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びわ湖ローカルエネルギー研究会
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[FT]テスラへの信頼はいつまで続くか?

2018/2/10 6:50
日本経済新聞 電子版
Financial Times
 シリコンバレーは常に、他の事業のまねと機能の向上によって動かされてきた。本当に突発的にでてくるアイデアは少ない。大抵は、ほかの誰かがすでに試したものを完璧にすることが勝負どころとなる。グーグルが検索で、あるいはフェイスブックが交流サイト(SNS)でやったように、正しいやり方をみつけたら、その結果は目を見張るものになったりする。たとえほかの企業がすでに同じ道を開拓しようとしたとしてもだ。改良ばかりに執着すると、広大な領域全体が未開拓のまま残ることがある。
野心的な事業展開を続けるテスラだが、資金調達の環境変化など試練にも直面する=ロイター
野心的な事業展開を続けるテスラだが、資金調達の環境変化など試練にも直面する=ロイター
 これはハイテク起業家のイーロン・マスク氏が意味するものについて、じっくりと考えるもう一つの理由になる。潜在的に巨大な新しいハイテク市場で、誰かが年単位ではかることのできるリードを確保することはめったにない。それを同時に2つの新市場でなしとげることは前代未聞だ。だが、その種のリーダーシップは、先駆者たちのビジネスモデルと資金調達モデルに激しいストレスを与える。
 「マスク・ワールド」は今週、マスク氏ならではの大きなものの考え方の良さと悪さを完璧に披露してみせた。
 まず、マスク氏の宇宙開発ベンチャー、スペースXの大型ロケット「ファルコンヘビー」が待望の打ち上げにこぎ着けた。最初に約束された時期より4年遅かったことは、どうでもいい。ファルコンヘビーはそれでもまだ積載量が大きい競合ロケットをかなりリードしている。
 スペースXは典型的なベンチャーキャピタル(VC)モデルを追求してきた。マスク氏と緊密に仕事をしてきた人たちによれば、同氏は人類を火星に送り込む究極の目標を守るために、会社を非上場にしておくことに断固こだわる。ベンチャー投資家は進展に満足しているようだ。スペースXは16億ドル調達しており、直近の資金調達では、企業価値が210億ドルと評価されていた。2年前の価値評価の2倍にのぼる金額だ。
■開発の遅れ、生産問題に寛容な投資家
 スペースXのもう一つの資金源は、同社の「ファルコン9」の顧客だ。2010年代初めに民間ロケットとして初めて宇宙に到達したファルコン9はあっという間に、驚きから確かなロケットへと変貌を遂げた。ロケット開発プログラムのリスクはとてつもなく大きい。打ち上げに1回失敗すれば、会社の事業全体が滞りかねない。だが、スペースXは爆発事故を起こしてから1年半もたたないうちに復活し、2017年にロケット発射を18回成功させた。
 マスク氏が経営する別の会社テスラが手掛ける、初の量産電気自動車の試みである「モデル3」もまた、時代の先を行く車だ。ファルコンヘビーと同じように、マスク氏はこの段階に到達するために、より規模が小さい商品を利用した。マスク氏はこうした初期の車で、一時的に利益を出すことさえなし遂げた。その後、新モデルで再び赤字に転落している。
 だが、テスラについては会社を非上場にしておく贅沢(ぜいたく)は許されず、ここまで来るために、公開市場から莫大な資金注入を受けてきた。
 マスク氏の偉業の特徴は、製品開発の大きな遅れと生産問題が相次ぐ間もずっと、株式市場の投資家の信頼を維持してきたことだ。今週もそれをやってのけ、暫定的な生産目標の達成が6カ月ずれ込んだ後、モデル3のために時間稼ぎをしようとした。マスク氏の短期的な目標と予想が何ら実現しないことに慣れている投資家はまたしても、喜んで好意的に解釈した。
■追い上げられる先行者
 2つのベンチャーは強力な「ハロー効果」(後光効果)を生み出した。この効果は今週、マネキンの宇宙飛行士が運転席に着き、地球を周回する赤いテスラの「ロードスター」の動画という形で、はっきり見て取れた。
 マスク氏は、忠実なファンを鼓舞するためにスペースXの成功を利用するチャンスを見逃さなかった。「人々は、もし我々がロードスターを小惑星帯へ送り込めるのであれば、おそらくモデル3の生産問題を解決できると思うだろう」。マスク氏は8日、ウォール街のアナリストらに向かって、こう語った。「ただの時間の問題だ」
 だが、このハロー効果がいつまでも続くことを当てにしすぎるのは間違いだ。株式市場の今週の大揺れは、安価な資本――マスク氏が好きなように利用してきた資源――の時代に終わりが近づいていることを思い出させる出来事だった。さらに重要なのは、四半期にモデル3の生産が予定より遅れるたびに、また四半期分だけテスラのリードが小さくなるということだ。
 バッテリーであれ、電気駆動系であれ、自動運転への進展であれ、テスラの技術的な成果は急速に、今や電気自動車の開発に一斉に取り組む自動車業界に追い上げられている。これは少なからず、マスク氏自身の成功のために起きたことだ。同氏が想像を絶することをやってのけてから、もう2年近くたつ。何千人もの人がその言葉に促され、1000ドル払ってモデル3の購入待ちリストに加わる特権のために列をなしたのだ。こうした人の大半は今から1年後になってもまだ納車を待っている公算が大きい。
 マスク氏は宇宙を征服したかもしれないが、時間というのは同氏でさえコントロールできないものだ。マスク氏は今週、ウォール街のアナリストらに、現時点では最高経営責任者(CEO)の肩書を譲る考えはないと語った。CEO退任は同氏の直近の長期報酬計画の中で想定されている可能性だ。
 だが、もし生産の遅れがもっと長引くようなら、テスラの株主でさえ、マスク氏が小惑星帯への片道のドライブに参加しても構わないと考えるかもしれない。
By Richard Waters
(2018年2月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.co
(c) The Financial Times Limited 2018. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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