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欧州の再エネは「当日市場」へ、経産省再エネ研究会・第2回

システムの柔軟性、市場の透明性、調整力への対価がカギに
  • 加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテック研究所
  • 2017/06/09 14:49
系統制御の役割は国ごとに異なる
(出所:経済産業省)

 経済産業省は6月8日、「再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会」の第2回となる会合を開催した(関連記事)。

 今回は、再エネの大量導入で先行した欧州の現状や、日本にとって参考になる事例などが紹介された。日本エネルギー経済研究所の小笠原潤一総括研究主幹と、京都大学 国際高等教育院の長山浩章教授が解説した。

 小笠原総括研究主幹は、「欧州における再生可能エネルギー発電導入拡大に伴う動き」と題して事例を紹介した。

 欧州では、国ごとの電源構成の違いが大きい。消費電力に占める再エネ比率が高い順に、デンマークの51.8%、ポルトガルの31.8%、ドイツの29.5%などから、0%の国も複数ある。地域としての電源の多様性が、結果的に広域の調整力の幅や柔軟性につながっていると分析している。

 国際連系線の敷設や活用では、欧州は陸続きであることもあり、日本と違ってそれぞれの国が周辺国と複数点で連系し、単独の系統となるリスクが小さい。

 ただし、特定の国において、送電線の混雑を十分に解消できない場合、ループフロー(迂回潮流)のような問題が長期間生じるリスクがある。

 ループフローとは、近隣国に送電する際に、送電線の制約によって一部を直接、対象国に送電できず、他の隣国を迂回することを指す。この際に、再エネの出力変動などを吸収しきれていないと、迂回先の隣国の電力網の運用に悪影響を及ぼすことがある。

 特に、ドイツを起因とするループフロー問題が、2000年代半ばから続いている。この問題を解消する必要性が高いこともあって、欧州における2022年までの中期的な系統増強計画では、ドイツ南部で重点的に増強する予定となっている。

 欧州では、こうした国際間連系で先行している中、国の規模が多様なこともあって、系統制御の役割は、国や送電会社によって異なっている。こうした状況を生かしながら、協調的に運用することを目指している。

 電力取引市場の広域化も進んでいる。前日スポット市場は、段階的に統合が進み、2011年までに南欧・中西欧・北欧の市場が結合、2014年にイタリアまで広がった。現在は、東欧への拡大に向けた準備が進んでいる。市場の広域化は、地域ごとの価格差の縮小といった効果も生んでいるという。

 調整力市場であるバランシング市場についても、統合することが検討されている。各国で時間の区分単位などが異なるため、その調整が必要となるが、これは15分間単位で統一した。

 日本と欧州で大きく異なる点として、欧州では、送電会社と配電会社が別である国が多いだけでなく、複数の配電会社のある国が多いことを挙げた。ドイツには800社以上、フランスには約150社、スぺインには300社以上の配電会社がある。

 中でも、ドイツでは、中電圧を管轄する地域配電会社、低電圧を管轄する地方配電会社などと、複層構造になっていることが多い。このため、送電系統運用者と配電系統運用者、配電系統運用者間で協調的に運用されている。

 再エネ発電電力は、こうした中電圧や低電圧で連系することが多い。このため、配電系統からの再エネ電力の逆潮の管理も、送電会社の重要な業務となっている。
 再エネ電力の接続費用(系統増強費を含む)の考え方は、国ごとに異なっている。負担がある程度、定式化されている国のほか、実費に基づく国もある。出力抑制の手法も国によって違う。

 ドイツにおける再エネ電力の出力抑制の実績も紹介した。2014年、2015年に出力抑制が急増した。北部にある風力発電所の発電量が、送電容量を超えたためである。今後、送電設備が増強されることから、北部の風力発電所に対する出力抑制は減る見込みという。

ドイツの「再エネ100%時」、下げ代に着目

ドイツで再エネ100%を達成した日
(出所:経済産業省)

ドイツにおける二次・三次予備力の運用
(出所:経済産業省)

英国における風力発電の出力抑制
(出所:経済産業省)


 また、ドイツでは、2017年4月30日15時ころ、電力消費に占める再エネ発電電力の割合が100%に達した。発電量の超過分となる1000万kW以上は、純輸出となった。
 この時間帯の火力発電電力は、全電源の発電量の約13%だった。ここまで比率を落としたことで、再エネの出力の急減を想定した「下げ代」の確保が課題となったようだ。

 ドイツでは二次・三次予備力を、上げ方向・下げ方向に分けて調達・運用している。過去の実績を基に調達容量を算定しているとされるものの、下げ代予備力を最大に使った時間でも、66.6%の使用率にとどまっており、実際にはそれほど使われていない。

 一方、英国では、風力発電の出力抑制時の対価が、他の電源に比べて高価となっている。送電系統運用者にとって、系統の安定運用の範囲内で出力抑制を最小化するインセンティブとなっている。

 また、英国では、系統の増強を待たずに連系することを認める「コネクト&マネージ」という手法が導入されている。連系後の発電実績を基に、送電会社が系統を増強する。このため、系統の増強が終わるまでは、出力抑制を受ける可能性が高くなる。

英国が立ち上げた蓄電池による需給調整市場

ドイツにおける逆潮流の拡大
(出所:経済産業省)

英国における蓄電池の充放電サービス市場
(出所:経済産業省)

落札外の事業者も卸などの市場に参入
(出所:経済産業省)

 次に、京都大学の長山教授は、「再生可能エネルギー急増に伴う欧州の対応と日本への教訓」と題して事例を紹介した。

 欧州では太陽光や風力の発電電力によって、電力卸市場全体の価格低下が進んでいる一方、再エネ電力の上位系統への逆潮流に伴う課題が大きくなってきている。送電網から配電網への通常の送電 (Vertical load)を上回る逆潮流が生じている場合も出てきている。

 英国では、風力発電の増加によって、周波数変動許容範囲(50Hz±0.2Hz)の維持が難しくなっていく見通しである。他の欧州のような大陸系統と比べて、需要の規模が小さいため、再エネ電力による周波数変動の影響を受けやすいためだ。

 この課題の解消には、国際連系線の整備が有効で、複数のプロジェクトが計画されている。また、既設の電力容量市場を活用できるが、翌日受け取り分などに限られ、短周期変動への対応策とはなっていない。

 そこで、2016年8月に、蓄電池による充放電を対象としたEnhanced Frequency Response(EFR)市場が開札された。ナショナルグリッドによる指令から1秒以内に応答し、上げと下げで15分間の充放電を継続する需給調整サービスが対象となる。

 これに対して、37事業者・64サイトの243プログラム・合計出力1684MWの応札があり、8プログラム・合計出力200MWが落札した。平均落札価格は 9.44英ポンド/MWh(約1.27円/kWh)という低い落札価格となった。

 こうして蓄電池を使った事業やサービスの機会を生み出した。透明性がある市場で、新規参入者にとって参入しやすい市場と評価している。
 さらに、落札できなかった蓄電池業者も含めて、英国の卸市場などに続々と流入する効果も生まれている。英国では、容量市場でも合計出力500MWの蓄電池が入札されている。

 アイルランドは、北海道と同じような面積・人口・発電量の島国にもかかわらず、再エネを大量に導入できている。この理由は、同国ではガス火力発電による調整力で支えているためで、卸価格が英国から輸入するガス価格に連動することにつながっている。

 アイルランドでは、風力発電を大量に導入している。慣性応答や短周期変動への対応が課題となっている。島内の英国側の北アイルランドには、米AES社の出力100MWの蓄電池が導入され、その対策として使われている。

 また、英国と同じように、蓄電池を使った短周期の需給調整サービス市場を立ち上げることが模索されている。

前日市場との価格差が儲けどころ

ドイツNext Kraftwerke社の事業モデル
(出所:経済産業省)

ドイツでは揚水発電も調整力として積極活用
(出所:経済産業省)

 ドイツでは、電力の当日・前日市場ともに、15分単位の取引となったことで、再エネのVPP(仮想発電所)事業者の事業機会が広がっていることを紹介した。

 Next Kraftwerke社の例を挙げた。同社は、需給調整市場における取引と、卸市場における前日や当日の再エネの取引で、売上の50%ずつを上げている。

 卸市場では、より正確な天候予測から、最適なタイミングで売ることが強みという。当日市場では、前日の市場価格よりも大きく上下した時間帯が、大きな儲けどころとなる。

 バイオガス(電気と熱)、固形バイオマス、コージェネ(ガス)、小水力、需要家側制御(DSM)、太陽光・風力、病院や工場などの緊急用電源の電力を、前日市場、当日市場、需給調整市場に投入する。バイオガスを上げ予備力、下げ予備力に使い、柔軟性を提供できる特徴がある。

 ドイツでは、需給調整市場が縮小し、当日市場が大きくなっており、再エネも卸市場で取引されることが多い。取引業者はなるべく正確に気象を予測し、当日市場でできる限り取引することにインセンティブが働くようになった。揚水発電も調整力のある電源として積極的に活用されている。

 ノルウェーなどのスカンジナビア諸国を始めとする北欧諸国の電力市場である、Nord Poolについても紹介した。

 入札の状況や空き容量がタイムリーに公開されていることが成功のポイントとする。

 入札が進行する中で、常に需要・供給のほか、ゾーン間・取引所間の送電容量情報が提供され、市場価格・数量が決まっていく。EUはすでに90%が市場統合されており、同じ時間に一斉に価格が決まる。

 例えば、実需給の前日の14時に、前日市場の取引を反映した、当日市場で利用可能な送電線の容量が公表される。取引はリアルタイムで進行し、取引結果は即座に送電線の残り容量に反映される。

 これらの事例から、柔軟性の高い電力システム、公平で透明な電力取引市場の整備と市場参加者の育成、調整力に対する価値の認識と対価の設定が、日本でも重要になると指摘した。

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太陽光の余剰電力でヒートポンプ湯沸、蓄電池2〜4kWhに相当

東大とJSTが「2018年問題」への対応策として評価
  • 2017/06/09 18:14

 東京大学は6月7日、ヒートポンプ給湯機のデマンドレスポンス(DR:需要応答)の効果を評価し、その結果を発表した。それによると、家庭用太陽光とヒートポンプ給湯機を最適に運用することで、2〜4kWhの蓄電池に相当する効果があることを確認した。

 今回の評価事業は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業の一環で、家庭用太陽光の固定価格買取制度(FIT)の終了に伴い買取単価が大幅下落する「2019年問題」への対応手法の1つとして想定した。

 2012年に開始されたFIT制度では、家庭用太陽光発電システムには48円/kWhの買取価格が適用されていた。一方、2019年に買取期間が終了する対象は1992年7月〜2009年10月設置分の120万kWといわれており、その後毎年10〜20万件程度が買取期間が終了する見通し。それに伴い、買取価格は5〜10円程度に大幅下落する見通しで、この対応として太陽光発電の自家消費ニーズが拡大するとみられる。

 研究グループは今回、家庭におけるDR効果を定量的に評価するため、ヒートポンプ給湯機と蓄電池の最適運用モデルを構築した。同モデルは、太陽光発電と給湯機(蓄電池)を保有する世帯で、24時間先までの料金を最小化する。過去需要・発電量、気象予測から前日夜23時に翌日の給湯重要、電力需要、家庭用太陽光発電を予測し、それに基づいて給湯機と蓄電池の運転計画を作成し、当日は計画と実需要に基づいて運転する。

 今回、導入電力は旧一般電気事業者のオール電化向け新料金(昼間32円kWh、夜間16円/kWh)、家庭用太陽光発電余剰買取価格は10円/kWhと想定した。最適運用の場合、晴れた日には湯沸かし運転が余剰電力で行われ、ベースケースの電気料金の7%に相当する平均5786円/年のコストメリットが生じる。また、最適化を行わず、翌日の予測家庭用太陽光発電量が基準値以上の場合「晴れ」と判断し、10時に湯沸かし運転を開始し、それ以外は従来通り夜間運転という簡易な手法でも、平均コストメリットは5338円/年で、最適運用に近い効果が得られた。

 一方、蓄電池の価格を2020年目標値の9万円/kWhに想定し、単純償却年数を検討した。家庭用太陽光発電保有世帯が2〜10kWhの蓄電池を導入することで余剰発電を貯蔵し、夕方以降に放電することで、1万〜3万2000円/年のコストメリットが生じるが、蓄電池容量が大きくなるにつれてコストメリットが飽和する。蓄電池容量が小さいほど償却年数が短くなるが、最も短いものでも電池の公称寿命である10〜15年では電池のコストを回収できない結果となった。

 ヒートポンプ給湯機の最適運転と蓄電池の導入による正味の電力消費量(買電量―売電量)と太陽光の自家消費率(自家消費量/発電量)の変化を比べると、蓄電池の場合は充放電によるロス(それぞれ90%)が発生するため、正味の電力消費量は電池がないベースケースに比べて大きくなる。一方、ヒートポンプ給湯機の最適運転では、省エネになるため正味の電力消費量が8%減少する。さらに、最適運転によって太陽光の自家消費率はベースケースの32%から45%に増加する。これは、2〜4kWhの蓄電池導入の効果に相当すると確認した。

 今後は、実フィールドで実機に導入できるヒートポンプ給湯機の運転方法など、より現実的な家庭用太陽光の自家消費量を拡大する効果の評価を検討する。また、長期的には、再生可能エネルギーを大量導入したときの電力系統全体の柔軟性向上にもヒートポンプ給湯機を活用し、その貢献について全国的に評価していく予定。




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2017-06-09 00:00:00 更新

「再生可能エネルギー関連技術実証研究支援事業」に採択され、 “ブロックチェーンを活用した電力取引” 実証実験を福島県で開始

「再生可能エネルギー関連技術実証研究支援事業」に採択され、 “ブロックチェーンを活用した電力取引” 実証実験を福島県で開始

2017年06月09日

株式会社会津ラボ
株式会社エナリス

〜 ブロックチェーンの有効性などを検証 〜

エネルギー・マネージメントシステム(EMS)開発に取組む株式会社会津ラボ(本社:福島県会津若松市、代表取締役社長:久田雅之、以下、会津ラボ)と、エネルギー事業を展開する株式会社エナリス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林昌宏、以下、エナリス)は、「ブロックチェーンを活用した電力取引サービス」の共同検証を進めています。

この度、福島県が実施する「再生可能エネルギー関連技術実証研究支援事業」に採択され、両社はブロックチェーンを活用した電力取引等の実証事業を、福島県内で実施することとしましたので、お知らせいたします。

「再生可能エネルギー関連技術実証研究支援事業」は、福島県が、県内の民間企業等を対象に、東日本大震災後に新たに研究開発を進めてきた再生可能エネルギー関連技術について、その事業化・実用化のための実証研究事業を支援する取組みです。経済産業省・資源エネルギー庁が主導する「福島新エネ社会構想」においても、国、県、関連企業が官民一体となって、エネルギー分野からの福島の復興の後押しを一層強化し、福島から次世代エネルギー社会のモデルを創出することが期待されています。

今般の共同実証事業では、福島県内の一般家庭に協力をいただき、コンセント型スマートメーター「スマートタップ」を配付・設置します。各家庭の電力データを分散型台帳技術ブロックチェーン基盤「いろは」(※1)に記録してモニタリングを行います。その状況下で、模擬の節電要請を行い、各家庭の家電を遠隔操作することによって電力抑制・遮断するテストを実施します。電力需給が逼迫する中で、家電を制御することにより起こる事象や、分散台帳の整合性確認に要する時間が電力取引に与える影響など、ブロックチェーンの有効性を実証します。

さらに、電力データを活用した「見守りサービス」などの安全で快適なくらしをサポートするサービスも提供し、サービスの利用開始に必要となる契約など一連の手続きをブロックチェーン上で行うしくみも検証します。
なお、本実証事業には、公立大学法人会津大学(所在地:福島県会津若松市、理事長兼学長:岡嶐一、以下、会津大学)が技術実証アドバイザリーとして参画いたします。

■ブロックチェーンとは

仮想通貨の中核技術として広く知られているブロックチェーンは、二者間の取引を効率的かつ検証可能な方法で記録することができる分散台帳です。これまでの中央管理型のデータベースでは、一つの管理者(中央管理者)が取引情報を集約・管理し、管理者を通して取引が実行されるのに対し、ブロックチェーンは、取引の当事者同士が直接取引情報をやり取りし、その取引情報を複数の台帳(分散台帳)で記録します。

データを一カ所に集めずに、データを分散・共有することで、中央管理者を必要とせず、データ改ざんを防止し、情報システムが止まりにくいという特長をもちます。個人間の速やかで安全な取引を可能にする技術として注目されており、海外では、既に、電力データを「ブロックチェーン」に記録したうえで、電力取引などに活用する試みが始まっています。

■「いろは (※1)」とは

「いろは」は、米IBMの「Fabric」、米Intelの「Sawtooth Lake」に続いて、世界で3番目にHyperledgerプロジェクト(Linux システムの普及に取り組む非営利のコンソーシアムである、Linux Foundationが立ち上げたブロックチェーン技術の普及に向けての共同研究プロジェクト)に受諾された、国産のブロックチェーンのオープンソースソフトウェアです。

■共同実証事業の概要

実施要綱

場 所福島県内 ※福島市、会津若松市、いわき市、郡山市、本宮市、その他沿岸部被災地域(予定)
期 間平成29年6月~平成30年2月末日

システム概要
http://www.jpubb.com/press/image.php?image=800888

節電要請からディマンドリスポンス(DR)(※2)の流れ

(※2)卸市場価格の高騰時または系統信頼性の低下時に、電気料金価格の設定やインセンティブの支払いに応じて電力の使用を抑制するよう、需要家側に電力消費パターンを変化させること

サービス提供イメージ
http://www.jpubb.com/press/image.php?image=800889

スマートタップ(コンセント型スマートメーター)

コンセントに接続した電気機器の消費電力量を計測し、アプリに表示する。会津ラボが開発した「スマートタップ」は、電力データをブロックチェーン上に記録するハードウェアとソフトウェアで構成され、電力需給の逼迫時には、赤外線コントロールやコンセントの電源を切って、電力使用量をコントロールする。

体制と主な役割

会津ラボ
  • 家庭向けスマートタップの設置・管理
  • ブロックチェーンを活用した家庭向けアグリゲーター・システム構築
エナリス
  • ブロックチェーンを活用した上位アグリゲーター・システム構築
  • DRの実施
  • ブロックチェーンと連携した「見守りサービス」などの提供
会津大学
  • 技術実証へのアドバイス

■関連情報

■株式会社会津ラボ

コンピュータ理工学を専門とする国際色豊かな公立大学法人「会津大学」(平成5年4月開学)の第1期生が、平成19年1月に設立。平成24年4月に商号を株式会社会津ラボへ改めました。会津ラボは、「会津大学」の大学発ベンチャー企業として公式認定を受けています。「会津大学」建学の理念”to advance knowledge for humanity”を掲げ、人類の為になる高度な知識と技術を世の中へ創出してまいります。
所在地福島県会津若松市インター西53 2F
代表者代表取締役社長 久田雅之
事業内容
  • iOS/Androidアプリ開発、WEBシステム開発、3DCG・画像・映像制作
  • IoT、EMS、スマート農業、ドローンなど新技術領域における研究開発
  • 観光クラウド「指さしナビ」
資本金2,950万円
設立平成19年1月4日
URLhttp://www.aizulab.com


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2017年05月29日 07時00分 更新

日本とアジアをつなぐ国際送電網(2):自然エネルギーへ移行する欧州、多国間で電力の取引量が拡大 (1/4)


欧州で自然エネルギーの電力が拡大する背景には、国際送電網による多国間の電力取引がある。島国のイギリスやアイルランドを含めて、欧州全体で年間に4500億kWhにのぼる大量の電力が国際送電網で送られている。他国との電力取引が活発なデンマークでは、輸出・輸入率が30〜40%に達する。

2017年05月29日 07時00分 更新
[自然エネルギー財団,スマートジャパン]


 驚くべきことに、欧州の国際送電網の歴史は100年以上も前に始まっている。1915年に北欧のデンマークとスウェーデンの間に国際連系線が建設されたのを皮切りに、1920年にはフランス・スイス・イタリアを結ぶ国際連系線が稼働した。さらに1950〜60年代になるとドイツからポルトガルまで、そして1980年代には海底ケーブルを通じてイギリスまで国際送電網が広がっていく。

 国際送電網の拡大に伴って送電量も増え続け、2015年には欧州全体で約4500億kWh(キロワット時)に達した(図1)。これは日本国内の電力需要(9490億kWh、2015年度)の5割弱に匹敵する膨大な送電量である。特に1990年代に入ってイギリスをはじめ各国で発送電分離(発電・小売事業と送電事業の分離・独立)が進み、国境を越えた広域の電力取引が活発になった。

http://image.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1705/29/asg_figure2.jpg
図1 欧州における国際送電量の推移。TWh:テラワット時(=10億キロワット時)。出典:ENTSO-eの情報をもとに自然エネルギー財団が作成

 加えて風力発電を中心に自然エネルギーの電力が欧州全域で増加したことも、国際送電量を拡大させた。早くから風力発電の導入に取り組んできたデンマークでは、天候による発電出力の変動対策として国際送電網を積極的に活用している。既に他国に向けた電力の輸出率は30%を超え、輸入率は40%近くまで上昇した(図2)。欧州全体で見ても輸出入の比率は10%以上に達している。

http://image.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1705/29/asg_figure1.jpg
図2 世界の主要国・地域の電力輸出率と輸入率(2014年)。出典:国際エネルギー機関(IEA)などの情報をもとに自然エネルギー財団が作成

 実際に各国間の電力の潮流を見れば、国境を越えて電力の輸出入が活発に行われている状況が分かる。欧州の国際送電網は地域別に4つの大きなネットワーク(欧州大陸系統、北欧系統、イギリス系統、バルト系統)で構成する。さらに各地域のネットワークを直流送電方式で非同期に接続して、遠く離れた国の間でも広域の電力取引を可能にしている(図3)。

http://image.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1705/29/asg_figure5.jpg
図3 欧州各国間の電力潮流状況(2015年)。GWh:ギガワット時(=100万キロワット時)。(クリックで拡大)出典:ENTSO-e(凡例の和訳は自然エネルギー財団)

高圧直流方式で送電コストが低下

 国際送電網を支える送電技術の進展は目覚ましい。特に重要な役割を果たしているのが、高圧直流(HVDC)方式による長距離送電技術である。通常の送電網では電圧を変換しやすい交流で電力を送るが、直流と比べて送電時の損失が大きくなる。この点で高圧のまま直流で電力を送るHVDCは損失が小さく、国際送電網の基幹部分に採用することで送電効率を高めることができる。

 それに加えて海底ケーブルの技術が進んできた。長距離の国際送電線をHVDCで海底に敷設する大規模なプロジェクトが各地域に広がり始めている(図4)。その中で代表的な例を挙げるとすれば、ノルウェーとオランダ間を結んで2008年に開通した「NorNed(ノルネッド)」だろう。全長が583kmに及び、現在でも世界最長の海底送電ケーブルである。

http://image.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1705/29/asg_table1.jpg
図4 大規模な高圧直流送電の主な事例。€:ユーロ m:100万。出典:電力広域的運営推進機関

 NorNedは±450kV(キロボルト)の高圧直流方式で700MW(メガワット)の電力を送電できる。建設に掛かった総コストは6億ユーロ、現在の為替レートで計算すると約750億円である。日本の近海と海底の状況などが違うものの、技術革新によるコスト低下も進んでいる。そう考えると、欧州とさほど大きく変わらない単価で、日本と近隣諸国の間をHVDC方式の海底送電ケーブルで接続できる可能性は大きい。

 欧州では国際送電網の建設コストが下がるのと同時に、太陽光発電や風力発電を中心に自然エネルギーの電力が各国で増加して、電力を輸出入するメリットが大きくなった。とりわけ海に面した国々では、HVDC方式による国際連系を通じてさまざまな便益が期待できる(図5)。

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図5 国際連系によって各国に期待されている主な便益(高圧直流送電の事例)。水色が運転中、それ以外は建設中または建設予定。出典:自然エネルギー財団

北欧からイギリスへ自然エネルギーの電力

 日本と同じ島国のイギリスでは火力発電の比率が高く、しかも電力の卸売価格が近隣諸国と比べて高いという問題を抱えている。こうした課題を国際連系線で解決できる期待は大きい。最近では欧州の電力取引のハブになっているオランダから大量の電力を輸入できるようになり、新たに北欧のノルウェーやデンマークからも国際連系線を通じて安価な水力・風力の電力を輸入する計画が進んでいる(図6)。

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図6 イギリスの国際連系線プロジェクト。(クリックで拡大)出典:Poyry、“Costs and Benefits of GB Interconnection”(凡例の和訳は自然エネルギー財団)

 2011年にイギリスとオランダの間で運転を開始した国際連系線の「BritNed(ブリットネッド)」の事業規模を見ると、オランダからイギリスへ融通する電力量が年々増加して、2015年には年間で80億kWhにのぼった(図7)。さらにイギリスとオランダ間の電力価格差が拡大したことにより、BritNedの送電事業の売上高は2億ユーロ近くまで達した。建設に掛かった総事業費(6億ユーロ)を数年のうちに回収できる見通しだ。

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図7 「BritNed」の売上・総経費・電力融通量。€:ユーロ、TWh:テラワット時(=10億キロワット時)。出典:BritNedなどの情報をもとに自然エネルギー財団が作成

 これに加えてイギリスには北欧から新たに水力や風力の電力が国際連系線で入ってくる。欧州各国の卸電力の取引価格を比較すると、自然エネルギーの比率が高い北欧4カ国を含む卸電力取引所「Nord Pool(ノルドプール)」の価格が最も低い(図8)。2015年にはイギリスの半値以下の水準になっている。2つの地域間を国際連系線で接続すれば、イギリスの卸電力の価格低下と自然エネルギーの利用拡大が期待できる。

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図8 卸電力取引の前日スポット価格(年平均)。€/MWh:ユーロ/メガワット時(=1000キロワット時)。欧州電力取引所(EPEX)などの情報をもとに自然エネルギー財団が作成

北海道と似ているアイルランド

 イギリスからは西側のアイルランドとの間にも国際連系線がある。2013年に運転を開始した「East West Interconnector」である。アイルランドは風況に恵まれていて、風力発電の開発が活発に進んでいる。2017年1月11日には、風力発電による供給量が国全体の電力需要の8割を超える水準まで跳ね上がった。それでも国際連系線でイギリスに電力を送り、需給バランスの調整に成功している(図9)。

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図9 アイルランドにおける電力需要・風力発電・連系線の実績(2017年1月8日〜14日、15分ごと)。MW:メガワット(=1000キロワット)。出典:EirGridの情報をもとに自然エネルギー財団が作成

 アイルランドは面積や電力需要の規模が日本の北海道に近い。北海道でも太陽光発電や風力発電を中心に自然エネルギーの電力が拡大しているものの、需給バランスを維持する目的で導入量を抑制する動きが見られる。東北と結ぶ連系線の増強計画が進んでいるが、他国とも国際連系線でつながれば、自然エネルギーの導入量を大幅に増やすことが可能になるだろう。

 国際連系線は原子力発電の依存度が高い国にもメリットを与える。イギリスに向けてフランスからも国際連系線で電力が送られている。原子力発電の比率が高いフランスでは卸電力市場のスポット価格が低い。ただし原子力発電は1基当たりの供給力が大きいために、1基でも運転を停止すると価格が上昇してしまう。

 最近の例を挙げると、フランス国内で2016年11月8日に原子力による供給力が減少して、スポット価格が急激に高くなる現象が発生した。そこで近隣諸国から安価な電力を国際連系線で輸入して、コストの上昇を抑えることができた(図10)。フランスでは電力の安定供給に欠かせない予備力の一部も国外から調達している。

http://image.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1705/29/asg_figure12.jpg
図10 フランスと周辺国の電力取引量・前日スポット価格(2016年11月8日)。MW:メガワット(=1000キロワット)、MWh:メガワット時(=1000キロワット時)、€:ユーロ。出典:自然エネルギー財団

 こうして欧州の先進国では電力の安定供給と自然エネルギーの拡大を両立させながら、国際送電網による取引を通じて国全体の電力コストを抑制している。日本の電力市場が抱える課題の多くは、国際送電網を実現することで解決できる可能性が大きい。




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転載
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産総研の20万分の1日本シームレス地質図編集委員会は、2005年からWeb上で公開してきた日本全国の地質情報を継ぎ目なく表示する「20万分の1日本シームレス地質図」をリニューアルした。

2017年05月26日 13時00分 更新
[長町基,スマートジャパン]

PCやスマホなどから誰でも閲覧可能

 産業技術総合研究所(産総研)の20万分の1日本シームレス地質図編集委員会は、2005年からWeb上で公開してきた日本全国の地質情報を継ぎ目なく表示する「20万分の1日本シームレス地質図」を完全リニューアルし、2017年5月に一般公開した。

 地質図とは、植生や土壌の下にある地層や岩石の種類・時代・分布、それらの相互関係を表した地図である。地質図の情報により地盤の状態や活断層の位置、石炭、天然ガス、温泉、地熱といった地下資源の有無、火山活動の歴史などが分かる。資源探査、土木・建築、防災・減災、近年では観光など幅広い分野で利活用されてきた。
 特に日本は4つのプレートがせめぎ合う場所であるため、世界の中でも非常に複雑な地質をしており、その成り立ちの背景や現在の状態が分かる地質図は、安全・安心な社会を実現する上で、重要な役割を果たしているという。

 地質調査総合センターは、20万分の1地質図幅を基に地質図をデジタル化し、1つの地質図で日本列島をカバーした同地質図をWebサイトで公開してきた。継ぎ目のない日本全土の地質図を、PCやタブレット端末、スマートフォンで誰でも簡単に見ること可能だ。この地質図は日本全国を単一の凡例で見ることができる唯一の地質図で、世界的にもこのような情報量をもつ地質図を高速に閲覧できるシステムはないとする。公開以降のアクセス数は順調に増加し、トップページのアクセス数は100万件を超えている。

 しかし同地質図は、1992年に刊行された「100万分の1日本地質図」の凡例を基に作成されたため、用いられている凡例の基本概念は既に約25年が経過していた。凡例は地質図に情報を表現するための「言葉」であり、それが刷新されない限り、新しい考え方を盛り込んだ地質図を作ることは困難だ。そのため、この25年間の地質学の進展を基に刷新した凡例を作成し、それに基づく新たな地質図の編さんが求められていた。

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地質図の旧版(左)と新版(右)の比較 出典:産総研

 そこで、産総研では2010年に各分野の専門家を集めた20万分の1日本シームレス地質図編集委員会を立ち上げ、最新の知識に基づいた凡例の作成と再編さんを行った。全面的に刷新した凡例は「地質の年代」「岩石の種類」「地層・岩石ができた環境」を組み合わせた2400超の凡例からなり、従来の386に比べて大幅に増えている。岩石の区分を全て見直すことで、より詳細な凡例による地質図を提供できるようになったという。

 これまでも20万分の1日本シームレス地質図は、地質図の上に活断層の位置などさまざまな情報を重ね合わせて表示できていたが、今回はより詳細な地質図となったため、重ね合わせる情報との相関関係がより分かりやすくなると期待される。

 また地質図に各地域の行政情報などを合わせて的確な避難経路を導き出すなど、より効果的で、合理的な防災・減災対策を講じることも可能となる。観光分野においても、最新の地質情報でその地域の景観の成り立ちを説明できるようになるとする。

 今後はこれまでのシームレス地質図と同様、活断層などの情報を重ね合わせることができるようにするなど利便性を向上させるとともに、ダウンロードデータも用意する予定だ。これまでのシームレス地質図を下敷きにして各種の情報をオーバーレイして表示する外部のWebサイトに対して、新版の完成を案内するともに、階層構造化された凡例を生かした各種アプリケーションソフトの開発と提供にも取り組んでいく。

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