなかった人が大量に発生しています。ポストに名前の表示がないと、不在連絡票を残してもらえないので、中には、配達されたことすら気づかなかった人も。
 たとえ、通知カードが届かなかった場合でも、大丈夫です。再配達や市区町村役場での窓口交付など、受け取り損なった通知カードを受け取る手段が用意されています。
 とはいえ、返送された通知カードがあまりに多かったために窓口は大混雑。臨時の専用窓口を設ける市区町村もあるくらいです。
 マイナンバーを調べるだけであれば、通知カードを受け取ることにこだわる必要はありません。
 住民票を取れば、手っ取り早くマイナンバーを調べられます。ただし、マイナンバーの記載を希望しないと、肝心のマイナンバーが記載されていない住民票が発行されてしまうので要注意です。
 ところで、マイナンバー制度をめぐっては、さまざまな批判が出ています。中には、会社にマイナンバーを教えたくないという方もいるでしょう。
 結論から言えば、会社へのマイナンバーの提出は拒否できます。
 というのも、法律が義務付けているのは、会社が役所に提出する書類にマイナンバーを記載することだけで、個人が会社にマイナンバーを教えることまでは義務付けていないから。そのため、会社はマイナンバーの提出を拒否した従業員に対して、査定でのマイナス評価や処罰を与えることはできません。
 2016年1月1日からは、雇用保険と税金関係。2017年からは健康保険や厚生年金というように、会社が個人のマイナンバーを記入して提出しなければならない書類の種類は段階的に増えていきます。
 具体的には、2016年は入社、退社した時、ハローワークで行う雇用保険の加入(資格取得)、脱退(資格喪失)の時の手続き。60歳以降の給料が60歳時点の時よりも75%未満に下がった時に支給される「高年齢雇用継続給付金」、そして育児休業中の「育児休業給付金」、介護休業中の「介護休業給付金」の申請書類。さらに、源泉徴収票です。
 ハローワークでは、「マイナンバーの記載がない書類も受理」という方針を打ち出していますので、会社は従業員のマイナンバーなしで手続きはできます。けれども、原則の手続き方法とは異なるのは確かなので、通常よりも手続きに時間がかかるというデメリットが発生する恐れはあります。
 また、会社は「従業員にマイナンバーを提出してほしいといったのに、従業員から拒否された」という経緯の物的証拠を残す必要があります。要は、マイナンバーの提出を拒否する人がいると、会社のマイナンバー担当者の仕事が増えるということ。
 たとえ、マイナス評価や処罰はされなくても、マイナンバー担当者から「○○さんって、面倒くさい人」などと、煙たがれることは覚悟したほうがよさそうです。
●文/稲毛由佳(社会保険労務士)