オーディオ・音楽・映画大好きオヤジの独り言

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最近、「積層セラミックコンデンサー」の大容量化が進み、色々な機器に使われ始めています。ここでは、オーディオ用アンプに使う場合の注意点について纏めてみたいと思います。
 
1.温度特性
イメージ 1
このデータを見ますと、このコンデンサーの静電容量表示は「周囲温度20℃」基準で行われていることが分かります。そして、この温度より高くても、低くても、静電容量は減少します。
そこで、オーディオ用アンプのケース内の温度を概ね「室温以上・50℃以下」と考えれば、静電容量は「表示の80%程度まで減少」すると予想されます。
しかし、この程度の変化であれば、アンプの特性に大きく影響することは殆どないと思われます。
 
従いまして、「温度特性」はあまり神経質に考えなくてよさそうです。
 
2.直流電圧特性(DCバイアス)
イメージ 2
上の図では、静電容量表示が「印加電圧0V」の時の値で行われていることが読み取れます。そして、印加電圧が上がるに連れて、静電容量が減少していて、概ね下記の通りです。
 
 定格電圧(6.3V)の100%電圧で、90%減少
                 50%電圧で、70%減少
                 30%電圧で、50%減少
 
このデータは非常に注目しなければなりません。この傾向が、高静電容量タイプの積層セラミックコンデンサー共通とするなら、例えば、「10μF−50V」の積層セラミックコンデンサーをDC電圧±50V電源の電解コンデンサーに並列接続すると、「1μF−50V」相当になってしまいます。
 
従って、DC電圧が印加される回路に積層セラミックコンデンサーを使う場合は、この減少分を考慮しなければなりません。
しかし、段間のカップリング用又はNFB回路用であれば、通常はDC電圧がかからないため、AC電圧の波高値がコンデンサーの定格電圧以下であれば、特に問題ないと思います。
 
3.周波数特性
イメージ 3
イメージ 4
ここで言う「周波数特性」とは、積層セラミックコンデンサーの「インピーダンスの周波数特性」です。コンデンサーと言っても、現実には「L・C・Rの直列回路」を形成しているため、インピーダンス特性がコンデンサーのみの場合と少し異なります。
 
そこで、具体的なコンデンサーの特性を示した画像4を見ますと、次のような傾向が分かります。
 
  10kHz以下:電解C、タンタルCと同等。
 100kHz以下:電解C、タンタルCより低い。
 
確かに、インピーダンスは周波数に対して「直線的」に変化し、異常な「うねり」は生じていません。更に、電解コンデンサーやタンタルコンデンサーと比較してみても、ほんの少しインピーダンス値は高いですが、直線性と言うことでは、積層セラミックコンデンサーの方が優れていますし、10k〜100kHzの範囲でも、その直線性は維持されています。
もし、直線性が維持されず、うねりが生じていれば、L・C・Rの何れかが変化しているのですが、100kHz以下の帯域でそのような傾向は見られません。
 
この結果から、積層セラミックコンデンサーは周波数によって容量が変化する」とは言えませんし、むしろ「広いオーディオ帯域に渡って素直な直線性が得られる」と考えた方がよさそうです。
 
4.その他の特性
 
絶縁抵抗、絶縁破壊電圧と言った点でも、積層セラミックコンデンサーが電解コンデンサー、タンタルコンデンサイより劣る点は見当たりません。
 
5.結論
 
「積層セラミックコンデンサー」をオーディオ用アンプに使う場合、特徴を次のように結論付けることが出来ます。
 
①ケース内の温度が50℃以下であれば、特に心配する必要はない。
②直流電圧が常に印加される回路では、静電容量が定格値の10%程度まで低下することを考慮する。
③交流電圧しか印加されない回路では、交流電圧の波高値がコンデンサーの定格電圧を超えないこと。
④交流電圧しか印加されない回路では、インピーダンス変化の直線性が非常によい。
 
と言うことで、積層セラミックコンデンサーをアンプの電源に並列接続し、平滑用コンデンサーとして使う場合以外は、普通のコンデンサーと同じように考えて使って問題ないと、私は考えています。
また、電源回路に使う場合でも、大容量電解コンデンサーに並列接続し、高い周波数領域でのインピーダンス特性の改善を行うのであれば、印加電圧を定格電圧以内にして、10μF程度以上のものを使えばよいと思います。
 
尚、ここで使いました資料は下記のHPよりお借りました。
 
http://www-proc.kek.jp/Materials/2007-05-30/muRataInfo.pdf
 
【2010年12月9日:追記】
 
上で書き忘れたことを追記しておきます。
 
単電源のオペアンプの出力側に、「積層セラミックコンデンサー」を直流電圧カット用(カップリングと兼用)として使う場合も、「直流電圧特性(DCバイアス)」を考慮する必要があります。

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うっ、読解できない。orz。
白旗です。

2010/12/8(水) 午後 5:41 やまやま 返信する

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やまやまさん、今晩は。

これはアンプを自作する場合に使うパーツの話しですから、
音楽を聴くためには、分からなくても全然問題ないです。

私も、偶々、必要があって調べただけです。

2010/12/8(水) 午後 9:03 兵庫の耳悪オヤジ 返信する

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こんにちは、

容量も大容量の物が増えてますので、検討する価値は有りますね。

ただ、気に成るところは、高耐圧で大容量の物が無いと言うところ

だと思います。

出切れば、B特性で50V以上の大容量のセラコンが欲しいところです。

2010/12/9(木) 午後 0:59 X _ Under bar 返信する

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X _ Under barさん、こんにちは。

仰る通り、「B特性で50V以上の大容量のセラコン」があれば、本当に便利なのですが、現実には難しいようですね。
そのため、私は「10μF−50V」を使い、止むを得ない場合はこれをパラ接続しています。

また一部には、「積層セラコン」のことを「音が悪い」とボロクソに言う方もありますが、必ずしもそうは言い切れないと私は思っています。

2010/12/9(木) 午後 4:44 兵庫の耳悪オヤジ 返信する

こんばんは。なるほど…勉強になります!!

2010/12/10(金) 午前 0:20 [ いさお ] 返信する

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いさおさん、おはようございます。
必要があって確認のために調べてみたのですが、偶にはこうしてパーツの
資料を丁寧に眺めて見るのも凄く勉強になります。
これまで漠然とイメージしていたことがハッキリして、私自身も本当に
よかったと思っています。

2010/12/10(金) 午前 7:48 兵庫の耳悪オヤジ 返信する

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こんにち!音巴です。

詳細ありがとうございます。私、高周波系なので、セラミックはすごくお世話になります。B特だと、容量は大きいですけど、温特が悪く、理想はCHですね^^。全体の変化(基板の浮遊容量なんかを含めて)温特カーブが分かっていれば、補正でUJなんてのも、基板設計が上手に出来れば、可能かもですが、難しいです。

オーディオ帯域での容量変化が少なかったのが少しビックリで、お勉強、もう一回します。

音の傾向は、個人の好き嫌いがありますので、セラミックコンデンサが好きな方は好きだと思います。あたしは、固い音を通り越して、パリンパリンに感じたので、どうも引いてしまうんです。

昔、高周波設計してる時、手持ちの安物ウォークマン系の電解に面実装のB特セラミックを全部にパラって、失敗してしまったので。

今は面実装も小型ですね。あたしの最終的な体験は1005でしたけど、今は0804なんですね。細かい!

2010/12/13(月) 午前 11:57 [ - ] 返信する

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村田サンのPDF読みました。
DC+交流のパターンが気になったので、村田の営業サンに資料くださいって言ってみます^^

しかし、あたしが離れている間に0402って凄いですね。これは手はんだで試作、きつそうです。

ありがとうございました

2010/12/13(月) 午後 0:29 [ - ] 返信する

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音巴さん、今晩は。

温度依存性がなく、直流バイアスにも強く、小形で、大容量の積層セラミックコンデンサーがあれば、それが特性上は最高です。しかし、現実にはそうも行きませんので、どこかで折り合いを付けるしかありません。

一方、「パーツの音質」については、オーディオ機器の音質同様、使う人の「感じ方」で、十人十色どころか百人百色です。従って、あまり「ああだ」、「こうだ」と言っても、普遍的な意味合いはないと私は考えています。(むしろ、その人の感情や体調による揺らぎの方が遥かに大きいのではないでしょうか・・・?)

と言う訳で、私自身は「パーツや機器の音質」を殆ど気にかけていません。自分で使ってみて、その結果、気持ちよく音楽が聴ければ、それで十分です。その意味で「大容量積層セラミックコンデンサー」に不満を抱いたことは一度もありません。言い方を替えれば、私の駄耳では、そのような微細な変化は感じ取れないのです。これが私のハンドルネーム「耳悪オヤジ」の所以でもあります。

2010/12/13(月) 午後 4:46 兵庫の耳悪オヤジ 返信する

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