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びわ湖ローカルエネルギー研究会
地域エネルギーとネットワーク

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揚水発電、太陽光ムダなく 九州電力・小丸川発電所
メードイン九州・沖縄
2017/9/26 6:01
情報元
日本経済新聞 電子版

 電力が余った際に、水をくみ上げて発電用の位置エネルギーとしてためておく揚水発電所。九州電力最大の小丸川発電所(宮崎県木城町)の最大出力は120万キロワットに上り、一般的な家庭だと約40万軒分をまかなえる規模だ。夜間の余剰分をためる役割から、太陽光発電で昼間に余るようになった分をためることがメインに。役割が変わるなか、メンテナンスを徹底し安定稼働に努めている。

山上の「上ダム」からの600メートル以上の高低差を生かす
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山上の「上ダム」からの600メートル以上の高低差を生かす

 「落差600メートル以上の水路から水が流れ込みすごい圧力で水車を回します」。地下400メートルに据え付けられた発電と揚水に使う水車の前で、水力センターの土持久幸・揚水工事グループ長は胸を張る。発電の際は水で水車を回し、電力余剰時は発電機を逆回転させ水をくみ上げる。

 山上の「上ダム」と呼ばれる貯水池は周囲約2キロメートル、容量は620万立方メートルでヤフオクドーム3.5杯分。水路は約2.8キロメートルで、水車手前の弁を開けば約2.5分と短時間で最大出力に達する。この素早さで「需要変動に即座に対応できるのが強み」(土持グループ長)だ。他の発電所のトラブルにも素早く対応し、供給不足を補う。

水車はいくつものセンサーで稼働状況をチェックしている。
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水車はいくつものセンサーで稼働状況をチェックしている。
 揚水発電所はもともと、原子力や地熱といった昼夜問わず出力が一定の発電所の夜間電力分をため、需要が多い昼間に発電してきた。だが近年、九州で太陽光発電所が増え、太陽光の出力が増える昼間に電力量が余るように。昼間の余剰時にためて夜間に使うため、昼間の揚水が増えた。

 2016年の昼間の揚水回数は495回と夜間(302回)の1.5倍以上に、昼間の揚水回数は3年で約8倍に増えた。それだけ長い稼働が必要になっており、メンテナンス期間もなるべく短縮している。現在、4基ある発電機の1基がメンテナンス中だが、期間は6.5カ月と以前から1.5カ月短縮する計画だ。

 稼働率の引き上げに尽力するのは、揚水発電所で余剰電力を活用できなければ太陽光による電力が無駄になるから。太陽光発電所の出力は制限できるようになっているが、電力の需給バランスが崩れれば停電にもつながりかねない。再生可能エネルギーを最大限活用したいとの思いで、日々の運転を続けている。


 「水車の羽根と水の入り口部分が摩耗する」。土持久幸グループ長は、保守点検で気づいたことをそう指摘する。600メートル以上の落差の水の勢いで部品が傷む。消耗対策は欠かせない。

 水車につながる回転部分は長さが12メートルほどで、重さは380トンにもなる。一方で、固定部分と回転部分の隙間はわずか12ミリメートルほど。繊細なメンテナンス作業が細心の注意のもとで進められている。(川名如広)

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