正林堂 本の気休め

群馬県渋川市の小さな本屋が、本に関する話やお客さんとの会話、地域での出来事、ホームページの更新情報などを気ままに綴ります。

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大疾歩(おおのり)

前回、残雪期の尾根ルートに代表される
見えない高速(幹線)道路のはなしをしましたが、
旅に限らず、一定度の距離を歩いて移動することには、
格別の意味合いがあるのではないかという気がしています。

テーマ館のなかの
「幻の漂泊民・サンカ」と「風の王国」
http://kamituke.hp.infoseek.co.jp/page163.html
のページで紹介している五木寛之の「風の王国」という小説に、
奈良の二上山を舞台に今に生きるサンカのすがたが描かれています。

そこで、ある儀式をかねて55人ほどのメンバーが
伊豆にから、奈良の二上山まで
大疾歩(おおのり)という大行軍をすることがえがかれてます。

一行は深夜、伊豆山権現奥の院前に集合し、沈黙のうちに出発する。
濃紺の法被と脚絆、それに菅笠のいでたち。
最初はゆっくり、
次第に歩度をはやめながら山間の古道をくだっていく。

一行は道中
 《一畝不耕 一所不住
   一生無籍  一心無私》
低い声で唱和しながら歩く
  〈イッセー フーコー  
   イッショー フージュー
    イッショー ムーセキ 
     イッシン  ムーシ〉

無言のうちに人が集まりはじめ
無言のうちに人が歩き出し
 低く静かに唱和しながら二上山目指して歩いていく

それだけで場面の緊張感がどんどんたかまっていくのです。

この五木寛之の古い小説は、もう発表から30年近くたっている作品ですが、
なんと昨年末に新装版で横書き3分冊に改編されて再刊されました。
今に生きるサンカの姿をフィクションとして見事にえがきあげているだけでなく、
人の歩くという行為の意味をとても深くあぶりだしている私の大好きな作品です。

夜を徹して長距離を歩くということは、
昔の高校ではどこでもよくやっていることでもありました。
何て呼び方してたか思い出せませんが、
ご存知の方があれば、是非教えてください。

群馬では、沼田市の高校が、前橋市まで夜を徹して歩いたそうです。
事故こそなかったようですが、結構歩きながら眠くなってしまうことが多いらしく、
昔の道では利根川縁の崖から落ちるのではないかと
先生方は気をつかったとかいう話を聞いたことがあります。


サンカの話では大疾歩(おおのり)と言ってますが、
現代で同類の歩くということで
私の計画していることがありますので、
次回はその話をします。

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