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びわ湖ローカルエネルギー研究会
地域エネルギーとネットワーク

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住民の手で共同太陽光発電所 伊豆の国市

◆他地域頼りに危機感 函南の伊藤さん

「太陽光発電でエネルギーの自給自足を進めて、原発に頼らない世の中にしたい」と語る伊藤さん=伊豆の国市奈古谷で
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 富士山や駿河湾を見渡す伊豆の国市奈古谷(なごや)の山中に太陽光パネルが並ぶ。手書きの看板には「市民共同発電所 原発に頼らないエネルギーを自分たちの手で」。函南町上沢、伊藤博文さん(65)は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故をきっかけに、市民共同運営で手作りの太陽光発電所の設置に取り組む。「まずは足元から変えよう」と、電力を他県に頼る静岡県東部でエネルギーの地産地消を目指す。
 
 富士川を境に県東部は東電、中西部は中部電力が電力を供給する。東部に東電の大規模な発電所はなく、計四万八千キロワットの小水力発電所があるのみ。夏のピーク時は百七十万キロワットの需要があり、ほとんど県外からの送電に頼っている。
 
 東電によると、かつては主に柏崎刈羽原発(新潟県)の電気を超高圧送電線で群馬県や山梨県を通り、新富士変電所(小山町)から県東部・伊豆の各地に送った。だが同原発停止後は、東京湾岸の火力発電所の電気が中心だ。
 
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20140317/images/PK2014031702100032_size0.jpg
 
 三年前の三月十一日に伊豆市の温泉で地震を感じた際、出身地の岩手県の状況が心配になった。同年夏に妻の実家がある同県北上市を中心に訪問。停電していた被災地では当初、原発事故を知らなかったと聞いた。福島の原発は地元・東北の電力源ではなかったためだ。
 
 「原発に依存しない地域自給型の発電を進めなければ」。伊藤さんはこの体験を通して、他地域に電力を依存する危うさを痛感した。
 
 太陽光発電には、震災前から自宅や友人の土地で挑戦し「採算がとれる」と手応えを感じていた伊藤さんは、NPO法人太陽光発電所ネットワーク(東京)に、仲間を集めて設置・運営する共同発電所の開設を提案した。
 
 パネルの設置や配線まですべて手作りで、費用を抑えた。一二年七月に伊豆の国市に最初の発電所が完成。一三年一月に参加者を広く募るために合同会社を設立し、六月には近くに二カ所目を開設した。今は計百三十キロワットの発電出力がある。
 
 共同発電所への出資は一口十万円からで、出資者は年利1%で十年かけて返済を受ける仕組み。売電収入を得られる個人オーナーも募っている。さらに市内で三カ所目も計画中だ。
 
 伊藤さんは「日中にしか発電できない太陽光でも、増えればバッテリーの開発などの技術革新が進み、原発再稼働を防ぐ圧力になる」と信じ、取り組みを続ける。
(山田晃史)

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