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びわ湖ローカルエネルギー研究会
地域エネルギーとネットワーク

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日本海新聞2016年5月21日

電力の地産地消 着々実践 「市民共同発電所」

 市民の出資で整備する「市民共同発電所」が鳥取市で増加している。電力の“地産地消”を目指して2014年4月に発足したNPO「市民エネルギーとっとり」(手塚智子代表)が事業主体となり、既に市内2カ所で稼働しており、年内にはさらに2カ所が完成する見通しだ。同団体は「自分たちでエネルギーを作り出せるということを多くの人に実感してほしい」とし、鳥取県内各地で事業の担い手づくりを進める方針だ。
市民の出資で建設した「覚寺おひさま発電所」のソーラーパネルの前で笑顔を見せる手塚代表=鳥取市覚寺
 市民共同発電所の多くは、1口10万〜20万円の個人出資を募り、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの発電所を整備する。地域内で電力を生産、供給するシステムを構築して持続型社会の実現を目指す。売電収入は出資者へ返還するほか、特産品の購入などで地域に還元する。1990年代後半に滋賀県で取り組みが始まり、2011年3月の福島第一原発事故を機に認知度が高まった。

■事業受け継ぐ

 鳥取県内では、市民エネルギーとっとりの協力団体「えねみら・とっとり」が14年3月、鳥取市越路にある牧場の一角に太陽光発電所(出力10・5キロワット)を建設したのが第1号。総事業費548万円のうち225万円は県の補助金を充て、残りは1口10万円の出資と1口3千円の寄付金で賄った。

 同事業を受け継ぐ形で市民エネルギーとっとりは同年、市内4カ所に合計出力約360キロワット(120世帯分の消費電力量に相当)の太陽光発電所を整備するプロジェクトに着手。個人出資のほか、市民ファンドの資金や地元金融機関の融資などと組み合わせ、約1億円の事業費を調達した。

 完成した2カ所のうち「とりちく若葉台発電所」(同45キロワット)は県畜産農業協同組合の協力を得て、同市若葉台7丁目にある組合施設屋根に太陽光パネルを設置。最大規模の「覚寺おひさま発電所」(同218キロワット)は、同市覚寺の県警官舎跡地に整備した。いずれも今年1〜3月に稼働開始した。

 残り2カ所は、県有施設の屋根貸し事業として同市の鳥取湖陵高、県立公文書館に整備する予定で、出力はいずれも49・5キロワット。県環境立県推進課の担当者は「県民への啓発も進み、市民エネルギー社会構築の一助になる」と市民共同発電所の取り組みを歓迎する。

■選択肢を提案

 手塚代表(44)は「ただ原発に反対するだけではなく、それに変わるエネルギーの選択肢を提案し、実践することが大切」と強調。そして「自然豊かな鳥取なら小水力やバイオマスなどの市民共同発電所も可能だ。地域の担い手が立ち上げる事業をサポートして県内での取り組みを広げたい」と意気込む。(中村宏)

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