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びわ湖ローカルエネルギー研究会
地域エネルギーとネットワーク

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米国は州等の地方政府レベルで地域独自のCO2削減プログラムを策定(上)より続く
http://blogs.yahoo.co.jp/hose_solar/26947060.html

転載


州レベルで地域独自のCO2削減プログラムを策定

 さらに、米国では州レベルでも、地域独自のCO2削減プログラム策定が進んでいる。先導するのが2009年にスタートしたRGGI(Regional Greenhouse Gas Initiative=地域温室効果ガス・イニシアチブ)だ。大規模発電所を対象とした地域版のキャップ・アンド・トレード方式の排出量取引制度を実施する。ニューヨーク州など北東部10州が参加している。

 2003年に、ニューヨーク州のジョージ・パタキ知事が、地域から地球温暖化問題に取り組もうと、北東部の州に向けて書簡を送ったのがRGGIの始まり。その後、市場をベースとした柔軟なアプローチで発電所のCO2排出を抑制し、同時に発電所のエネルギー効率向上、エネルギー自給を推進する協定へと成長した。

 同様に、2012年からの制度導入を目指すWCI(Western Climate Initiative=西部気候イニシアチブ)、MGGA(Midwestern Greenhouse Gas Reduction Accord=中西部地域GHG削減協定)も動き始めている。RGGIも含めた3つの制度には既に米国の半分以上の州が参画している。

 米国の州や市の、環境意識の高さを示す出来事がある。2004年、米国の8州とニューヨーク市がCO2の大量排出者である電力会社トップ5社を連邦裁判所に訴えたのだ。損害賠償を請求したのではない。5つの電力会社に「CO2を減らせ」という裁判所命令を出してほしいという訴訟を起こしたのである。行政が私企業をこうしたかたちで訴えるのは初めてのことだ。

 その時、原告となった州や市が主張したのは、「州や市の当局者の責任は、州民、市民の生命、財産、健康、経済、自然、そして子供の将来を守ることである。我々は、その責任を果たすための権限を持っている。電力会社の石炭火力発電所から出るCO2は、温暖化を引き起こし、州民、市民の生命、財産、健康、経済、自然、子供の将来にとって大きな脅威になっている。だから我々は、我々が持つ責任と権限から、その脅威の原因を取り除くためにこういう行動をとった」ということだった。素晴らしい考え方、行動だ。日本の地方自治体もぜひ、これぐらいの責任感と気概を持って温暖化対策に取り組んでほしいものである。

連邦政府がカリフォルニア州の動きに追随

 最近は連邦政府が、先行する州や市の環境政策に追随しようという動きも出てきている。

 カリフォルニア州はアーノルド・シュワルツェネッガー知事の下、自動車の排気ガス中のCO2を大気汚染物質とみなし、規制しようという独自の温暖化対策を打ち立てた。自動車メーカーに対し、2016年までにCO2排出量の3割削減を求める内容だ。もともとは2002年に米国環境保護局(EPA)に提出した計画だったが、ブッシュ政権下のEPAはカリフォルニア州独自の自動車排ガス規制を認めなかった。だが、オバマ大統領は就任直後の2009年1月、「連邦政府は温室効果ガスを削減するために州政府とともに取り組まなければいけない」と述べ、規制の許可に向けた検討をEPAに指示した。

 さらに、米政府は全米で最も厳しく、世界レベルでみても最も厳しい排気ガス規制を持つカリフォルニア州の動きに追随した。今年4月、2012年から販売する乗用車と小型トラックに適用する新しい燃費基準を発表。2016年までに、1台当たりの平均燃費を現在の25マイル/ガロン(約10.6km/L)から35.5マイル/ガロン(約15.1km/L)に引き上げることを自動車メーカーに求める内容を盛り込んだ。この排気ガス規制は燃費改善のかたちをとっているが、実態はCO2排出量の抑制が狙いである。実際にこの燃費が実現すると、CO2が30%削減されることになるのである。

 この燃費規制には続編が出てきた。去る10月1日、EPAと運輸省は、先の決定に続く規制強化の素案を発表した。報道によれば、2017〜2025年の間に、最高62マイル/ガロン(26km/L)に燃費基準を再度引き上げるというのである。

 このように、「温暖化に熱心でない」とみられている米国でも、州や市のレベルでは、低炭素社会実現に向けたさまざまな取り組みが進んでいる。そして、連邦政府もそれに負けじと、自らの権限の範囲で積極的な行動をとり始めているのである。

 言うまでもなく、低炭素社会の構築は、国レベルの政策や制度でしか実現しないものではない。むしろ、生活の現場、ビジネスの現場、消費の現場を持つ都市こそが、真っ先に問題に気付き、自分たちの責任で、そこに住む市民たちの生活や産業をどう守るかを考え、知恵を絞り、生み出していくものである。温暖化が進み、気候変動がもたらす被害に苦しむのは結局、市民である。とすれば、市民も早く温暖化の危険に気付き、被害への対策に参加することが求められるのである。かつてそうであったように、こんな問題は国や市、つまりは、お上がやることであり、我々市民の知ったところではないといった対応はもう許されないのである。市民は自分たちの住む街をどうしたらいち早く、グリーンで自然災害に強い街にできるのか、そのことをもっと考える必要がある。都市が動けば間違いなく国も動かざるを得なくなる。米国の例を見るまでもない。

 世界の都市は、そこに住む市民の日常生活に直結する問題として、現実味をもって低炭素化に取り組んでいる。日本の都市、日本の市民にも、「自分たちの街」のあり方を再考しながら、自分たちの手で低炭素社会を構築していく気持ちが必要だと思う。

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