確実に隔日な星空TAMAのページ

ここに綴るはカービィ好きの言葉。

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ある猫の話。



無機質な音がこだまする、研究棟の階段を僕はゆっくり降りていた。
半階降りるごとに見える、窓からの風景は真っ暗と言っていいだろう。
キャンパス内の街灯がちらほら見えるくらいだろうか。
日付が変わりそうな時刻。
それでも、研究室にこもる人もいる。
明かりがどの建物からも見える。
――物好きな人もいるものだ。
こんな時間に帰宅しようとする僕も、仲間に入ってる可能性は高いのだが。


歩くたびに響く足音は、どこか固く聞こえる。
カツン。カツン。カツン。
音が響く。僕の他には誰も歩いていないようだ。


自動ドアの前に立ち、外気に触れる瞬間、寒さを実感する。
もう、この時間になると秋服でも寒く感じる。
10月も中旬。それに深夜ともなれば当然かもしれない。
歩くたびに聞こえてた無機質な音は、反響せずに拡散し、弱々しいものとなってしまった。


突然、その弱々しい音も止まってしまった。
自分でも意識しないうちに立ち止まっていた。
――目の前に奇妙な状況が映し出されていた。
ビニール袋から散乱したゴミに、何かがかじりついてる。
まぎれもない。
猫だった。


ゴミを荒らす、小動物。
もしかしたら、珍しいと思わない人もいるかもしれない。
でも、僕はあまり見たことのない状況だった。
――故に、悲しかった。


弱々しい足音をさせて、近づく。
猫は逃げなった。
ある程度近づくと猫は身構え、逃げる素振りを見せた。
そこで立ち止まると、猫は再び、ゴミを荒らし始めた。


ゴミを荒らす。
それは、猫がゴミにじゃれつくことではない。
人の捨てた食べかすを、一心不乱に食べることだ。


ただ単に食べ残しを食べるだけではない。
ビニールについたソースをなめつくそうとしていた。
そして、ビニールごと噛んで飲み込んでいた。


――何分経っただろうか。
猫の挙動だけを見ていた。
寒さも相まって、僕は泣きたくなった。
――ごめんね。



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