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国内で生産し、国内の市場を頼りにしている中小企業はもたないのでは?
なるほど、海外からの部品や資源輸入が通貨安で値上がりするから見かけはインフレになるのでしょうが、「富」としては蓄積されずにますます海外に流出してしまいます。

それを「経済成長」というのでしょうか?

ましてや、円安で割高になる外貨建て海外資産を年金資金で買うというのは?
どんどん円安になるのを期待すると言う事なのでしょうか?


転載



コラム:日銀が「通貨切り下げ」開始、ドル120円も視野=佐々木融氏
2014年 11月 1日 01:20 JST
http://jp.reuters.com/article/special3/idJPKBN0IK1NU20141031?pageNumber=1&virtualBrandChannel=14297

佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 債券為替調査部長

[東京 1日] - 日銀は10月31日、予想外の追加金融緩和を発表した。黒田東彦総裁は記者会見で「これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクがある。日銀としては、こうしたリスクの顕現化を未然に防ぐ」ために、追加緩和を実施したと説明した。つまり、何が何でも2%のインフレ率を達成することを考えての緩和ということだろう。

ここで、今回の追加緩和の主な内容をまとめておきたい。

●マネタリーベースが年間約80兆円程度(これまでは60―70兆円)増加するように金融市場調節を行う。

●長期国債について、保有残高が年間約80兆円(これまでは50兆円)程度増加するように買い入れを行う。

●買い入れる長期国債の残存期間を7―10年程度に延長する(これまでは7年程度)。

●指数連動型上場投資信託(ETF)および不動産投資信託(J─REIT)について、保有残高がそれぞれ年間約3兆円(これまでは約1兆円)、同約900億円(これまでは約300億円)増加するよう買い入れを行う。

円という通貨は日銀が発行しており、日銀のバランスシートの負債サイドにある。そして、今回の決定は、その発行したお金でこれからもさらに残存期間の長い国債や、株式、J─REITを購入していくと決めたということだ。

極端な言い方をすれば、日銀は資産側に価値が毀損しやすい、質の悪い資産を購入していけば、負債側にある円の価値を簡単に下げることができる。

何も為替レートのことだけを言っているのではない。通貨の価値を下げるということは、様々な物(不動産、車、コップ、食べ物、飲み物など全ての物)に対する通貨の価値を下げるという意味だ。これは円建てでみた物価が上昇することに他ならない。

日銀が「その気」になれば、自ら発行している円の価値を下げるのは容易だ。今回の追加緩和は、日銀が「その気」になってしまっているような印象を与えた可能性がある。そうなると、人々は円という通貨を保有したくなくなる。何しろ発行している本人が価値を下げようとしているのだから当然だろう。

ある人は円という通貨を様々な物と交換しようとするだろう。また、ある人は外国の通貨と交換しようとするだろう。後者の行為を行う人が増えれば、為替市場で円安が進む。実際、そうした人々はすでに出てきている。

<来年9月までにドル120円到達も>

日銀の追加緩和と「合わせ技」で発表された感もあるが、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は10月31日、外貨建て資産の比率を40%へ大幅に引き上げると発表した。様々な前提により異なるが、大まかに言って、10兆円程度の追加的な外貨建て資産の購入が行われる可能性がある。

意図的か否かは別にして、現在GPIFが保有している日本国債を日銀が買い取り、自らの資産とし、日銀がGPIFに支払った(発行した)お金で、GPIFは外貨建て資産を購入する構図が演出されている。

ドル円相場はさら円安が進むだろう。何しろ、米連邦準備理事会(FRB)は10月29日に、これ以上自らのバランスシートを拡大すると、自分たちが発行しているドルという通貨の価値が毀損してしまうからと、国債などの資産をさらに購入するのを止めたばかりだ。自分が発行している通貨の価値が下がるのを心配している国と、下がって欲しいと考えている国の、どちらの通貨を保有していたほうが安心かは明白だ。

日銀が今回発表したようなペースで国債などを購入し続けると、1年後には日銀のバランスシートの規模は対国内総生産(GDP)比で70%を超える。FRBは対GDP比25%のところで量的緩和(QE)を終了している。経済規模に比べてそれほど大量に発行された通貨の価値は長期的に見て本当に維持できるのだろうか。

少なくとも、日銀がこれだけ本気度を示せば、世の中の期待インフレ率は高まりそうだ。2012年11月から始まったアベノミクスも、インフレターゲット導入による期待インフレ率の上昇が日本の実質金利を急速に押し下げた結果、急速な円安につながった。

仮に日本の期待インフレ率が今後1年間で50ベーシスポイント(bp)程度上昇するとして、米国の利上げ開始により予想される名目金利の上昇を考慮して日米実質金利差を算出すると、同金利差はドル円相場が来年9月頃までに118円程度に上昇する可能性を示唆している。

これに、我々が今後受け取る年金の原資が、価値を維持する意思がある他国の中央銀行が発行する別の通貨にさらに投資される可能性も若干考慮して、JPモルガンはドル円相場の予想レートを大幅に変更した。具体的には、来年9月までに120円に上昇すると予想している。

*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の債券為替調査部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(here)

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

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