全体表示

[ リスト ]

日中関係のこれから(楽観的な見通し)
 
 
 現在の尖閣問題がどれだけ日中関係を悪化させて行くかは読みの難しいところがある。中国国内の政治(権力主導権闘争)、経済(バブル崩壊の兆し、格差拡大)状況からすると、尖閣諸島帰属問題を領土拡大チャンスと国内の不満をそらす材料として適度に利用することは間違いないだろう。場合によってはちょっとした衝突のような危機が出てくるかもしれない。
 しかし、それが戦争とか国交断絶のような異常なレベルまでに拡大するかといえば、それはないと見てよいだろう。
 
その理由は抽象的にいえば、現代社会の特質としてある世界的な相互依存関係のなかに中国も日本もあるということであり、世界が合理化の過程を辿っていることにある。
日本の支配層はもちろん中国の現在の支配層にある人々もそれらの客観的な状況は重々理解、承知しているからである。ざっくばらんに言えば、今日両国をつかさどる人々は単なる感情で動くほどそんなに愚か者たちではないという理由による。
 
さて、その相互依存関係にあるものの第一はなんといっても市場経済における経済的な相互依存関係であり、またインターネット網の情報の相互依存性である。
また政治的、軍事的にもアメリカを巻き込むこととなる状況を中国もよく分かっている。
 
中国の支配層も世代交代が進み、このあたりのことは良くわかっている。わたしの個人的な経験からしても1980年代初頭には中国(大陸)からの若い人々(その多くは共産党員や党幹部の子弟たち)が、たくさんと言う数ではなかったと思うが、既にアメリカの諸大学に留学していたことを思い出す。かれらは建前は別として、やはり自由や合理的な思考を味わい、学んでいた。世代的にはそういう彼らが今の中国支配層の世代だ。
日本の現状も言わずもがなだ。戦後教育の中で育った世代(後期高齢者世代も含む)は良くも悪くも世界の合理化過程を学び、世界の成り立ちの仕組みを学んでいる。基本的な人権や自由というものがどういうものかも学んでいる。そういう基本的なことをしっかり身につけていなければ、いわゆる手続きを経ることの意味、重要性を知り尽くすキャリア官僚の地位を確保したり、激しい市場経済の競争に勝ち抜く経営者として生き残れない。
 
世界の中にはまだ同じ理解に至らない国家(地域)もあることは確かだが、現代社会の先進国を構成する諸国はどこの国々もそういう客観的な事実や状況を理解しているもの達が支配層を担っている。それはそうでなければ、国家の運営が成り立たないからである。
 
 
万一、日中間に戦争や国交断絶というような異常事態となった場合、
経済的には、現在中国への進出している日本企業や諸組織機関の活動が破壊されたり、妨害されたりして、撤退、生産操業の停止や他国への移転、部品供給の停止などの事態になれば、中国の経済活動は実質マヒ状態に陥るだろう。また日本製品の不買運動、輸入停止が起こるとしても、中国人の現在の生活の質を落として低品質のものしか手にはいらなくなったり、欲しい必要なものが手に入らない=商品の不足という事態になれば、中国の人々はその不満による責任を中国政府に求めることになるだろう。
 
もちろん日本に代わるアメリカや英独仏などの企業の誘致や部品供給、商品の輸入を増やすという代替の手立ては採るだろうが、米欧企業が日本の技術力や等質的な商品を短日のうちに用意するには限界があるし、カントリーリスクを踏まえたスタンスを取ることは目に見えている。それに伴い発生する事態はすぐに国内の不満となって反政府へのエネルギーへと転化する。
 
また今日のインターネット情報網は、中国国内における情報経路を閉じたり、特定の誘導をしようとしても ― それらは非公認、非合法のアングラ情報という扱いを受けるだろうが ― 必ずどこかから情報は漏れ、一般の市民へと世界の事実が流れる。中国政府が外国や国内の情報をいくら情報統制をしても、それらを抑えることは出来ない。
 
また政府主導型の反日キャンペーンを繰り広げたとしても、民度の相対的に上がりつつある現在の中国市民は経済的な充足を脅かされない限り、ほとんどの市民は単純に煽られて反日運動に乗ることはないはずである。国交断絶や戦争によって自分たちの生活が良くなると思っている人はほとんどいない。
抗日戦争の中で受けた個人的な体験にもとづく感情(敵愾心や憎悪)だけで動く人は今の世代の支配層にはそう多くはなくなっている。
基本的には経済的な満足感を充たされる限り、国内矛盾の反日キャンペーンへのすり替えに乗る市民は多くはないはずである。キャンペーンに乗るのは格差社会となりつつある現状のなかの不満者たちやもともと理性に欠けたならず者たちであるにちがいない。
 
中国政府は不満分子のエネルギーを適当に反日キャンペーン活動に利用することはあっても、それが国家経済が麻痺するほど全面的な国民の動きへと導くことはしないはずであるし、できない。それは自滅につながることを知っているからである。
 
以上、きわめて大雑把であるが、これからの日中両国関係が深刻な対立に陥ることはないとする見通しを記してみた。
 
 ただし、両国共にどちらかあるいは双方に軍人主導型の政変(クーデター)が起きたときにはこの限りではないことを付け加えておこう。物指の違う人間たちにより、世界の破滅への道となる。

閉じる コメント(0)

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事