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>気候変動による影響を緩和する措置が講じられない場合、50年までにアジア太平洋のかんがい麦生産は最大25%、米生産は最大20%減少すると予測した。アジア太平洋の天水栽培のとうもろこし、大豆生産量もそれぞれ最大15%、18%減少する可能性がある、と推定している。


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2013年 2月 08日 07:14 JST.
気候変動の影響で食品価格2倍上昇の可能性も=シンクタンク
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324406204578290431683688090.html

 【シドニー】気候変動の影響でアジアの穀物生産は今後40年間で最大4分の1減少し、中国など主要消費国は輸入の急増を余儀なくされ、食品価格は最大で現在の水準の2倍に上昇する可能性があると国際食糧政策研究所(IFPRI)は明らかにした。


 国内穀物生産が気候変動の影響で減少する中、中国は2050年までに最大7500万トンの大豆、5500万トンのとうもろこしを毎年輸入する可能性がある、とIFPRI環境・生産技術部門ディレクター、マーク・ローゼングラント博士は当地で開かれたコンファレンスで述べた。


 米農務省は、すでに世界最大の大豆輸入国、世界2位のそうもろこし生産国である中国の2012/13年度のとうもろこし輸入を200万トン、大豆輸入を6300万トンと予測した。


 国内穀物生産の減少は同国畜産業界における国際市場への依存度拡大を余儀なくする。中国の輸入需要は現在でもすでに世界の食品価格の主なけん引役となっており、輸入増加は価格に上昇圧力をもたらす。


 ローゼングラント博士は、国際とうもろこし、大豆価格は今後40年間で2010年の水準から最大2倍に上昇する可能性があると述べた。これによってアジア太平洋の栄養不足の子どもの予想数に1100万人加わるという。IFPRIの気候変動による影響を除くアジアの栄養不足の子どもの数の予想は6500万人。


 IFPRIは、気候変動による影響を緩和する措置が講じられない場合、50年までにアジア太平洋のかんがい麦生産は最大25%、米生産は最大20%減少すると予測した。アジア太平洋の天水栽培のとうもろこし、大豆生産量もそれぞれ最大15%、18%減少する可能性がある、と推定している。


 アジア太平洋で最も貧困にあえぐラオスとカンボジアは最も打撃を受ける見込みで、気温上昇や降雨パターンの変化によって穀物生産は減少し、コストのかかる輸入への依存を余儀なくされる、と同博士は付け加えた。


 「食品生産性の向上、気候変動対策の改善を進めないと、将来の食品安全保障に重大な悪影響が及ぶことになる」とローゼングラント博士は述べた。
 
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穀物高騰、米政府に予測ミス(真相深層)
技術革新、豊作の過信

2012/8/22付
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO45250090S2A820C1EA1000/?dg=1
 市場経済の発達した米国は「統計の国」でもある。しかし、米政府が発表する統計にも市場参加者が首をかしげる数値や単純な誤りはある。世界を揺さぶる穀物相場の高騰の背景にも、政府の予測ミスがあった。
 
イメージ 1
 
 トウモロコシや大豆など穀物市場が相場形成のよりどころとする米農務省の需給報告。月ごとの発表で数値が振れるとの声は前から多かった。だが、今年7月以降のブレは市場参加者の動揺を誘った。
 農務省は5、6月に今年の1エーカーあたりのトウモロコシの収穫量(単収)見通しを過去最高の166ブッシェルと発表した。それが7月は146ブッシェル、8月には17年ぶりの低水準となる123ブッシェル台へと下方修正された。
 「そもそも当初の見通しは高すぎた」(資源・食糧問題研究所の柴田明夫代表)。農務省の予測を受け、穀物相場は6月までは空前の生産量と在庫回復を見込んで下落していた。それだけに反発は大きくなる。
 特に反応したのはヘッジファンドなど投機筋だ。半世紀ぶりとされる大干ばつの「被害は深刻」と読み、予測修正を材料に穀物買いに走った。相場の振幅を広げたのは5、6月に過去最高の単収見通しを示した農務省だったといえる。
 確かに今春の作付けは順調に進んだ。それにしても農務省はなぜ、大豊作だった2009年度(164ブッシェル台)をも上回る収穫量を予想したのか。
 農務省は毎年5月から、その年に作付けする穀物の収穫量の見通しを発表する。ただ、実際に畑に入って生育具合を調査するのは8月発表分から。5〜7月の統計は机上でひねり出す推測値である。
 柴田代表は「11年度末も1ケタ(8.2%)にとどまる在庫率(総需要に対する在庫量の割合)を2ケタに戻す皮算用だったのでは」と疑う。米経済にとって穀物の供給不安による物価高はマイナス要因だ。米政府は、できることなら需給逼迫を示す低在庫率を早く解消したいだろう。
 
イメージ 2
米農務省が実際に生産現場を調べるのは8月統計から=AP
 
 
 穀物市場の現場を知る関係者は「いつもの積雪がないなど、4月時点で今年の天候はおかしいと感じていた」(丸紅の岡田大介常務)と話す。それでも米政府は強気の単収見通しを出した。根底にあるのは、生産技術の進歩で収穫量が右肩上がりで伸び続けた実績への過信だ。
 
 1996年に始まった遺伝子組み換え品種の作付け比率は大豆、トウモロコシとも約9割に達した。組み換え品種は病気や害虫への耐性に加え、収穫量も通常品種に比べ1割以上多い特性を持つ。いつしか長い間好天に恵まれた幸運を忘れ、現状認識の甘さを生んだ可能性は否定できない。
 食料品などの物価高を抑えるという米政府の目算は歴史的な干ばつに打ち砕かれ、事態は悪い方へと回転し始めた。飼料価格の上昇で収益の悪化した畜産農家の不満の矛先は、政府が推進するトウモロコシなどを原料とするバイオ燃料政策に向かう。
 
 米国でバイオエタノール生産に使うトウモロコシの量は、10年度に本来の需要である畜産飼料向けを上回った。米食品メーカーは「燃料向けが多すぎて飼料向けが足りず、価格の高騰を招いている」と訴える。
 ガソリンに混ぜるバイオエタノールの使用義務量を緩和すれば、相場高騰の沈静には即効性がある。ただ、政策見直しやエタノール企業の採算悪化で生産量が落ちると、今度はエタノールの供給を織り込んでいる石油市場に影響が及ぶ。
 
 7月初めに1ガロン3.3ドル台まで下げていた米国のガソリン平均小売価格は、足元で3.7ドル台まで上昇している。これが4ドルに近づくと個人消費を冷やし、米経済を腰折れさせる懸念が強まる。
 予測ミスが増幅した穀物高騰。大統領選の迫ったオバマ政権を悩ます難題になろうとしている。
(編集委員 志田富雄)

 
TPP論者は、どのような状況になっても安価で大量に食料が未来永劫、日本に入ってくると考えているのでしょうか?
 
そうであるのなら、大変おめでたいとしか言いようがありません。
 
 
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焦点:忍び寄る食糧危機の足音、穀物急騰で「我慢比べ」

2012年 07月 14日 11:37 JST
 
[ロンドン 12日 ロイター]
 
 米国の穀物主産地が25年ぶりの干ばつに見舞われているのを受け、世界の商品市場では大豆やトウモロコシなど穀物相場が高騰。数年前に世界の貧困国を苦しめた食糧危機が再来すると懸念が強まっている。
中国など食糧を輸入に大きく依存する国は今のところ、急騰した穀物の新規取引を見合わせつつ、健全な水準にある穀物備蓄を使いながら相場の高騰が収まることを期待している。
しかし、そうした望みは、需要家が一気に市場に戻ってくれば、もろくも崩れ去ることになるだろう。
 
米国産トウモロコシが世界全体の出荷量の半分以上を占めていることを考えれば、主産地の中西部が記録的な熱波に襲われたのを受け、相場が過去3週間で約40%上昇したことも不思議ではない。大豆先物相場も過去最高値水準で推移しており、小麦相場も急騰している。
 
複数の市場筋によると、欧州や北アフリカ、中東の需要家は通常の穀物取引を手控え、相場が落ち着くのを待っているという。しかし、あるトレーダーは「時限爆弾のようなものだ。いつもは弱気筋の自分だが、トウモロコシ価格が10ドルになっても驚かない」と述べた。
シカゴ商品取引所(CBOT)では足元、トウモロコシ先物12月限は1ブッシェル当たり7ドルを超えて急騰している。
 
現在の状況と数年前の食糧危機には、猛暑による不作が相場の高騰をもたらすなど、いくつかの共通点がある。今回は米国のトウモロコシが干ばつの影響を受けているが、2010年はロシアの小麦が干ばつによる大打撃を受けた。
共通点は他にもある。前回に穀物相場が現在の水準まで高騰した2008年は、リーマン・ブラザーズの破綻につながる金融危機の芽があった。現在は、債務危機でユーロ圏に激震が走っており、世界のほかの地域も危機と隣り合わせの状態にある。
 
<十分な備蓄>
エジプトやイラン、中国やインドなどの穀物輸入国はこれまでのところ、相場高騰にも落ち着いた動きを見せている。年間1000万トン以上の小麦を輸入する世界最大の小麦輸入国であるエジプトは先に、6カ月分以上の戦略備蓄があると明らかにしていた。
中国とインドも、過去数年の記録的な収穫高によって小麦とコメは潤沢な備蓄を抱えている。また、米国のトウモロコシ輸出業者によると、中国と韓国は需給ひっ迫と価格上昇を見越し、すでに大量調達で先手を打っているという。
 
<危機の兆候>
2007/08年の食糧危機時には、国連食糧農業機関(FAO)は、世界の飢餓人口は7500万人増えると警告していた。また、別の機関からは最大1億6000万人が新たに飢えるとの推計も出されていた。
国際穀物理事会(IGC)の穀物・油糧種子指数は今週、2008年7月以来の水準に上昇。IGCの統計によると、現在の穀物在庫は2008年に比べ25%多い水準だが、小麦とトウモロコシの在庫は中国が大量に抱えており、国際市場に流通する可能性が非常に低い点は留意する必要がある。
過去数年、穀物消費量は右肩上がりで伸びてきた。IGCは今月に入り、2012/13年(7月─6月)の穀物消費量は、発展途上国での肉の消費増加に伴う飼料需要の拡大も手伝い、前年比1.8%増加するとの予想を発表している。
アジア最大の冷凍鶏肉輸出国であるタイの当局者は、飼料となるトウモロコシと大豆の価格上昇が、食品インフレをあおると危機感を示す。タイ商工会議所のPornsil Patchrintanakul事務次長は「2012年第4四半期に食品価格は5─10%上昇するとみている」と語った。
 
<我慢比べ>
高値買いを避けるため、急騰している相場から一歩引いておくのは賢明な選択肢と言えるだろうか。
モロッコは現在、穀物取引を控えている。しかし、2012年の穀物収穫量は510万トンと前年から300万トン以上も減っており、輸入が必要な穀物の量は過去30年で最高の水準にまで高まっている。
シンガポールの穀物トレーダーは「買い方は過去数週間、相場が反落するのを期待して取引に応じなくなっている。韓国やフィリピン、ベトナムでも同じだが、一体どれだけ待てるのだろうか」と語った。
買い方は、9月や10月になって東欧や黒海沿岸諸国からの穀物が市場に出回るのを待とうとするだろう。しかし、そうした地域も万全とは言えない。
ロシアやウクライナ、カザフスタンは、高温で乾燥した天候によって収穫予想を下方修正しており、同地域の今年の穀物生産量は2011年に比べ、少なくとも3500万トン減る可能性がある。
(原文執筆:Veronica Brown記者、Nigel Hunt記者、翻訳:宮井伸明、編集:梅川崇)
この手の話は、採掘コストや資源探査の精度、消費動向、経済動向で大きくぶれますが、少なくとも有限であることは間違いないでしょうから、その依存度合いを下げることは色んな意味で重要です。
 
転載
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「石炭は豊富にある」という常識が覆る

「可採年数200年」は過去のもの

日経ビジネス 2012年5月28日(月)
 
 私はこれまでの連載のなかで、シェールガスの生産およびシェールガスを日本が輸入することについての問題点やリスクについて数度にわたって述べてきました。なぜ私がそうした情報を発信するかと言えば、最近の日本語で入手できるシェールガスについての情報が、ただ期待感だけを助長するようなものばかりであることに強い疑問と危機感を感じているからです。
 シェールガス以外にも、いかにもすべてのエネルギー問題を解決してくれるかのような有象無象の話題が毎日のようにあふれています。確かに、閉塞感の強い現在の日本のエネルギー問題の情勢では、何でもよいから真新しいポジティブな情報に餓えているという背景はあると思います。しかし、地震が発生したという理由で技術が1年で急に刷新されることはありえないので、よほど新しいものでない限り基本的にはどの技術やアイデアも震災前と同様の課題を抱えていると考えて間違いはないでしょう。過去からあったもので、世に出て実力がいまだ評価されていないものであれば、何らかの負の側面が隠されている可能性が高いです。当然のことですが、社会に広く影響する事柄であれば、何事も良いところと悪いところの両面の評価を事前にできる限り行い、その結果をもって判断をするべきだと考えます。

石炭は“トレンディ”なエネルギー?

 レベッカ・コスタ氏は著書『文明はなぜ崩壊するのか』(原書房)のなかで、社会の問題が複雑化し過ぎると人間の脳は理解が追いつかなくなる「認知閾(いき)」という状態に達し、以下のような非合理な思い込みや行動に走る傾向にあると述べています。
・反対はするが対策はない
・個人に責任を転嫁して問題を解決したと酔いしれる
・怪しげな因果関係に飛びつく
・物事の原因が不明でも何か一つにこじつける
・緩和策や応急処置に満足し根本問題を先送りする
・問題を細分化してより複雑にしてしまう
・行き過ぎた経済偏重行動をとる
・何もしないことを罪悪視する風潮になる
(翻訳者があとがきで追加したもの)
 どれも現在の日本のエネルギーの議論にぴったり当てはまるようで、もしかしたら私たちの社会は本当に崩壊のプロセスに向かっているのではないかと思ってしまうと恐ろしくもなります。
 一方、日々の様々な一面的情報や、これらの非合理な思い込みに惑わされがちな状況のなかで、その重要度の大きさにもかかわらず話題にすらなかなか上らないエネルギー源もあります。それが石炭です。
 石炭は環境に悪影響を及ぼし、既に過去のエネルギーといったイメージが大きいですが、依然として世界の発電電力量の40%以上を占める基幹エネルギーです。意外に思われるかもしれませんが、石炭は世界で消費量が最も大きく増加しており、古くて新しい”トレンディ”なエネルギーでもあります。といっても、米国を除く先進国では温室効果ガス排出削減の流れもあって消費量は減少傾向で、実際の消費増加量のほとんどは中国の経済成長によるものです(図1)。消費量世界第1位の中国と第2位の米国を合わせると、世界全体の6割をこえています。
図1 石炭消費量の推移
(BP統計より筆者作成)
 
 石炭の特徴は、石油や天然ガスなどのエネルギーと異なり、生産量のほとんどが各々の生産国内で消費されており、いわば“地産地消”のエネルギーと言えることです。つまり、日本や韓国のように石炭消費のほとんどを海外に依存している国は全体のなかでは少数派で、石炭は一般的に国際的な関心の対象となりにくい側面があります。

石炭埋蔵量は期待していたほどない

 さらに、中国やインドなどの主要産炭国では、埋蔵量の統計は国家によって直接管理されているため、国内のエネルギー専門家であっても情報へのアクセスは制限されています。また、石炭の分類もそれぞれの国でまちまちです。その意味では、石炭を客観的に評価することは、世界で取引され情報開示の需要が大きい石油よりも困難と言えます。
 国際的な石炭埋蔵量の統計は、WEC(World Energy Council:世界エネルギー会議)で取りまとめられたものを引用することがほとんどで、BPやIEA(国際エネルギー機関)などの統計もすべて同じです。しかし、各々の国が公表している数値と大きく異なる場合もあり(石炭の分類や定義の違いによるものと思われる)、国際統計か本国の統計かどちらの値を採用すればよいのかの判断は悩ましいところです。
 近年になって、石炭埋蔵量を再評価する動きがあります。かつて主要な産炭国であった英国、ポーランド、ドイツでは、近年の再評価によって埋蔵量のほとんどがなくなってしまいました(図2)。インドも同様に埋蔵量を大幅に下方修正しています。
 また、米国でも最近になって再評価が始まっています。2007年、米国科学アカデミー(NAS)は「期待されていたほどの石炭埋蔵量はない可能性がある」との予測を発表し、米国のエネルギー戦略を考える上で最新の手法によって石炭埋蔵量を正確に把握することの重要性を指摘しました。それを受けた中間報告が2008年末に発表されています。
 その分析結果によると、米国最大規模で最も生産性が高い炭鉱の一つであるワイオミング州のジレット炭鉱における再評価において、採算性がある(1トン当たり10.5ドル以下)のは、資源量のうち6%にすぎないと結論付けています。また、1トンあたり60ドルの価格であれば資源量の47%が生産できるものの、その価格では他の資源と競争ができないとしています。今後、全国規模の再評価が公表されるでしょう。
図2 主要産炭国の石炭埋蔵量の推移
(BP統計より筆者作成)
 
 みなさんは、石炭の可採年数(埋蔵量/年間生産量)は何年くらいあると思われるでしょうか。200年というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。確かに、2000年時点の統計では可採年数は227年でした。また、日本の石炭情報を一手に扱う財団法人石炭エネルギーセンター(JCOAL)のウェブサイトにある一般向け説明資料の中には193年と記載されています。私が検索した限り、193年という数字を今も引用されている文献はまだ多くあるように思われます。日本語版Wikipediaの石炭の項目では、「150年以上の埋蔵量」と記載されています。

状況は近年急激に悪化している

図3 各化石燃料の可採年数の推移
(BP統計より筆者作成)
 しかし、上述の近年の消費量の急増と埋蔵量の減少によって、可採年数は大きく変化しており、現在の値は118年(BP統計2011年版より)となっています(図3)。わずか10年あまりで可採年数が109年も減少してしまったとは、驚くべき変化です。多く見受けられた193年という数値は2003年時点での値で、翌年には164年となっています。これは全く意味のない分析ですが、この変化が続くと仮定して直線をひくと、2020年の手前で可採年数がゼロになってしまいます。
 可採年数という指標だけで語ることには、いろいろと問題が多いのですが、石油や天然ガスの可採掘年数がここ数十年ほとんど変化していないことと対比すると、石炭の状況が近年急激に悪化しているということは言えるかと思います。
 また、石炭は石油や天然ガスにも増して、その質の差が激しい資源の一つです。ですから、火力発電所を設計する場合は、通常どの産地のどの性状の石炭(およびいくつかの産地の混合物)を使うかを想定してボイラーの仕様を決めます。石炭の分類の仕方には様々あり、その境界線も国によって異なります。
 
 IEAでは発熱量によって簡単な区分を行なっており、1キログラム当たり23.9メガジュール(1ジュールは約0.24カロリー)以上を無煙炭および瀝青炭(れきせいたん)、同17.4〜23.9メガジュールを亜瀝青炭(あれきせいたん)、同17.4メガジュール以下を褐炭および亜炭と定義しています(厳密にはもう少し細かい条件があります)。

カロリーの低い石炭が増えていく

 問題となるのは、今後生産される石炭は徐々に熱量の低い亜瀝青炭や褐炭などの割合が増えていく傾向にあるということです。図4は米国の例ですが、既に生産量に占める亜瀝青炭や亜炭の割合が増加傾向にあり、全体の平均発熱量は減少しています。この傾向は今後ますます加速すると考えられ、石炭を議論する場合は重さではなく熱量で比較することが重要になっていきます。また、石炭大国の一つインドでは、国内に埋蔵量はあるものの質が悪いため、輸入を余儀なくされているという側面があります。
図4 米国の種類別石炭生産量の推移
(米国エネルギー情報局統計)
 ただ単純に、「環境に問題はあるが量だけは莫大にある」と考えられてきた石炭ですが、詳しく見ていくと、量・質ともに徐々に問題が顕在化しつつあり、当然ですが石炭もまた永遠の存在ではないということがわかります。
 今回述べてきたことをもって、すぐに石炭の供給が危ぶまれるということにはなりません。確かに埋蔵量は膨大にあり、新しい開発が多くなされています。しかし、次に重要なのは埋蔵量は存在してもその入手に問題がある場合です。輸入石炭に依存する日本にとっての問題はここにあります。次回は石炭の入手に関する問題を取り上げたいと思います。
 
 
 
 
転載
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本当は笑い話ではないピークオイル

米国のケーブルテレビチャンネル、コメディ・セントラルで深夜に放送している風刺番組、  ザ・デイリー・ショーは、長期にわたり驚異的な人気を博している。その理由として考えられることを1つ挙げるなら、それは近年、政治が実際に目もあてられない状況になっていて、笑い飛ばしでもしなければ、とても正気ではいられないということだろう。
 
私たちがこういったニュース番組のパロディを必要とするのはうっぷん晴らしのためと言えるが、それと同時に、今、何が起こっているのかについて、非常に興味深い見方を示してくれるからでもある。ザ・デイリー・ショーは、今日の米国および世界でよく見られる政治を取り巻く偽善について、優れた批判を繰り広げている。
番組を毎回見ている視聴者のほとんどは18歳から49歳の年齢層の人たちだが、その多くにとって、デイリー・ショーとそこから生まれた コルバート・レポートは、唯一の(あるいは少なくとも最も信頼できる)情報源である。その奥にある真実は、今日、世界を見回してみると、目に飛び込んでくるのは金融危機や景気後退、戦争、暴動、飢餓、進行が続く環境破壊、などであり(しかも、このリストは日に日に長くなる)、このような中ではユーモアのセンスでもなければやっていられない、ということだ。
 
環境分野の仕事についていると、友人や同僚に、あるいは誰かれ構わず、ついピークオイルや気候変動の話をしてしまうことがあるかもしれないが、そんなことをすれば、相手の表情がさっと変わるのがわかるはずだ。
社交の場でそういった話題を切り出せば、最初は良くても、すぐに退屈そうな目が向けられ、「2度とこんなヤツを食事に招待するものか」という相手の内なる声が聞こえるだろう。代わりに、「ところで、昨日の夜のザ・デイリー・ショーを見ましたか?」と話し始めれば、反応はまったく違うものになるかもしれない。
あなたはきっと、司会者のジョン・スチュワート氏の解説について話を続けられるはずだ。彼は、歴代の大統領8人がテレビカメラを前に「アメリカをエネルギー自立国家にする」と宣言した様子を次のように語っている。
 
 
The Daily Show With Jon Stewart Mon – Thurs 11p / 10c
An Energy-Independent Future
www.thedailyshow.com
Daily Show Full Episodes Political Humor & Satire Blog The Daily Show on Facebook
 
つまり、私たちが直面しているエネルギー危機を政治家は認識している。ただ、それについて、たいしたことができないだけだ。このことについては本が1冊書けそうだが、ザ・デイリー・ショーでは要点を数分で教えてくれる。ちょっとしたユーモアがあれば、深刻な問題についてもうまく話が続けられる。そのなかでも、ザ・デイリー・ショーを話題にして何が良いかといえば、一般的な意味で「クール」なことだ。これでまた食事に招待されるかもしれない。
 
 
偽物のニュースが本物のニュースに欠落している部分を補う
 
悲しい現実だが、私たちが偽物のニュースを必要とするのは、本物のテレビニュースメディアが今日の出来事を客観的に伝えるという役割を十分に果たしていないからだ。それは近年起こっている分裂のためだが、言うまでもなく、多国籍スポンサーの機嫌を取って、会社を存続させなければならないという理由もある。
そう考えれば、ピークオイルといった問題にほとんど注意が向けられないのも説明がつく。それどころか、大方のテレビニュースメディアは投機やパイプライン事故、石油探査制限、戦争といったピークオイルに代わる説明を探しまわるのに専ら時間を割いているように見える。
 
たとえば、ピークオイルに関する重要な研究結果が発表されても、ほとんどが無視される。したがって、 Global Oil Depletion Report(世界の石油の減耗に関する報告書)が2009年に発表された時も、最も充実していた報道は、ザ・デイリー・ショーで特派員役を務めるジョン・オリバー氏とアンディ・ザルツマン氏の2人が、タイムズオンラインの提供する  ザ・ビューグル・ポッドキャストで取り上げたものだった。
 
彼らの ピークオイル特番では、この報告書とそこで明らかになったことが紹介されていた。それによると、世界の石油生産は2020年までにピークに達し、重大な危機を迎える。
続いてジョン・オリバー氏が言う。「これはちょっとしたパニックを引き起こしました。というのは、2020年は、まだほとんどの人が生きている時代であり、だから、とても深刻な問題なのです。これが2120年まで起きないというなら、自分には関係のないこととして片付けられて、後の世代が開けてびっくり、で済ませたでしょう。原子力廃棄物の問題と一緒にね」
 
これに対してアンディ・ザルツマン氏は、世界的に見てもピークオイルに対する基本的な姿勢はずっと変わっていないと答える。彼によると、皆こう言うのだ。「大丈夫ですよ。天気もいいし、何に文句があるのでしょう? いつの時代にも、みんなのスープに落とし物をしようとするいやらしいハエはいるもの。これまで石油がなくなったことがありましたか? いいえ!」
 
オリバー氏とザルツマン氏が、これからもピークオイルのような話題について、高圧ホースさながらのナンセンスな批判を世界中にまき散らしてくれることを期待しよう!
 
 
石油の短い歴史
 
ピークオイルの問題について、最も強烈かつ熱心に辛口発言をしているのは ロバート・ニューマン氏だ。コメディアンで作家、また政治活動家でもある彼は、英国では2006年、More4チャンネルで放送された「History of Oil (石油の歴史)」という独演会で、その問題を語った。この番組は2007年に DVD にもなっている。
リチャード・ハインバーグ氏による2003年の著書「The Party is Over(パーティーは終わった)」を引き合いにしながら、ロバート・ニューマン氏は時代を先取りし、この領域のたいていの学者(この作者も含めて)、そしてそのあたりにいるすべての政治家よりも先を読んでいる。
 
20世紀と21世紀の地政学を説明しながら、ロバート・ニューマン氏は、欧米の外交はこれまで中東の石油の覇権争いの連続だったと主張する。第一次世界大戦以降、主な軍事衝突のほとんどは石油をめぐる争いであり、そのことは今日のピークオイルの到来に私たちがどう対応すればいいのかについて、大きな懸念を引き起こしている。
 
ロバート・ニューマン氏は漫談調で詳しく説明をしていく。「私たちはピークオイルとともにまったく新しい時代に突入しようとしています。石油地質学者は、2006年から2010年の間のどこかの時点で地球規模でのピークオイルは頂点を過ぎると言っています。それ以降は、私たちが何をしようと、人類が利用できる正味のエネルギー量は年々減り続けるのです」
 
「恐ろしい時代だと思います。仮に匹敵するものを探すなら、マヤ時代かローマ時代、かつての高度な文明の崩壊にまで戻らなければならないでしょう。なぜなら、これらの文明が崩壊したのは、人々がマヤ人やローマ人であることに飽きてしまったからではないからです」
 
さらに笑い、さらに学びたい方は Google videoで全編を見るか、DVDを購入していただきたい。
ロバート・ニューマン氏にとって、ピークオイルと気候変動はコメディのネタというだけではない。彼は自分の生活にも変化を起こそうとしている。 ブログで彼は次のように述べている。
「去年、More4で『Robert Newman’s History of Oil(ロバート・ニューマンの石油の歴史)』の収録をした時、私はそれを世界初のカーボンニュートラル番組にしたいと考えました。エグゼクティブプロデューサーはその前に、旅番組風にするかい?と言っていたのですが」
 
「そのつもりはないよ、と答えました。私がわざわざ地球の反対側のヒューストンに行って、石油精製工場の外に立ち、カメラに向かってわずか数分話したところで、一体何の役に立つでしょうか? 二酸化炭素を排出するだけ。それなら、精製工場の門の脇でハンバーガーを売っているメキシコ人の彼にファックスで原稿を送って、読んでもらうべきです。ビデオカメラは彼の友達に持ってもらえばいいんじゃないでしょうか?」
 
彼はさらに続ける。ホクストン・ミュージック・ホールで「History of Oil(石油の歴史)」の収録をした時のことだ。「カーボンニュートラル戦略を実践するチャンスがここにもあると思いました。2台の自転車で、ステージの照明に必要な電力の一部を作るのです。あのリンキー・ディンクのサウンドシステムと同じようにね。漕ぎ手が疲れたら、観客が交替すればいいのです。観客にとってはショーに参加するという意義があることです。私にとっては、彼らが汗をかいているのを見れば、皆がただで観ているという恨めしさが和らぎます。もちろん私も自転車こぎに参加しました」
 
そういうことだ。ピークオイルは笑いの種になるのだ。事実として起こっていることは笑えないが、人がそれに対して、否定や怒り、あきらめ、笑いなど、どう反応するかは笑い話になる。
このような感情に関わるテーマは政治風刺に向いている。特に、今日の世界の成り行きをおそらくよく理解している左派寄りのコメディアンはそう捉えるだろう。右派寄りのコメディアンはどちらかといえば物事の面白い側面は取り上げながらも、事態はそのままにしておく傾向が強い。
 
ピークオイルの面白おかしい解釈をネット上で見つけたら、この記事のコメント欄に書き込んでいただきたい。しかし何よりも私が望むことは、ここで紹介したような笑い話が、ピークオイルという現実に、私たちが時機を逃さず立ち向かうのに役立つことだ。
翻訳:ユニカルインターナショナル

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