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びわ湖ローカルエネルギー研究会
地域エネルギーとネットワーク

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【コミュニティーソーラーは、日照などの理由で家や建物に太陽光発電システムを設置できない、もしくは設置条件が整っていても太陽光発電システムを設置する十分な資金がない、といった電力消費者に太陽光発電システムの利用を促す仕組みだ。 】...

【米国初のコミュニティーソーラーは、2006年にワシントン州エレンスバーグ市に設置された70.5kWのシステムと言われている。現在、コロラド州やミネソタ州、カリフォルニア州など10州が、法律や規定でコミュニティーソーラーの導入を促進している。 】

【バーモント州の法律では、太陽光発電システムで発電した電力を、従来の電気料金単価に6米セント/kWh上乗せして、電力会社が購入すると定めている。】

【日本の電力会社のように株式を上場している民間の電力会社(IOU:Investor-Owned Utilities)、地方自治体が運営する公共団体電力会社(Municipal Utilities)、 地域の利用者が所有する「協同組合」による電力会社(Coop:Rural Electricity Cooperatives)に分かれる。ちなみに20MWのコミュニティーソーラーを運営するアリゾナ州のSRPは、協同組合電力会社である。 】


転載
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http://techon.nikkeibp.co.jp/counter/cnt.gif?op=/MediaCensus/NE/&d=14273921012704

電力会社が運営するコミュニティーソーラー、カリフォルニア州も推進へ

Junko Movellan=ジャーナリスト
2015/03/27 00:00

コミュニティーソーラーの累計設置数(青い点)と累計設置容量(緑の棒)(出典:NREL)

バーモント州ノーススプリング地域に設置された150kWのコミュニティーソーラー(出典:Soveren Solaris社)

アリゾナ州フロレンスのCopper Crossing Solar Ranch(出典:SRP社)
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 米国では「コミュニティーソーラー」が、開発業者や投資家から注目を集めている。コミュニティーソーラーは、日照などの理由で家や建物に太陽光発電システムを設置できない、もしくは設置条件が整っていても太陽光発電システムを設置する十分な資金がない、といった電力消費者に太陽光発電システムの利用を促す仕組みだ。

 自宅の屋根や敷地内ではなく、地域社会(コミュニティー)内やその近くに設置された太陽光発電システム(コミュニティーソーラー)の一部を購入する。コミュニティーソーラーで発電した電力は、あたかも自宅に太陽光発電システムが設置されているかのように、電力会社に売ることができる。その電力によって、毎月の電気料金の支払額を削減する。

 開発業者にとっては、太陽光発電システムの設置が困難だった電力消費者の開拓が可能になるというわけだ。

2006年に初の事例

 米国初のコミュニティーソーラーは、2006年にワシントン州エレンスバーグ市に設置された70.5kWのシステムと言われている。現在、コロラド州やミネソタ州、カリフォルニア州など10州が、法律や規定でコミュニティーソーラーの導入を促進している。

 米NREL(National Renewable Energy Laboratory)の発表したレポート「Status and Trends in the U.S. Voluntary Green Power Market(米国での自発的グリーンパワー市場の現状とトレンド)」によると、2014年9月時点で全米に合計40MWの64のコミュニティーソーラーが存在する。2014年9月時点で未完成の建設中のプロジェクトは60MW近くになるという。

 コミュニティーソーラーの運営は、電力会社や地域のNPO法人、開発業者、電力会社と他の機関との共同で実施する場合が多い。米国の多くの電力会社が加盟しているSEPA(Solar Electric Power Association:米国太陽発電電力協会)の加盟企業への調査によると、現存する87%のコミュニティーソーラーは、電力会社が運営しているという。

20.7米セント/kWhで10年間販売

 バーモント州は、法律でコミュニティーソーラーの導入を数年前から促している。バーモント州に拠点を持つ開発業者の米Soveren Solar社は、同州の5カ所に中規模のコミュニティーソーラーを建設中である。2014年春には、ノーススプリング地域に150kWのシステムを含む、合計6つのシステムを完成させた。このコミュニティーソーラーを購入できるのは、この地域をサービスエリアに持つ電力会社の米Green Mountain Power(GMP)社から電力を購入する消費者である。
 
 プログラム参加者はSoveren Solar社から、太陽電池モジュールを250W単位で4米ドル/Wで購入する。購入したモジュールで発電した電力は、参加者の電力消費量から差し引き、差額をGMP社に支払う。ちなみに、システム1kW当たりの年間発電量は約1300kWhになるという。

 バーモント州の法律では、太陽光発電システムで発電した電力を、従来の電気料金単価に6米セント/kWh上乗せして、電力会社が購入すると定めている。Soveren Solar社の社長のPeter Thurrell氏によると、「コミュニティーソーラー参加者はGMP社から14.7米セント/kWhで電力を購入し、20.7米セント/kWhで電力を10年間販売できる」という。

 ちなみにプログラム参加者は、事実上システムの一部の「所有者」になるため、連邦政府のITC(投資税控除)制度を活用する事ができる。この制度は、太陽光発電システム購入者が、購入価格の30%を税額控除できる制度である。つまり、プログラム参加者が4米ドル/Wのシステム購入単価を支払う場合、投資税控除後の単価は2.8米ドル/Wになる。

 バーモント州では、自宅の年間電力消費量の100%まで、コミュニティーソーラーを購入できる。Soveren Solar社によると、太陽電池モジュール1kW当たり、年間約250米ドル相当の電力を発電する。年間1500米ドルの電気料金を支払う電力消費者であれば、6kWのモジュールを購入すれば、年間の電気消費量をゼロにできる。このノーススプリング地域の150kWのプログラムには、住宅用と商業用を合わせて31の電力消費者が参加している。

1kW当たり年間2700kWhを発電

 アリゾナ州の電力会社の米Salt River Project(SRP)社は、同州フロレンスにおいて20MWのコミュニティーソーラー「Copper Crossing Solar Ranch」の運営を、2011年に開始した。6万4000枚の太陽電池モジュールで構成するシステムは、スペインの開発業者であるIberdrola Renewables社が設置した。

 SRP社の電力消費者は、モジュールを1kW単位で、自宅の年間電力消費量の50%まで購入できる。太陽光発電システムは、地上追尾型になっており、日照条件の良さと相まって、1kW当たりの年間発電量が2700kWhと多い。

 アリゾナ州の例がバーモント州の例と違うのは、コミュニティーソーラー参加者の電力の購入先が、電力会社の火力発電所ではなく、太陽光発電所という点である。住宅用の電力消費者は、Copper Crossing Solar Ranchから11.25米セント/kWhで5年間電気を購入する契約を結ぶ。

 この電気料金単価は、通常の電気料金より少し割高になる。電力消費者がプログラムに参加する利点は、自然エネルギーの導入への貢献だけでなく、購入する電気料金の単価を5年固定できる点にある。電力料金の上昇を防ぐことができるのだ。SRP社はコミュニティーソーラーへの参加者を増やすために、2014年5月に電力価格を11.25米セント/kWhから9.9米セント/kWhに引き下げた。

ついにカリフォルニア州も参入

 コミュニティーソーラーの普及には、電力会社の力が欠かせない。ただし電力会社と言っても、日本とは異なる部分が多い。米国には大きく分けて3種類の電力会社がある。日本の電力会社のように株式を上場している民間の電力会社(IOU:Investor-Owned Utilities)、地方自治体が運営する公共団体電力会社(Municipal Utilities)、 地域の利用者が所有する「協同組合」による電力会社(Coop:Rural Electricity Cooperatives)に分かれる。ちなみに20MWのコミュニティーソーラーを運営するアリゾナ州のSRPは、協同組合電力会社である。

 SEPAの調査によると、電力会社主導のコミュニティーソーラーのうちの44%を、地域消費者による協同組合が運営している。次いで、公共団体電力会社の33%、民間電力会社の26%になる。

 しかし、この比率は今後大きく変わることになるだろう。米国太陽光発電市場で最大のカリフォルニア州が、法律でコミュニティーソーラーの導入促進を決めた。2015年1月には、カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC:California Public Utilities Commissions)が、同州の3大電力会社(IOU)に合計600MWのコミュニティーソーラーを導入するよう要求した。

 これらの電力会社は、まず2015年に最低110.5MW分を調達する事になっている。電力会社と開発業者のパートナーシップ型で、開発業者が太陽光発電システムを開発・建設し、電力会社が顧客管理を含む運営を実施する。

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