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COP19で日本、集中砲火 空気読まぬ提案に批判
編集委員 滝 順一 (1/3ページ)
日本経済新聞 2013/11/21 7:00
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO62866950Q3A121C1000000/

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 ポーランド・ワルシャワで国連の気候変動枠組み条約の第19回締約国会議(COP19)が11日から開かれている。日本政府が15日に決めた温暖化ガス削減の新目標は、会議の流れに少なからず影響を与えた。従来1990年に比べて2020年に25%温暖化ガスを減らすとしていたが、これを約3%増やす方向に転換した。ただ現地取材を踏まえると、日本の新目標への評価を一言で表現すれば「日本は空気が読めていない」に尽きる。政府の「攻めの地球温暖化外交戦略」は逆風の船出になった。


■世界の動きに逆行、目標をマイナスからプラスへ

石炭会議が開かれたポーランド経済省ビルで抗議する環境団体
 国連交渉の目的のひとつは、2020年までの世界の温暖化ガス削減量をもっと積み増せないかという点にある。そこに逆に約3%増えるとした日本の発表は議論の流れに逆らうものだった。しかもスーパー台風がフィリピンを襲い、同国の代表が涙ながらの演説をした直後だけに心象は悪い。

 気象災害による損失に対し、地球温暖化の原因をつくった先進国には責任があり、被災国に補償すべきだと主張する途上国。彼らからみれば、先進国側に圧力をかける格好の材料を日本が提供したといえる。資金負担を避けたい先進国側からみれば、日本は途上国に対峙する隊列を乱したということにもなろう。

 途上国だけでなく、欧州連合(EU)と英国がすぐさま日本の決定を批判する声明を出した。欧州委員会のヘデゴー委員は日本の姿勢について「(原発事故後の日本の国内事情を考慮しても)大きすぎる変化」と記者会見で述べた。

 日本が国連の気候変動交渉に衝撃を与えたのは、これで2回目だ。3年前にメキシコ・カンクンで開いた第16回締約国会議(COP16)で、日本代表団は京都議定書の第2約束期間(13年以降)において義務的な削減目標を一切約束しないと強い表現で表明した。この拒絶声明に続く形で、ロシアやニュージーランドも義務的な削減を拒み、京都議定書の実効性が急速に減じた。今回のEUなどの日本批判の背景には、またも日本の「追随者」が現れることを案じた結果かもしれない。

 COP16とCOP19のどちらの場合も、日本の態度表明は国内事情からだ。京都議定書のケースでは日本が欧州に比べて大きな削減義務をしょいこんだことに、国内の重厚長大型産業を中心に不満が根強い。経済産業省は早く不参加でケリを付けたいと考えていた。

 今回も原発がいくつ再稼働するか判断できず新目標を出せないとする経産省と、出すべきとする環境省のつばぜり合いの結果、国民にも何の説明もなくただ数値だけが公表された。


■石炭依存のポーランド、お国事情は日本に似る


COP19会場で記者会見する潘基文・国連事務総長(中央)
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COP19会場で記者会見する潘基文・国連事務総長(中央)
 当然、国際社会への説明も配慮を欠いた。数字を固めた政治家や官僚は国内の政治的空気を読んだのかもしれないが、世界の空気は読めていない。

 産業革命以前に比べ、地球の平均気温の上昇幅をセ氏2度未満にとどめることが、世界の温暖化対策の大目標になっている。しかしこれまで世界各国が自主的に提示した削減目標(日本の場合は25%削減)を足し合わせても「2度目標」の達成は難しい情勢だ。

 国連環境計画(UNEP)の最新の試算では、20年までに現行目標より温暖化ガス排出量を年間80億〜120億トンほど多く減らさないと、2度未満には収まりそうにない。不足分をどうやって埋めるかで先進国と途上国がまさにやりあっている。

 マイナス25%からプラス3%へ――。計算の上では20年時点での日本の排出はこれまでの目標に比べ28%増えることになる。日本の総排出量12億6千万トン(90年時点)の28%だと4億トン弱。80億トンを積み増す議論をしているところに、もう4億トンが上乗せになる。これは決して小さい数字とは言えないだろう。

 COP19では、会議の議長国であるポーランドも環境団体などから批判の対象になった。同じワルシャワ市内で並行して「石炭サミット」を開催したからだ。温暖化対策の議長国が二酸化炭素(CO2)を多く出す石炭火力の後押しをするのは何事かと、環境団体のグリーンピースがサミット会場の建物に大きな横断幕を下げて抗議、消防隊に撤去される一幕があった。

 しかし電源の約90%を石炭火力に依存するポーランドにとってはCO2がたくさん出るからと言って、石炭と簡単に手を切ることはできない。成長のためにはコストが安い石炭に今後も依存しなければならない。「石炭火力は可能な限り発電効率を高め低炭素にする」と、COP19の議長を務めるコロレツ環境相は語っている。エネルギー安全保障や経済を考えれば、地球環境のことばかりも言えない事情がある。

 その点は日本も似ている。かつてのように原子力への依存を高められない状況の下、石炭も含め化石燃料の利用に頼らざるを得ない。CO2排出も増える。「まず成長。成長しなければ環境投資に回せる資金も出てこない」と、ある経団連幹部は話す。

 国際交渉は国益追求のため現実的で、時に冷徹でなければいけない。涙の演説や抗議行動など感情に訴える背後にも、自国の利益に配慮するそろばん勘定が常に存在する。それは確かだ。いまは成長が第一で、地球環境問題は二の次にするのもやむを得ないという雰囲気が今の日本社会にある。


 公害を克服し切れていない新興国から日本が環境問題で努力不足だと批判されるのはお門違いだと感ずる人もいるだろう。日本の省エネ技術は世界一で、製鉄所や工場のエネルギー使用効率は秀でているからだ。


■原発ゼロありき、「3%増」のナゼ

 しかしそうした見方を割り引いても、安倍政権の掲げた「攻めの地球温暖化外交戦略」は奇妙だ。

 まず90年比で約3%増(2005年比で3.8%減)という数値の根拠が示されていない。原発事故など複雑な事情があるのは諸外国から推察できたとしても、事情はよく分かったと理解してもらえることにはつながらない。

 なぜ原発ゼロを前提としているのかも不可解だ。標準的な原発を1基動かせば0.3%程度のCO2削減につながるとされる。安全審査を申請済みの14基が全部動けば約4%分、排出を減らせる。

 従って来年になれば90年より排出減の目標が見込める。裏読みすると、来年9月に開く温暖化問題の首脳級会合で安倍晋三首相が目標の引き上げを宣言できると考えた人が霞が関にいたのかもしれない。潘基文・国連事務総長は「首脳会合は国連交渉を補完するものだ」としており、日本はここで挽回のチャンスがある。

 ただ4%程度の削減なら原発再稼働によらずとも、省エネの強化、あるいは再生可能エネルギーの拡大で達成できる可能性がある。「原発ゼロ」を前提とした暫定的な目標提示は「原発再稼働なしには温暖化対策はできない」との選択を国民に迫っているようにも一見とれる。だが現実には原発は、温暖化対策の一手段でしかないことを浮き彫りにしたともいえる。再稼働以外の方法で減らせないのかとの問いへの回答を避けるため、算出根拠を示していないのだとの疑いを招く。

 また「攻めの戦略」は技術革新を大きくクローズアップする。今世紀末に向けてCO2排出を大きく減らすには、既存の技術だけでは足りず、例えば人工光合成など新たなブレークスルーが必要だ。エネルギー技術の革新が要るのは間違いない。だからといってあとは技術が解決すると主張するだけでは、「政治が脱原発を決断すれば、実現への道はだれかが知恵を出すだろう」という元首相の論法と同じ。無責任のそしりを免れない。

 新技術はどんなものでもはじめはコストが高く未成熟だ。放っておいては迅速に普及しない。導入を促す手段としてCO2を出す旧来技術への厳しい規制、化石燃料への課税や排出量取引など経済的な手法が必要とされる。日本が打ち出した戦略は技術が社会へ導入され普及する観点から具体性と実効性を欠く。日本政府が展開する「技術開発必要論」は問題の先送りとしかみえない。

 結局、日本への風当たりの強さはやはり日本の戦略が説得力を欠くためである。加えて日本への期待の反動もあるとみられる。}}}

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