星置バックヤード日誌

backyard [名詞] 裏庭・行きつけの場所∈写真・美術・音楽・映画

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図書館でふと目に止まったので、「島倉千代子という人生」田勢康弘(新潮社)を読んでみた。
この本が発行された当時、島倉千代子は第2の絶頂期を迎え、還暦をちょっと過ぎた頃だったようだ。
そして著者は日本経済新聞社の編集委員で、若い頃から島倉千代子の大ファンだったようで、
力のこもった前書きでは、島倉千代子を通して戦後日本の庶民を描きたい、と綴っている。

つくづく男運のなかった人生だったかも知れない。
道楽者のプロ野球選手に騙されて、3人の子供を妊娠中絶しながら結婚して、
結婚を反対していた家族とは結局は縁を切ることになって、身寄りもなく彷徨いながら、
知り合いの眼科医にも騙されて、多額の借金を背負わされ、総額20億円にも膨らんだらしい。
数え上げたらキリがないほど、次から次へと不幸を抱え込んだ人生だった。
だからこそ世間は、そんな島倉千代子を見捨てなかった。

島倉千代子が著者に語った言葉が随所に出てくる―――――――
これまでの私の歌手としての人生は、ひたすら“紅白”だけを見つめて走ってきた急行列車でした。
でもこれからは、道は険しいでしょうけれど、ゆっくりと鈍行列車に乗って、
自分を見つめ直して生きていきたいと思っています。
人を信じないでどうするんですか。騙すより騙されるほうがずっといい。
60歳から面白い人生が始まるような気がする。
私はいつまでも“昭和世代のアイドル”でいたい。歌手で良かったと今ほど感じた時はない。

著者は、島倉千代子の歌に人は島倉の人生を重ねて聴くと言う。
哀しい歌は島倉の心の痛みを、明るいテンポの曲は健気に生きる島倉を。
人びとは想像をかき立て、その上に己の人生をまた重ねるのである、と。

「人生いろいろ」を大ヒットさせた後、
島倉千代子が作詞して吉田拓郎が作曲した「紅葉(もみじ)」という曲があるそうだ。
1995年、島倉千代子がもうじき還暦に手が届こうかという頃の作品だ―――――――
笑われますか まるで初恋 頬のほてりが 止められないの
花咲く春も まばゆい夏も 目をふせながら 生きてきたけど
見渡せば紅葉 赤々と紅葉 私を女と知らせるの
きれいと言ってくれますか 芯まで抱いてくれますか
はらはらと ほろほろと 秋に燃え

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