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君のために
君の傍にいるために
俺は、この気持を伝えたいんだ。
病院に行くと、南の部屋が妙に騒がしかった。
医者や看護婦らが、その部屋から出入りする
何か深刻そうな顔を皆していた。
嫌な予感がしていた。
俺の中で確かに膨らみ始めている不安
「何かあったのか」
ウィルが俺の車いすを押しながらいった
俺は、車いすを止めて
立ち上がり病室に駆け寄った
そこを覗くと彼女は眠っていた。
静かに……
とても、生きてる人間が眠っているようには見えなかった。
「何か……何かあったんですか」
近くの看護婦に聞いてみる
「昨日から容体が急変して、もしかしたら……」
衝撃的な事実
病気ということを、この時初めて実感した。
あんなに笑っていたのに
あんなに元気だったのに
「南!!」
俺は彼女のベットの隣に駆け寄った
そして力強く手を握った。
冷たくて
本当に眠っているだけなのか
そう思わせるぐらいだった。
「南、だめ…だめだ」
奪うのか?
俺が、やっと見つけた幸せを。
神様、俺は失いたくない
「もう……だめだ」
手遅れ?
何?
医者が言った言葉が分からなかった。
「これ以上はかわいそうだ」
注射のしすぎで、彼女の片腕は青紫に変色していた。
それくらい、夜通しで治療していたのがわかった。
看護婦らが去って行った。
静かになった病室
俺と南だけになった病室
俺は、彼女の手を握り締めながら涙がこぼれた。
「南」
南の手がかすかに動く
目をゆっくり、ゆっくりと開ける。
「早……瀬……君」
「どうしたんですか?こんなに眠って」
我に返って冷静に微笑んだ。
彼女は弱そうに微笑んで、握っていた手を小さく握った。
「眠かった……とっても」
息を小さく吐く、息を吸う、小さく…小さく……
「南…俺ね、言いたいことがあるんだ」
目を向ける。
俺を見つめる。
そして、俺の口が開く
「俺…南が好き」
呟く、小さく。
君にしか聞こえないように
俺と君にしか聞こえないように
本……当?」
彼女の眼から涙が零れ落ちる。
麗な透明な涙。
純粋な涙。
涙……
「もちろん」
微笑み
見つめる
そして頬を撫でて
「あなたが…好きなんだ」
優しく俺は、キスをした。
冷たい乾いた唇に
「私も……好き」
小さく言う。
彼女の手がゆっくり俺の頬を触れる
嬉しいはずなのに
どうして、こんなに悲しい
どうして、涙が溢れそうになる
どうして
「少し……疲れ……ちゃった……」
苦笑した彼女が、ウトウトさせる
握っていた手が緩み始める。
「少し、眠ってください。俺……起こすから」
「う……ん」
目を閉じる。
「光君……あり…がと」
スッと眠りに落ちていく。
息が小さくなっていく。
彼女の感覚が無くなっていく。
聞こえなくなる。
彼女の音が……
「大丈夫、起してあげるから」
涙が流れる。
落ちていく
彼女の手や顔に
一つ……二つ……
彼女の髪に触れる
彼女は眼を覚まさない
手が体が冷たくなっていく
抱きしめる
「南……南っ」
俺は何度その時、彼女の名前を呼んだのだろうか
「ゆっくり……休んでください。俺がそちらに行くまでは」
優しくまたキスをする
冷たいキス
そして、俺の鳴き声が病室に響き渡った
あとがき
はい、南ちゃん死んじゃった……
書いてて辛くなった。
泣きそうになった。
いや、俺だけか(藁
うん、次回考えてない
まぁいいや
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