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ビンラーディン容疑者殺害 公安・警察当局、報復テロ警戒
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20110503115.html
2011年5月3日(火)08:00
■「日本人も油断できない」
「9・11」から10年の節目を迎える今年、飛び込んできた国際テロ組織アルカーイダの指導者、ウサマ・ビンラーディン容疑者殺害のニュース。あの日肉親を失った遺族らは「彼が死んでも息子は帰らない」「裁判で動機が知りたかった」。複雑な思いが交錯した。警察当局は報復テロに備えるため、重要施設の警備強化など警戒を強めた。
ウサマ・ビンラーディン容疑者の殺害が明らかになったのを受け、警察庁は2日、報復テロなどに備える警備対策室を設置。警視庁や各道府県警本部に米国大使館など関係国の施設、日本政府関連施設などの警備を強化するよう指示した。
「日本人も無関係だと油断はできない」
公安関係者はこう指摘する。イラク戦争開戦から7カ月後の2003(平成15)年10月、ビンラーディン容疑者とみられる人物がカタールの衛星テレビ局アルジャジーラを通じ「イラク占領に関与しているすべての国に対し、報復する権利がある」と主張し、日本を名指しで“警告”した。
翌04年5月にもビンラーディン容疑者の肉声とされる録音テープがインターネットのサイトで流され、日本人殺害に「金500グラム」(約70万円相当)の報奨金をかけているとした。
こうした発言は過激なイスラム教徒に「ファトワ(宗教令)」と受け取られ現在も有効であるという。
国内には国際テロ組織アルカーイダが活動した痕跡もみられる。平成16年にはドイツで逮捕されたアルカーイダの傘下組織幹部が14年7月からの約1年間、国内に出入りしていたことが発覚し、事件化している。
警視庁幹部は「ビンラーディン容疑者が死んでも、アルカーイダがなくなり、テロがなくなるわけではない。報復を理由としてテロが過激化する恐れもある」と表情を引き締める。
警察当局は、アルカーイダと直接関係はなくとも影響を受けた団体などがテロを起こす可能性もあるとみている。主に米国や、アフガニスタンとイラクでの戦争で協力した国々の大使館などが標的にならないかが懸念される。
国際テロ情勢に詳しい公共政策調査会の板橋功第1研究室長は「他国で起きたテロでも日本人が被害に遭わないとは限らない」と警鐘を鳴らす。
米中枢同時テロ後の14年10月、警視庁は公安部に国際テロを専門に捜査する外事3課を新設し対策を強化してきた。だが、同課が作成に関わったとみられる内部資料がインターネット上に流出する事件が発生し、流出元がいまだに判明しないなど混乱が続いている。
◇
□「9・11」邦人犠牲者遺族 悲しみ深く、思い複雑
■「息子は帰らない」「動機知りたかった」
ビンラーディン容疑者殺害の一報は、倒壊したニューヨークの世界貿易センタービルで犠牲になった邦人遺族の元へも届いた。
「彼が死んでも息子が帰ってくるわけではなく、手をたたいて喜ぶようなことでもない。悲しみは変わらず続くだけです」
世界貿易センタービルに入居していた西日本銀行(現・西日本シティ銀行)の支店で勤務中に犠牲になった穴井一弘さん=当時(42)=の父、延幸さん(80)=福岡市博多区=は、一報を受けても言葉少なだった。
ビルに居合わせ犠牲となった別の男性銀行員の母親(68)も「かたきを討ったという気持ちはまったくわいてこない。『ああそうなの』という感想しかない」と淡々と話した。
あれから10年がたとうとしているのに、息子の遺体さえ見つからない。夫と毎日のように息子の記憶をぽつりぽつりと話している。知人からの「仏壇へ焼香したい」との申し出は断ってきた。「仏壇に息子がいるとは思えない」からだ。
母親は「明日にも戻ってくるかもしれない。周りからは『いつまでもそんなことではだめだ』と言われるが、親としてそう思い続けたい」とし、こう続けた。
「容疑者1人を殺しても指導者は代わり、報復が激化するかもしれない。まだテロは終わらないのではないか」
世界貿易センタービルで旧富士銀行(現みずほフィナンシャルグループ)の支店に勤務していた長男の杉山陽一さん=当時(34)=を亡くした住山一貞さん(73)は「本当は拘束して裁判にかけてほしかった。貴重な証人が失われた」と話す。
現地での追悼式典に何度も出席し、遺族向けのホームページを立ち上げて情報発信してきた住山さん。「なぜ、あんなことをしたのか。その動機やテロを起こした経緯を、容疑者自身の口から聞きたかった」という。
「殺害されたことで、かえってテログループに偶像化されてしまうのではないか」。住山さんの懸念は消えない。
■「緊張感増す」江田法相
江田五月法相は2日の閣議後会見でウサマ・ビンラーディン容疑者殺害について「これでテロとの戦いが終わったわけでなく当分の間は緊張感は増すだろう。不測の事態のないよう対応していきたい」と述べた。
法相は「今回新たな指示は出していないが、(所管する)公安調査庁は異常の事態があれば目を光らせているし、入国管理局は以前から警戒を怠らずにやってきている」と強調した。
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