|
先週紀伊半島の岩代で、運よくマルフトコロ貝をひろえたので、この機会にこれまでに拾ったフトコロ貝についてまとめてみます。
フトコロガイ科 Columbellidae
フトコロガイ: Euplica scripta
房総半島以南の磯が近い海岸ではどこでも拾える 1cm強の小さい貝殻です。
海藻の上でくらしているようです(2)。
マルフトコロガイ: Euplica turturina
房総半島以南、西太平洋(2)。今回はじめて拾いました。
日本産のものは白地に褐色〜黄褐色の模様のものが多く。房総で拾ったものは、黄褐色一色のものもあります(B01, B13, B14)。
オーストラリア(ケアンズ近くのダンク島)産では、黒っぽい模様のものがあります。白地に黒のイナズマ模様のもの(A7, A8)や、黒地に白の斑点でマツムシガイに似たもの (A3) もあります。
このような色の違いは、二枚貝のタマキ貝でも関東と九州のちがいで認められました。
色模様の違いの他、形は、オーストラリア産の方がやや角張ってイカツイ印象で、殻口の上端部が肩肘を貼ったような形に見えます。
このような形態のちがいは、たとえばコモンダカラで、日本産は大きくてもやや丸みをおびた形だが、フィジー産は小さめの貝でも、側面が肥厚して、やや平たくイカツイ形態をしていました。たとえば海水中のカルシウムの濃度が、サンゴ礁の近くの方が高く、貝殻の成長が促進されるためでしょうか?
日本産とオーストラリア産で形がちがうように見えましたので、殻のサイズを計測したところ、貝殻の大きさや、殻高さ/殻直径 の比率の値は、両者で差があるとは言えない結果でした。
さて、先週見つけたマルフトコロガイ (K3) ですが、フトコロガイはありきたりの貝殻なので拾わないことが多く、摩耗したフトコロガイ (K2) と思って、見逃すことがあるかもしれません。
左) 摩耗したフトコロ貝 右) マルフトコロ貝
マルフトコロガイは、殻口の内外両側に赤紫色の歯が並んでいます。殻の表面は、黄褐色(橙褐色)の縞模様があります。螺塔は新鮮な貝の写真を見ると、先端がとがっていて、殻全体はなんとなく東南アジアの寺院や仏頭を思わせるようなエキゾチックな形です。
Euplica turturina:
貝の標本の番号は、図鑑(1) の掲載図の番号で、2923 は Plate29 の 23番の貝です。
マルフトコロガイは、図鑑(2) に掲載されていましたので、14309 は、p.143 の 9番目の貝です。
(1) 標準原色図鑑全集 第3巻 『貝』, 波部忠重・小菅貞男,1967, 保育社
(2) 世界文化生物大図鑑 『貝類』 2004, 世界文化社
|
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
2018年07月28日
全1ページ
[1]
全1ページ
[1]



